目次 ▼
インデックス削除の原因がペナルティだった場合
ある日突然、検索エンジンからのアクセスがなくなったら、まずWEBサイトがGoogleにインデックスされているかどうかを確認しなければいけません。
- サーチコンソールのURL検査ツールを使う
- コンテンツのタイトルで検索する
- サイト内検索「site:ドメイン名」で検索する
- 完全一致「”キーワード”」で検索する
もしGoogleにインデックスされていない可能性が高ければ、次はなぜインデックスされていないのか、その原因を探る必要があります。
- Googleからペナルティを受けたため
- WordPressの設定でnoindexにチェックが付いているため
- プラグイン設定でnoindexにチェックが付いているため
- robots.txtでクローラーを除外しているため
- meta robotsタグでクローラーを除外しているため
- canonicalタグで重複ページだと認識されているため
- 中古ドメインがペナルティを受けているため
- 500エラーでインデックス不適扱いを受けているため
- 新規ドメインでクローラーが巡回しにくいため
この中でもっとも深刻なのは、「Googleからペナルティを受けたため」です。
Googleは一定の基準で、特定のWEBページやWEBサイト全体にペナルティを課します。それは、プログラムによって自動で課すペナルティと手動で課すペナルティです。
この手動で課すペナルティを確認する手段があります。それが、Googleサーチコンソールの「手動による対策」です。
今回は、Googleの手動による対策を確認する方法とペナルティの解決方法についてお話したいと思います。
手動による対策とは
手動による対策とは、「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」に準拠していないWEBサイトがないか、Googleの担当者が目視で審査して、違反があった場合に手動でペナルティを課す方法のことです。
手動対策、手動ペナ(手動ペナルティ)とも呼ばれます。
手動対策は、「プログラムによる自動対策(自動対策)」よりペナルティが重いと勘違いしている人もますが、それは関係ありません。
手動対策も自動対策も、Googleのガイドライン違反によるペナルティの多くは、インデックスの削除です。
むしろ厄介なのは、自動対策です。なぜなら、自動対策は手動対策のように通知されないためです。さらに、自動対策は手動対策よりも先に行われている可能性があります。
そのため、管理しているWEBサイトに手動対策があった場合は、手動とは別に自動対策が行われている可能性があります。
サーチコンソールで手動対策が通知されていたとしても、冷静に原因を調べて、解決する対策を取りましょう。その後あらためて、自動対策がないか確認しましょう。
手動による対策の確認方法
では、実際に手動対策を確認してみましょう。
Googleサーチコンソールを見ると、セキュリティと手動による対策項目に「手動による対策」というメニューがあります。

この手動による対策をクリックすると、管理するWEBサイトに手動対策が実施されたかどうかが表示され、手動対策が行われた履歴が表示されます。

または、サーチコンソールのメッセージセンター(Search Consol-すべてのメッセージ)にアクセスして、確認してください。

このメッセージセンターは、まだ旧サーチコンソールのものが使われています。
手動による対策の文言
もし手動対策があった場合、「○件の問題を検出しました」という文言が表示され、その下に「検出された問題」として、どのようなカバレッジエラーが起きているか、説明と対象が表示されます。

手動による対策の対象となるスパムや違反とは
では実際に、手動対策の対象になるスパム行為やガイドライン違反とは何でしょうか。
すべての対象ではありませんが、詳細がサーチコンソールヘルプの[手動による対策] レポートに記載されています。
ユーザー生成スパム
ユーザー生成スパムとは、WEBサイトに訪問したユーザーがフォーラムページやブログのコメント欄に、膨大な数の外部リンクを貼ったり、過剰な宣伝を行ったり、コメントスパムをするなどの迷惑行為を行うことです。
スパム行為のある無料ホスト
スパム行為のある無料ホストとは、無料ホスティングサービスなどで大量に行うスパム行為で、ホスティングサイト全体を対象として「手動による対策」が実施されることを言います。
つまり、自分はスパム行為を行っていなくても、スパマー(スパム行為をする人)と同じ無料ホスティングサービスを使っていることで、とばっちりを受けてしまうということです。
構造化データに関する問題
検索エンジンを騙す目的でWEBページの構造化データの情報を変えた場合は、構造化データに関するガイドライン違反になります。
構造化データの仕組みについて | 検索 | Google Developers
サイトへの不自然なリンク
大量の相互リンクや有料リンクの購入など、サイトへの不自然で人為的な被リンクが貼られている場合は、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)違反になります。
サイトからの不自然なリンク
上記同様、サイトからの不自然な発リンクがある場合も、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)違反になります。
価値のない質の低いコンテンツ
WEBサイトの中に価値のない質の低いコンテンツがあると、手動対策の対象になります。
ここで言う質の低いコンテンツとは、「自動生成コンテンツ」「内容の薄いアフィリエイトページ」「無断複製されたコンテンツ」「誘導ページ(ドアウェイページ)」などのことです。
クローキング、不正なリダイレクト
クローキングとは、IPアドレスやユーザーエージェントのコントロールにより、検索エンジンと訪問者に別のページを見せる行為です。
不正なリダイレクトとは、フィッシングサイトなどの不正なサイトやユーザーの意図しないサイトへにリダイレクトすることです。
悪質なスパム
ここで言う悪質なスパムとは、一般的なスパム行為の中で、とくに悪質な場合にみとめられるものです。
クローキングされた画像
クローキングされた画像とは、WEBサイトで表示される画像の一部が、Googleの検索結果に表示される画像と異なるスパム行為のことです。
隠しテキスト、キーワードの乱用
隠しテキストとは、cssやjavascriptを使ったユーザーの目に見えないキーワードの埋め込み行為を言います。
キーワードの乱用(キーワードスタッフィング)とは、ページの内容とは異なる不自然なキーワードを大量に埋め込む行為を言います。
AMPコンテンツの不一致
AMPコンテンツの不一致とは、AMPと標準WEBページで内容を変えて、ユーザーに提供する行為です。
不正なモバイルリダイレクト
不正なモバイルリダイレクトとは、UAなどを利用して、パソコンとモバイルで違うドメインにリダイレクトする行為のことです。
手動による対策の解除方法
もし、サーチコンソールを確認したときに、Googleから手動対策が行われていた場合、どう解決すれば良いのでしょうか。
検出された問題を展開して説明と対象を確認する
まず、サーチコンソールの手動による対策を開いて、検出された問題に記載された違反行為とその説明、対象を確認します。
問題を解決するための手順を確認する
説明にある詳細をクリックすると、先ほど説明した問題を解決する手順が記載されています。詳しくは以下のリンク先を確認してください。
[手動による対策] レポート – Search Console ヘルプ
対象に記載されたページの問題を修正する
対象に記載されたページの問題を修正してください。問題があるページは以下のように記載がある場合もありますが、すべてのページを細かく教えてくれるわけではないため、1ページずつチェックするしかありません。
「審査をリクエスト」を依頼する
カバレッジエラーのすべての問題を修正したら、審査をリクエストをクリックします。

再審査リクエスト画面では、「表示された問題についてどのように対処されたかお知らせください」というフォームに、修正した問題とその対処方法などの内容を記述します。
問題とその対処方法を記述する
再審査リクエストをわかりやすくGoogleの担当者に伝えるために、「サイトの品質に関する問題」「問題修正のために行った手順」「取り組みの結果」を書きましょう。以下事例です。
- サイト内に重複ページがないか調査
- 外部サイトに重複ページがないか調査
- ページA、ページB、ページC、ページD、ページEを適宜修正
その結果、問題が解決したことを確認したため、再審査リクエストをお送りします。
再審査リクエスト後の対応
Googleに再審査リクエストを送ると、審査が開始されたことを伝えるメッセージが届きます。その後、再審査リクエストに時間がかかったとしても、何度もリクエストを送らないでください。
もし別の問題が起こって、それに対処しても、一度送った再審査リクエストの最終決定が通知された後に処理をするようにしましょう。
Googleの再審査には1-2週間ほどかかります。ただ、実際はそれ以上かかる場合もあります(カバレッジの解決まで4か月ほどかかったことがあります)。
プログラムによる自動対策
「手動による対策」の処理が終わると一息つけますが、それですべて終わったわけではありません。
今回の一連の対応で、肝を冷やしましたね。その焦りを持って、次は自動対策がないかを確認しましょう。
サーチコンソールの検索パフォーマンスでページを選択し、直近の表示回数がゼロのページがないか探してください。
もし見つかったら、冒頭に書いた「Googleのインデックス登録状況を確認する方法」でインデックス状況を確認しましょう。インデックスされていなければ「URL検査ツール」を使ってインデックスをリクエストしてください。
もし、インデックスされない原因、またはインデックスされていても検索されない原因があれば、そのページを見てどれに該当するかあたりを付け、解決の糸口を探りましょう。
- ユーザー生成スパム
- スパム行為のある無料ホスト
- 構造化データに関する問題
- サイトへの不自然なリンク
- サイトからの不自然なリンク
- 価値のない質の低いコンテンツ
- クローキング、不正なリダイレクト
- 悪質なスパム
- クローキングされた画像
- 隠しテキスト、キーワードの乱用
- AMPコンテンツの不一致
- 不正なモバイル リダイレクト
手動による対策は親切な対応だと認識しよう
もしかしたら、サーチコンソールの手動対策の通知を見て、「これくらい見逃してくれよー。」と思う人もいるかもしれません。ただ、それは逆です。
手動対策の通知がなければ、本当の意味でWEBサイトの品質を見直すことはなかったかもしれません。ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)の重要性を知ることもなかったかもしれません。
「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」は、読みにくい部分はありますが、一度頭に入れてしまえば難しいことが書いてあるわけではありません。
ウェブマスター向けガイドラインとGoogleが求めるコンテンツの扱い方を理解することで、より質が高く、ユーザビリティを考慮したコンテンツを作ることができるようになるはずです。
面倒な作業かもしれませんが、必ず役に立つことなので押さえておいてください。