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noindexやnofollowのSEOに対する誤解
ページやリンクに「noindex」や「nofollow」を指定すると、SEO対策になると勘違いしている人がいます。
nofollow|発リンクのクローリングを拒否する
noarchive|ページのキャッシュ作成を拒否する
とくに、外部への発リンクに「nofollow」したサイト(とくに個人ブログ)は山のようにあり、「なんで無駄なことするんだろ……。」「(誤解を恐れずに言うと)あんまり性格良くないんだろうな……。」と感じます。
- 昔は発リンクにnofollowをする理由があった
- 今でも発リンクにnofollowをする人がいる理由
- 適切な発リンクは内部SEO対策になる
それでは早速見ていきましょう。
発リンクにnofollow属性を指定する理由
2008-2009年ごろまで、発リンクに「nofollow」を指定することで、内部SEO効果を高めるテクニックが流行っていました。「PageRank Sculpting(ページランクスカルプティング)」というテクニックのことです。
ページランクスカルプティングを説明するには、被リンクとリンクジュースについて知っておかなければいけません。
リンクジュースとは
リンクジュース(link juice)とは、リンク元のWEBページが持っている価値のことです。
リンクには、外部リンクと内部リンクがありますが、発リンク・被リンクの関係は内部リンクも外部リンクも同様です。つまり、内部発リンクと内部被リンク、外部発リンクと外部被リンクがあるということです。
※一般的に被リンクと言うと、外部からつけられたリンクを指すことが多い。
そういう意味では、内部リンクでもリンクが集まったWEBページの価値は高くなります。リンクは”数と質”(リンクポピュラリティ)が重要ですが、ここで言う質とはリンク元ページが持っているページランク(リンクジュース)のことです。
たとえば、リンク元ページが10リットルのジュースを持っているとします。
そのリンク元ページが、別の5ページそれぞれにリンクを貼っていた場合、10リットルのジュースを5つのリンク先ページに等分して与えなければいけません。

このジュースが多い方が、ページの質が高いということです。つまり、ジュースを1リットルしか持っていないページより、10リットル持っているページからリンクを受けた方が価値が高い(ジュースをたくさんもらえる)ということです。
ちなみに、リンクジュースと言われてもピンときませんが、juiceには元気やエネルギーのような意味があるため、リンクによるパワーのように考えれば良いと思います。
ページランクスカルプティングとは
ページランクスカルプティング(PageRank Sculpting)とは、WEBページ内の発リンクにnofollow属性を指定して、リンクジュースを分配しないようにし、他の発リンクにリンクジュースを集約する手法のことです。

上記画像のように、発リンクにnofollow属性を指定するとリンクが1本減ります。すると、本来5つのリンクに2ずつ与えるリンクジュースが、リンクが1本減るため4本のリンクに2.5ずつ与えることになります。
たとえば、トップページから「問い合わせ」や「プライバシーポリシー」などには内部リンクが貼られますが、本来はリンクジュースを渡す必要がないページです。
そのため、こういったページにnofollow属性を指定することで、他の重要なページにリンクジュースを多く分配し、ページの価値を上げるページランクスカルプティングが行われたわけです。
ところが、2009年6月、Googleのエンジニアであるマット・カッツ(Matt Cutts)氏が、ページランクスカルプティングによるリンクジュースの分配はもう意味がなくなった旨を話しています。
Google PageRankスカルプティングはもう役に立たない! | 海外SEO情報ブログ
現在のnofollow属性によるページランクスカルプティング効果は?
現在は、ページランクスカルプティングの効果はなくなりました。
リンクにnofollow属性を指定した場合、リンク先はクロールされるが、発リンクページが持つリンクジュースは被リンクページに分配されないことはこれまでと変わりません。

ところが、分配されないリンクジュースが他のリンクに集約することはありません。リンクジュースは消えてしまうんです。
つまり、nofollow属性は、Googleガイドラインの記載通り、以下の役割のみになったわけです。
- 信頼できないコンテンツの影響を除外するため
- 有料リンクや広告へのリンクの影響を除外するため
- 他のページのクロールの優先順位を上げるため
なぜ発リンクにnofollow属性を指定する人がいるの?
さて、nofollow属性による内部SEO対策は意味がなくなりましたが、いまだに外部の発リンクにnofollow属性を指定する人たちがいます。
前述した通り、信頼できないコンテンツへのリンク、有料リンクなどnofollow属性を指定する理由であれば良いのですが、なぜそうではない人たちがいるのでしょう。
まだnofollowで内部SEO対策ができると思っているため
これは普通に考えられます。しかも、ページランクスカルプティングには効果がないという情報を知っていても、「いや、それでも多少は効いているはずだ。」と頑固に攻略要素を探すんです。
「SEO=技術を駆使して検索エンジンを攻略すること」だと思い込んでいる人は、まだたくさんいます。オカルトですね。
面倒でnofollowを外していないため
2009年ごろまでページランクスカルプティングに取り組んでいて、それ以降サイトを更新していない人もたくさんいます。
たとえ、10年以上更新していないWEBサイトでも、有用と判断されたら検索で表示されることは、Googleの良いところだとは思いますが……。
ライバルにリンクジュースを渡したくないため
最近は、他のWEBページを参考にした場合に、著作権に気を付けて引用をしたり、要約に参考リンクを付ける人も増えてきました。
ただ、「ライバルにリンクジュースを渡したくない!」という一心で、外部への引用リンクや参考リンクにnofollow属性を指定する人がいます。
わざわざ引用した上でリンクにnofollow属性を指定するなんて意地が悪いというか、なんというか……。
実は適切な発リンクは内部SEOの効果がある
外部への発リンクにnofollow属性を指定する行為はもったいないことです。
なぜなら、適切な発リンク(数や質など)をすれば、SEO対策にプラスの効果があり、検索順位が上がる可能性があるからです。
- コンテンツの関連性が高くなる
- コンテンツの信頼性が高くなる
- コンテンツの利便性が高くなる
もちろん、発リンクをすれば、何でもかんでも評価されるわけではありません。
詳しくは上記リンク先を見てもらいたいのですが、外部への発リンクによってコンテンツ同士の関連性が高くなり、信頼性が高くなり、利便性が高くなります。これは内部の発リンクも同様です。
そして、その結果コンテンツの質が高まり、SEOにプラスの効果が得られるというわけです。
もう一度言いますが、外部への発リンクに安易にnofollow属性を指定するのはもったいないことです。過剰な発リンク、意味のない発リンクはダメですが、適切な発リンクを心がけてWEBページの評価を最大限に高めてください。