2014年5月2日:初稿
アスクル、たのめーる、カウネットを比較してみよう
以前、オフィス通販のパイオニア的存在「アスクル」が急成長した理由、特徴のある代理店システムについてお伝えしました。記事は以下をご参照してください。
今回はアスクルとともにオフィス通販サービスを牽引する、たのめーる、カウネットを交えて、3社の特徴を紹介したいと思います。
アスクル、たのめーる、カウネットを運営する企業
アスクルの運営企業
アスクルは、株式会社アスクルが運営していますが、元々は事務文具用品のプラス株式会社の一事業部として設立されました。
現在は、プラス株式会社の連結子会社ではなく、持分法適用関連会社となっています。
もしプラスに馴染みがない人は、コクヨと似たような企業だと思ってもらえれば。
たのめーるの運営企業
たのめーるは、株式会社大塚商会の一事業部として運営されています。
大塚商会は、システムインテグレーション事業、オフィスに対するサービス&サポート事業、そして、たのめーるのカタログ通販サービス&サポート事業という3本柱で事業運営しています。
カウネットの運営企業
カウネットは、株式会社カウネットが運営しており、親会社であるコクヨ株式会社の100%子会社として、通販事業を運営しています。
アスクル、たのめーる、カウネットの売上比較
次に3社の売上比較をしてみます。以下は文房具・事務用品業界の売上ランキングです。
※2014年10月現在
01位:大塚商会(5157.71億円:2012/12/31)、※たのめーる(2013/12/31:1223.67億円)
02位 コクヨ(2758.21億円:2012/12/31)、※カウネット(2012/12/31:808億円)
03位 アスクル(2266.10億円:2013/05/20)、※2014期は2534億円
04位 パイロットコーポレーション(712.35億円:2012/12/31)
05位 マックス(575.70億円:2013/03/31)
06位 三菱鉛筆(505.84億円:2012/12/31)
07位 ナカバヤシ(485.42億円:2013/03/31)
08位 巴川製紙所(347.22億円:2013/03/31)
09位 キングジム(299.53億円:2012/06/20)
10位 イムラ封筒(212.73億円:2013/01/31)
参照:
上場企業情報サイトKmonos(クモノス)
カウネットは、コクヨの100%子会社なので、グループ企業全体として考えると、
大塚商会 > コクヨ > アスクル
となります。オフィス通販事業として切りだすと、
アスクル > たのめーる > カウネット
このようになります。もちろん、オフィス通販事業だけを切り出したところで、事業のすべてが一致するわけではないため、あくまでも参考です。
アスクルの特徴
オフィス通販サービス取扱商品例
事務用品・文具、ファイル、トナー・インク・OA・サプライ、パソコン周辺機器・メディア、OA機器・家電・電池、オフィス家具・収納、生活雑貨・キッチン用品、飲料・食品・ギフト、衛生・医療・介護、テープ・梱包資材・店舗用品、物流・現場用品・台車、工具、計測機器、研究開発・クリーンルーム用品、電子部品・配管部品・メカニカル部品、作業服・ワークウェア・安全保護具、土木・建築資材、印刷スタンプ作成 等
取扱商品点数
700,000点以上(2014年2月)※ネット約400,000点以上(2013年4月)
支払方法
1.口座振替(自動引き落とし)
2.銀行振込(振込手数料は顧客負担)
3.コンビニ支払い
配送料
送料は1,000円(税込)以上注文すれば無料、1,000円未満の場合は1回の配送につき324円(税込)かかる
※沖縄・離島の場合は別途送料
返品・交換対応
返品・交換対応は各社大きく違うため、以下を参照
【ASKUL】返品・交換について – オフィス用品の通販 アスクル
代理店システム
エージェント制度
※詳細はこちらをご参照ください。
その他特徴など
アスクルは、取扱商品数が70万点以上と、他社と比較して圧倒的な品揃えを誇っています。
また、オフィスのレイアウトサービスや家具選びを無料で提案する「アスクルオフィスづくりサービス」、名刺や封筒、印鑑やスタンプ作成サービスの「アスクルスピードセンター」、トナー・インク無料回収サービスやポイントサービスなど、幅広いサービスを展開しています。
たのめーるの特徴

オフィス通販サービス取扱商品例
取扱商品例:OA・PC消耗品、文具・事務用品、事務機器・家電、PC周辺機器・ソフト・書籍、オーダーメニュー、特選コピー用紙、CAD・製図用品、梱包・作業現場、生活用品、オフィスファニチャー・インテリア、介護用品 等
取扱商品点数
約65,000点(平成26年4月1日に『たのめーるvol.31(春夏号)』カタログ参照)
支払方法
1.口座振替(自動引き落とし)
2.銀行振込(振込手数料は顧客負担)
3.コンビニ支払い
4.代金引換
5.代金先払い方式(振込手数料は顧客負担)
配送料
送料は300円(税込)以上注文すれば無料、300円未満の場合は1回の配送につき216円(税込)かかる
※沖縄・離島の場合は別途送料
返品・交換対応
返品・交換対応は各社大きく違うため、以下を参照
代理店システム
不明(アスクル同様エージェント制?)
その他特徴など
たのめーるは、法人オフィス営業を主としている大塚商会の強みを活かして、オフィス機器やITソリューションに関連した商品に強みを持っています。
また、介護関連の商品を多く取り揃えていることも、たのめーるの特徴です。
カウネットの特徴
オフィス通販サービス取扱商品例
オリジナル商品(カウコレ)、コクヨ製品、文房具・事務用品、ファイル、コピー用紙・インク・トナー、PC・プリンタ・メディア、電化製品・照明・電池・カメラ、事務機器・電卓・ラベルライター、生活用品・ドリンク、梱包用品・作業用品、オフィス家具、店舗グッズ、医療・建設・教育、名刺・封筒・スタンプ作成、ユニフォーム・各種ウェア、カウネットギフトショップ、お取寄せ 等
取扱商品点数
82,300点(2014年2月)
支払方法
1.口座振替(自動引き落とし)
2.銀行振込(振込手数料は顧客負担)
3.コンビニ支払い
4.代金引換
配送料
送料は1,000円(税込)以上注文すれば無料、1,000円未満の場合は1回の配送につき324円(税込)かかる
※沖縄・離島の場合は別途送料
返品・交換対応
返品・交換対応は各社大きく違うため、以下を参照
代理店システム
不明
その他特徴など
カウネットは、コクヨグループだけあって、自社オリジナル文具に力を入れています。また、オフィス家具や事務用品が低価格な割に高品質です。
その他、付加価値型オリジナル商品のカウコレプレミアムや、低価格で安心品質のカウコレプライスの2つのPBを展開しています。
今後はオフィス通販という枠組みがなくなるかも
アスクル、たのめーる、カウネットの大手3サービスは、これまでは発注から配送までのスピードや取扱商品点数などで競争をしていました。
しかし、現在はオリジナル商品の企画・開発や、オフィスレイアウト提案など、より独自性の高い商品やサービス、ソリューション企画・開発に力を入れています。
ただ、オフィス通販で使う分には、どのサービスを使ってもそれほど大差はありません。もしどこかを選びたいという場合は、3サービスのカタログを取り寄せて、一度見比べてください。
また、3社ともカタログ販売、法人販売を主力にしていましたが、最近はネット販売、個人販売にも力を入れており、独自のポイントシステムも導入しています。
時代の流れもあって、もしこのままネット販売が主力になっていくとすると、法人・カタログ販売の特徴があったアスクル、たのめーる、カウネットのライバル関係は大きく変わる可能性があります。
ネット販売では、Amazon、楽天、Yahoo!でもオフィス用品・事務用品は手広く扱っているので、これらを巻き込んだオフィス用品戦国時代がやってくるはずです。