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アクセス数が増えない理由はフロー型記事かも
サイトやブログで記事を書いていて、以前よりもアクセス数を集めることが難しくなったと感じます。ただ、諦めずに継続すれば、アクセス数は少しずつ増えていくものです。
ところが、1年-2年書き続けても、ほとんどアクセス数が伸びない人もいます。何年か前に、「3年記事を書いてるけど、アクセス数が増えない……。」と、ある企業から相談を受けました。
そのキュレーションは1000記事近くありましたが、アナリティクスを見ると月間4-5万PVしかありません。しかも、割と一般的なテーマで。
ただ、記事を見て納得しました。9割以上が中身が薄いフロー型記事で、検索訪問は5割を切っていました。アクセス数の半分は、SNSから誘導していたようです。
これだけ「フロー型記事」が占めていれば、4-5万PVでも納得できます。もしこれが「ストック型記事」だったら、結果は違ったでしょう。では、フロー型記事、ストック型記事とはどのような記事のことでしょうか。
- ストック型記事とフロー型記事の違い、メリット・デメリット
- なぜストック型記事を書くべきなのか
それでは早速見ていきましょう。
ストック型記事とフロー型記事の違い
ストック型記事とは
ストック型記事とは、ユーザーニーズが長く続く記事、つまりノウハウ系や用語解説、ビジネスモデル、一部のHowto系、長く続く生活習慣や文化などの情報が該当します。
これらの情報の中で、少なくとも1-2年では状態や常識が変化しない情報のことです。
ストック型の記事のアクセス数は7-8割が検索流入で、まれにSNSやキュレーションメディア、ナレッジサイト経由で訪れます。
季節変動はあるかもしれませんが、通常は時期関係なく一定のニーズがあるため、ある程度安定したアクセス数が期待できます。
フロー型記事とは
フロー型記事とは、ユーザーニーズが今もっとも高い記事、つまりエンタメ系や話題のニュース、テレビ番組、ファッショントレンド、スポーツなど、速報性が高く市場の注目が集まっている情報が該当します。
普段は興味がないジャンルでも、今話を振れば何人かは興味を持って話ができる情報のことです。
明確な季節変動がある母の日、クリスマス、バレンタインデーなどもそうですね。
フロー型記事のアクセスの多くはSNS経由ですが、ニーズが高い場合はキュレーションメディアやナレッジサイトでも取り上げられたり、さらにSNSでバズることで、爆発的にアクセス数が増えることもあります。
1か月後はまったく話題になっていないかもしれませんが、今なら周囲が話題にすることで「自分も知りたい!」という人が増えるため、短期的に多くのアクセス数が期待できます。
ストック型記事を書くメリット・デメリット
まず、ストック型記事を書くメリットとデメリットを見ていきます。
ストック型記事のメリット
ある程度の期間ニーズが継続する
ストック型記事にもユーザーニーズの変化はありますが、フロー型記事ほど一瞬で注目が集まり、短期間で話題がなくなるということはありません。
そのため、ストック型記事を書くことで、ある程度の期間は一定のアクセス数を集められる可能性があります。
記事が増えるとアクセス数も増える
ストック型記事は、一定のアクセス数を集められる可能性があるため、記事が増えるほどアクセス数のベースが上がっていきます。最初は大変ですが、後から少しずつ楽になるイメージです。
記事をブラッシュアップできる
ストック型記事はニーズが長く続くため、その期間の中で記事をリライト・リタイトルをして、ブラッシュアップすることができます。
また、時間が経ってストック型記事のニーズが切れたとしても、ブラッシュアップによって今の時流にあった情報を提供できる可能性もあります。
より深い知識を得られる
ストック型記事は、本当にその情報を必要としているユーザーが見るため、ユーザーが満足する情報を提供しなければいけません。
ユーザーが満足するためには、情報を深掘りすることで気付きを与えたり、回答に明確な根拠を示すことで納得を与えなければいけないため、情報を提供する側も深い知識が必要になります。
ストック型記事のデメリット
アクセス数が増えるまでに時間がかかる
ストック型記事は、多くの場合アクセス数が増えるまでに時間がかかります。
以前よりも、インデックスから適切な評価が反映されるまでの期間は短くなりました。ただそれでも、1つの記事の評価が安定するまでは、最低でも2か月以上の時間がかかります。
記事を書きあげるまでに時間がかかる
ストック型記事は、単純に事実を伝えるのではなく、質問に対する回答や新しい情報を提供するパターンが多くなります。
回答をするためには、論理立てた文章構成や回答の根拠が必要です。新しい情報を提供するためには深い知識も必要です。そのため、内容によっては、簡単な論文を書くくらいの労力がかかります。
ターゲットが狭くなりがち
フロー型記事はとにかく話題を早くつかんで、多くの人に情報を届けることが大切ですが、ストック型記事は特定の分野の人が、興味を持って探し出せる情報を届けなければいけません。
そのため、情報を届けるターゲットが狭くなりますし、ターゲットの琴線に触れなければ読み込んでもらえません。
フロー型記事のメリット・デメリット
フロー型記事のメリット
すぐにアクセス数が増える
フロー型記事は、公開してから反応が早いため、すぐにアクセス数が増える傾向があります。公開した記事がうまく拡散された場合は、爆発的なアクセス数を獲得することも可能です。
情報収集に時間がかからない
フロー型記事は情報の密度よりも、今旬となっている情報を素早くまとめて公開することが大切です。そのため、ストック型記事に比べると、情報収集にかかる時間や記事完成にかかる時間はかなり短くなります。
ターゲットが広い
フロー型記事は、話題になっている情報を扱うため、その情報に知見がないユーザーや普段は興味がないユーザーでも、ちょっと覗いてみるなどの効果が期待できます。
フロー型記事のデメリット
ニーズがいつまで継続するかわからない
フロー型記事は、いつ話題が途切れてしまうかわかりません。そのため、安定的にアクセス数を増やすことは難しいでしょう。
更新をやめるとアクセス数が減る
上記の特徴があるため、サイトの更新をやめてしまうとアクセス数が激減してしまう可能性があります。
ストック型とフロー型どちらの記事が良いか
では、これから記事を書く場合は、ストック型とフロー型どちらが良いでしょうか。
「良し悪しがあるので、運営方法や相性によって違う。」的なことを言う人がいますが、はっきり言ってある程度アクセス数が伸びるまでは、ストック型を意識しないで記事を書くのは時間の無駄です。
ストック型記事は、ある程度結果を積み上げることができます。そして、同じ分野の記事を書くほど、知識を積み上げることができます。
積み上がった知識は、次の記事を書くときの考察や主張につながります。また、記事(文章)という形で、集約した知識を残していけます。
つまり、ストック型記事を書くことで、少しずつ専門家になっていくわけです。
本業に関することを書けば、本業で成果が出やすくなり、趣味や興味があることを書けば、副業として成果が出やすくなります。
対して、フロー型記事は蓄積できません。「3-4年で1000万円貯めて別のことをしたい!」という人は、フロー型記事の量産に挑戦しても良いですが、できる人はごくわずかです。
発信する情報をストック型とフロー型に分ける
企業にしろ、個人にしろ、発信する情報の種別は、以下の7種類にカテゴライズされます。
今回話したストック型記事とフロー型記事を理解できれば、以下のカテゴリーを意識して記事を書けると思います。
- エンタメ系、大衆が関心がある情報
- Howto系、読んで納得できる情報
- ニュース系、速報性の高い情報
- 研究・分析系、資料やグラフを含む情報
- 独自の考察系、所感が入った情報
- ノウハウ系、ビジネスモデルなどの情報
- 宣伝広告系、商品やイベント情報
これからブログやメディアの記事を書く場合は、扱うテーマを上記7種類のカテゴリーに分類して、どのような記事を書けば良いのかを考えてみてください。
もちろん、なるべく長くニーズが続くストック型記事を書きつつも、早めの結果を出せるように試行錯誤してください。結果を出してモチベーションを保たないと、書き続けることが苦痛になりますよ。