目次 ▼
ある日サイトのアクセス数が激減…
Googleの検索結果は、以前より日々の変動が大きくなっています。そのため、「先週は3万PV/日だったのに、今週は1万PV/日しかない……。」ということがありえます。
そのサイトが企業の売上の柱だったり、個人の収入の拠り所だと、目の前が真っ暗になります。気分はだだ下がりで、食事も喉を通りません。Googleに対する怒りも湧いてきます。
そして一通り落ち込んだ後は、「明日は……明日は元に戻ってるはず……。」と淡い期待を抱きます。
もちろん、明日のアクセス数がどうなるかはわかりません。わたしも「さすがに揺り戻しがあるはず。」と淡い期待をしていたら、さらに一段落ちたという経験をしたこともあります。
そんな無駄なことを考える前に、具体的な原因を追求して、次の行動に移した方が建設的です。
- アクセス数減少で考えられる5つの原因
それでは早速見ていきましょう。
アクセス数減少の原因1.アルゴリズムが更新されたから
Googleは、日々検索エンジンのランキングアルゴリズムを更新しています。そのため、キーワードに対する検索結果は、毎日少しずつ違います。
ところが、たまに大規模なアルゴリズム更新を行います。大規模な更新のことを「コアアップデート」や「コアアルゴリズムアップデート」などと言います。
コアアップデートが起こると、特定のキーワードや特定の概念に対する検索結果に大きな変動が起こり、これまで検索で1位だったサイトが圏外に飛んだり、その逆が起こったりします。
最近だと、2019年3月にYMYL(Your Money or Your Life.)に関するアップデートが行われました。通称、「健康アップデート」です。
Google検索エンジンの信頼度を上げるために、YMYL関連のアップデートは近年盛んに行われており、一連のアップデートで壊滅した健康系サイトや医療系サイトもたくさんあります。
通常Googleは、予告なくコアアップデートを突然行いますが、以下のように直前に予告をしたり、スピードアップデート(Speed Update)のように早くから告知される場合もあります。
コアアップデートの更新に抗う術はありません。まずは様子を見るしかないでしょう。
Tomorrow, we are releasing a broad core algorithm update, as we do several times per year. It is called the June 2019 Core Update. Our guidance about such updates remains as we’ve covered before. Please see this tweet for more about that:https://t.co/tmfQkhdjPL
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2019年6月2日
アクセス数減少の原因2.メインキーワードの順位が落ちたから
アナリティクスで十分に分析をしている人なら、アクセス数が減ったときにまず考えるのは、「アクセス数が多いページの検索流入が減ったのではないか?」です。
多くのWEBサイトでも、2対8の法則(パレートの法則)は成り立ちます。つまり、サイト内の2割のページに8割のアクセスが集中します。さらに、そのページの2割の検索クエリで8割の検索流入があります。
以下は、NINJASというマーケティング会社が2017年に調査したGoogle検索における順位別のクリック率(CTR)です。
Google Organic Click Through Study | Whitepapers by Internet Marketing Ninjas
ある検索キーワードの表示順位が1位から5位に落ちただけで、CTRは21.12%から3.42%に落ちます。その検索キーワードでの流入が、6分の1になるということです。
このようにいくつかのメインキーワードの順位が少し落ちただけで、そのWEBサイトは大ダメージを食らう恐れがあります。
また、逆SEO(ネガティブSEO)によって、意図的に順位を下げられてしまう可能性もあります。
アクセス数減少の原因3.競合サイトの順位が上がったから
検索キーワードによっては、年単位で安定して1位を維持できる場合があります。
もちろん、そのページのコンテンツの質が高く、多くの被リンクがあるからという要因もありますが、数年に渡って1位を維持できるのは非常に珍しいことです。
得てして、キーワードの順位変動が少なく、アクセス数が安定しているページは日々の対応をしないものです。安定しているページを触ることは時間のムダなので、この対応が間違っているとは思いません。
ただ、ページの評価自体は変わらなくても、競合サイトのページの評価が上がることで、相対的に順位が下がる場合があります。
このとき、すぐに対応するかどうかは悩みどころです。先ほどのNINJASのグラフを見ると、あるキーワードによる検索順位が1位(21.12%)から2位(10.65%)になるだけで、検索流入が半分に減ってしまうからです。
もちろん対応とは、コンテンツの質を上げて、被リンクをもらう策を講じることですが、検索順位を2位から1位に上げることはとても難しいため、対応自体が無駄になることもあります。
そのため、わたしの場合はまずしばらく様子を見て、他のコンテンツの改善や新規コンテンツの公開に努めます。
もし、さらにキーワードの順位が下がった場合は、対応する時間が無駄になっても仕方がないと割り切って、ページの改善を試みます。
アクセス数減少の原因4.ページのニーズがなくなったから
長い間、多くの検索流入を集めていたページが、順位も下がっていないのにパタッとアクセス数が減ってしまうことがあります。
その原因は、ページ自体のニーズがなくなったためです。ページのニーズがなくなるのは、ストック型ではなくフロー型記事の要素が大きいからかもしれません。
ストック型の記事とは、ノウハウ系や用語解説、ビジネスモデル、一部のHowto系、長く続く生活習慣や文化などの情報が該当し、フロー型の記事とは、エンタメ系や話題のニュース、ファッショントレンド、スポーツなど速報性が高く、注目が集まっている情報が該当します。
- ある程度の期間ニーズが継続する
- 記事が増えるとアクセス数も増える
- 記事をブラッシュアップできる
- より深い知識を得られる
もちろん、ストック型記事にもニーズの賞味期限があります。たとえば、RSSリーダーのfeedlyは以前に比べて使われなくなりましたし、Google+はサービスが終了しました。このようにニーズがなくなった記事は、急激にアクセス数が減る恐れがあります。
一度ニーズがなくなってしまえば、運用の力で復活させることはできません。諦めて新しいコンテンツ作成に着手しましょう。
アクセス数減少の原因5.Googleからペナルティを受けたから
WEBマスターは、WEBサイトを管理する責任において「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」を遵守しなければいけません。
なぜなら、ウェブマスター向けガイドラインを遵守しない行為は、Googleからスパムだと認識され、ペナルティを受ける恐れがあるためです。
スパムと認識されたページは、Google検索エンジンだけでなくGoogleのパートナーサイトの検索結果において、順位がいちじるしく低下したり、サイトのインデックス自体が完全に削除されることもあります。
ガイドラインに明記された違反項目には以下のものがありますが、その他Googleが違反行為だと認めたものもペナルティを受ける可能性があることを忘れないようにしましょう。
- ユーザー生成スパム
- スパム行為のある無料ホスト
- 構造化データに関する問題
- サイトへの不自然なリンク
- サイトからの不自然なリンク
- 価値のない質の低いコンテンツ
- クローキング、不正なリダイレクト
- 悪質なスパム
- クローキングされた画像
- 隠しテキスト、キーワードの乱用
- AMPコンテンツの不一致
- 不正なモバイル リダイレクト
ペナルティに対する対応は、以下を参考にしてください。
PV減少の原因は他にいくつもある
WEBサイトのアクセス数が突然減ってしまう主な原因をまとめると、以下の通りです。
- アルゴリズムが更新されたから
- メインキーワードの順位が落ちたから
- 競合サイトの順位が上がったから
- ページのニーズがなくなったから
- Googleからペナルティを受けたから
もちろん、これら以外の小さな原因が積み重なって、サイトのアクセス数が突然減少してしまう場合もあります。
たとえば、SNSで拡散をやめたから、SNSアカウントが凍結されたから、大量にソースとして使われていたまとめサイトがなくなったからなどです。
まずは、アクセス数が減少した原因を検証して、その後に冷静な対策を打てるように準備をしましょう。