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中古ドメインを使うとSEOに効果的?
「WEBサイトを作るなら中古ドメインを使った方が、SEOに良い影響を与える。」と聞いたことはないでしょうか。
中古ドメインの利用は、昔からSEOテクニックの1つとして知られています。たしか、2005-2006年ごろから中古ドメインの活用が広まったかと思います。
一方、「中古ドメインの利用はブラックハットだ!」という意見がありますが、これは間違いです。中古ドメインを使うことは悪いことではありません。
では、今後わたしたちが新しいWEBサイトを作る場合、中古ドメインと新規ドメインのどちらを取得した方が良いのでしょうか。果たして、中古ドメインはSEOに良い影響を与えるのでしょうか。
- 新規ドメインと中古ドメインの違い
- 中古ドメインを使うメリット・デメリット
- 中古ドメインとSEOの関係性
- 中古ドメインを使うときの注意点
それでは早速見ていきましょう。
新規ドメインと中古ドメインの違い
まず、新規ドメインと中古ドメインの違いについて知っておきましょう。
新規ドメインとは
新規ドメインとは、これまで誰もWEBサイトやメールに利用していないドメインのことです。実際は利用されていないドメインでも、一度取得されたドメインは新規ドメインとは呼びません。
ドメインは、取得されると「Whois」に記録されます。Whoisとは、ドメイン登録者などの情報を公開し、誰でも参照できるサービスで、レジストリやレジストラが提供するものです。
WHOIS検索 | ドメインの所有者情報を簡単検索 | すぐに使える便利なWEBツール | Tech-Unlimited
新規ドメインを取得するには、レジストラ(登録事業者)やリセラー(再販事業者/取次事業者)から購入する必要があります。
中古ドメインとは
中古ドメインとは、過去にWEBサイトやメールに使われていたドメインのことです。利用されていないドメインでも、一度取得されたら中古ドメインです。
通常は、契約期限が切れてフリーになったドメイン、WEBサイトが閉鎖して手放されたドメインを指します。
中古ドメインを取得するには、リセラーの中でも中古ドメイン取得事業者に対して利用申請する方法が一般的です。
中古ドメインを使うメリット・デメリット
では、なぜわざわざ中古ドメインを使うのでしょうか。
中古ドメインのメリット
質の高い被リンクを獲得している可能性
以前にWEBサイトを運営していた中古ドメインの場合、そのドメインに被リンクがついている可能性があります。質が高い被リンクはSEOに良い影響を与えるため、メリットだと考えられます。
認知されたドメインの可能性
その中古ドメインは、前に運営されていたWEBサイトの影響で一部の人から認知されているかもしれません。もし以前のWEBサイトと同ジャンルのサイトを運営するなら、ドメインの認知はメリットだと言えます。
クローラビリティが高い可能性
WEBサイトは、運営歴が長いほどクローラビリティが高まります。クローラビリティが高いほど、Googleに対するインデックスが早くなり、評価が反映されやすくなるメリットがあります。
サイトの権威性が高まる可能性
Googleは近年、E-A-Tを重視しています。その一つが、サイトオーソリティ(権威性)です。Googleが明言していないため審議は不明ですが、ドメインエイジが長い方が、権威性が高まると考えられています。
ドメインオーソリティが高い可能性
WEBページの評価基準にページランクがあるように、ドメインの評価基準に「ドメインオーソリティ(Domain Authority)」があると言われます(Googleは否定している)。
そのため、ドメインオーソリティが高いドメインを使ったWEBサイトは、最初から評価が高いメリットが考えられます。
中古ドメインのデメリット
質の低い被リンクを獲得している可能性
以前にWEBサイトを運営していた中古ドメインは、質が低い被リンクを獲得している可能性があります。質が低い被リンクは、ペナルティを受けたり、検索順位が下がるなどのデメリットがあります。
もし質が低い被リンクの影響によって、ドメイン自体にペナルティを受けている場合は、リンク否認などのアクションをとらなければいけません。
中古ドメインの主なデメリットはこれだけです。微細なものは、ドメイン名が限定される、ものによって高額になるなどが考えられます。
中古ドメインはSEOに影響がある?
さて、上記のように中古ドメインのメリット・デメリットを挙げると、メリットの方が圧倒的に多いため、中古ドメインを使った方が良いと感じるかもしれません。
以下、割と最近のツイートですが、「ドメインエイジは今でも重要ですか?」という質問に対して、Rajesh Kumar氏という人が「信頼を得る助けにはなるかもしれない。まぁランキングアルゴリズムのシグナルの1つではあるかもね。」と回答。
そこに、Googleのジョン・ミュラー氏が「いいえ、ドメインエイジは役に立ちません。」とバッサリ、という流れの会話です。
Is domain age still matters in todays SEO? In comparison to Domain vs Subdomain? @BermanHale @JohnMu @rustybrick @glenngabe
— Nikhil Gabda (@nikhilgabda) July 4, 2019
No, domain age helps nothing.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) July 5, 2019
つまり、ジョン・ミュラー氏の話を信じると、中古ドメインのドメインエイジはまったくSEOに影響を及ぼさない、または良い影響を及ぼすものではないと受け取れます。
中古ドメインを利用する際の注意点とやるべきこと
もちろん、ジョン・ミュラー氏言及しているのは、あくまでもドメインエイジに関してです。
そのため、被リンクやランキングアルゴリズムなどは良い影響を及ぼす可能性がありますし、メジャーなドメインなら認知度がメリットになることが考えられます。
とは言え、メリットだけを見て中古ドメインに飛びついてはいけません。中古ドメインでWEBサイトを運営するには、いくつか確認事項があります。
ドメインエイジを確認する
まず、ドメインを購入(契約)したら、ドメインエイジを調べましょう。
これは新規ドメインもです。なぜなら、レジストラや有名なリセラーから購入したドメインも、中古ドメインの可能性があるからです。
以前のWEBサイトを確認する
ドメイン取得日よりも以前からドメインが存在していた場合は、「Wayback Machine」を使って、以前運営されていたWEBサイトを調べてください。
SimilarWebで確認する
Wayback Machineで調べた結果、数か月前まで運用されていたサイトであれば、「SimilarWeb」で確認しましょう。
Wayback MachineとSimilarWebの組み合わせで、どのようなサイトがどれくらいの規模で運用されていたかわかる場合があります。
SimilarWeb | ウェブサイトのトラフィック統計とマーケットインテリジェンス
完全一致でドメインを検索する
過去のWEBサイトで被リンクがついていれば、出典情報にドメイン部分が掲載されている場合があります。そのため、完全一致検索で検索してください。
たとえばこのサイトでなら、「”wakarukoto.com”」とダブルクォーテーションを付けて検索すると、以下のように検索されます。
もちろん、Wayback Machineで旧サイトの名前がわかっていれば、旧サイト名で完全一致検索しても良いですね。
テスト運用してペナルティを確認する
取得したドメインでテスト的にWEBサイトを立ち上げ、サーチコンソールにWEBサイトの所有権を認識させてください。サイトマップを送信すると、Googleの認識が早くなります。
手動による対策(手動ペナルティ)があれば、所定の場所に問題が検出されます。ここで考えられるアクションは、「再審査リクエスト」を送るかドメインを破棄するかです。
もし手動ペナルティを受けたドメインなら、迷わずに捨ててしまいましょう。
悪質な被リンクやホスティングサービスのスパム行為に巻き込まれたドメインなら、対策をとって再審査リクエストでも良いですが、面倒なので捨ててしまって良いと思います。
中古ドメインの利用に過度な期待をしない
中古ドメインを使うのは、けっして悪いことではありません。ただ、思いつきで中古ドメインを使うのはリスクがありますし、予想以上に手間がかかります。
中古ドメインを利用したSEOをしたいなら、ある程度の手間とコストがかかることを覚悟しましょう。簡単に言うと、以下の通りです。
- 中古ドメイン業者から状態の良い中古ドメインを数十以上購入
- 上記の「やるべきこと」をすべての中古ドメインに試す
- 状態が良いと予測されるドメインだけをピックアップして運用する
つまり、「数撃ちゃ当たる」戦法です。
中古ドメイン業者は、独自のランク、ドメインエイジ、被リンク数などで中古ドメインに価格を付けているので、これらを参考に状態が良いドメインを選んでください。
どちらにしても、中古ドメインに過度な期待をしないよう。Googleは中古ドメインを使うことを推奨も抑止もしていません。