いいね!獲得規制であのサービス、広告代理店への影響はどうなる?

Facebookが安易ないいね!獲得を規制

Facebookのプラットフォームポリシー改訂は、Facebookをビジネスツールとして活用していた企業に、どのような影響を及ぼすのでしょうか。

Facebookがプラットフォームポリシーを改訂した理由と今後予想できる展望に関してはこちらをご覧ください。

今回は、ポリシー改訂の中でも、「いいね!」規制によって影響がでそうな企業やサービスをいくつか取り上げて、今後どうなってしまうかを予測したいと思います。

いいね!必須の診断アプリ、検定アプリは全滅

ファンゲートを利用したFacebookアプリ、「いいね!」をしなければ使えない類のFacebookアプリは全滅です。

診断アプリ、検定アプリなどはみなさんもよく知っていると思います。

診断アプリ、検定アプリの特徴
・「いいね!」が集めやすい
・キャンペーンに使いやすい
・企業が理解しやすい
・内容は単純なため、デザインを変えて使いまわせる

診断アプリ、検定アプリはこのような特徴を持つため、需要供給ともに、一時はキラーコンテンツとして大活躍をしていました。

供給側としては、この手のFacebookアプリは比較的簡易につくることができますが、単発商材であるため、これといった代表的な提供企業はありません。

どちらにしろ、最近は診断アプリ、検定アプリは下火であったため、今でもしがみついている中小企業以外には影響はないと思います。

いいね!獲得を目的とした懸賞系アプリは全滅

懸賞系アプリはメジャーな上位3プレイヤーから、後発プレイヤーまでさまざまいました。

懸賞系Facebookアプリ上位3サービス(順不同)
1.crocos
2.モニプラファンアプリ
3.Fantastics

面白いことに上記のメジャー3プレイヤーは、今回の件に関しては3者3様の対応をとっています。

1.クロコス

Crocos

crocosと言えば、運営会社のクロコスがYahoo!Japanに買収されたことで話題になりました。

当時は、早すぎる、もったいない、懸命だ、といろいろな意見が聞かれました。

そのクロコスは、すぐに対応を表明しています。それは、サービス停止です。

2011年7月の提供開始以降、皆様へよりよいサービスを提供できるよう、新機能のリリースや改善を重ねて努力してまいりましたが、過日Facebook社より発表されたプラットフォームポリシーの改定における当社サービスへの影響について慎重に検討を重ねた結果、誠に残念ではございますがFacebook関連サービスの提供中止という決断に至りました。

非常に早いサービス停止のお知らせでした。ある意味クロコスにとっては、Yahoo!Japanに買収されておいて良かったのかもしれません。

2.モニプラ

モニプラforFacebook

モニプラ(Facebook版の正式名称はモニプラ for Facebook)を運営するアライドアーキテクツについては、以前取り上げました。

2013年12月時点では、モニプラ for Facebookの売上が全体の約半分でした。

現在はわかりませんが、まだ柱事業であることは間違いありません。

アライドアーキテクツの財務指標

アライドアーキテクツの対応を一部抜粋すると以下になります。

Facebook社へ確認のもと、詳細な変更内容の把握および対応に努めてまいります。

3. 業績への影響
今回の改定により、今後「モニプラ FB」をはじめとした当社サービスにおいて、サービス内容の変更および改訂が発生する場合があり、業績への影響が出る可能性がございます。

Facebookのプラットフォームポリシー改訂に伴う当社サービスへの影響について

モニプラはアライドアーキテクツにとって非常に重要な事業です。

もちろん、売上比率が高いというリスクを回避するためにさまざまな策を講じていたとは思いますが、今回のFacebookの発表は予想よりも早いものだったでしょう。

モニプラありきで上場を果たしたアライドアーキテクツは、ソーシャルを軸にしつつも事業の大転換を超短期で行うしかありません。

3.Fantastics

Fantastics

Fantasticsを運営するガイアックスですが、特に告知はありません。

もともと懸賞はFantasticsの機能の一部でしかなかったため、このまま何も告げずに、「いいね!」獲得の部分だけスーッとフェードアウトしていくのかもしれません。

運営しているラボの方でも、今回のFacebookのプラットフォームポリシー改訂記事を書いてますしね。

まぁ、それはそれで良いのかな。

Facebookいいね!でポイント獲得サービスは全滅

これはFacebookアプリに限らず、WEBサービスやスマホアプリでも提供されていました。

楽天の場合

大手で一番見かけるのは楽天です。

楽天いいね!キャンペーン

自社でプラットフォームと価値があるポイント提供をできるサービスにとっては、「Facebookいいね!でポイント獲得サービス」は効果が高かったと思います。

楽天は、これまで不定期で単発キャンペーンとして取り組んでいたので、特に目立った告知は行わないでしょう。楽天にとっては、今後この手法が使えなくなった、というだけですね。

その他サービスの場合

ポイントサービス系、お小遣い稼ぎ系のサービスを提供していた企業も、「Facebookいいね!でポイント獲得サービス」を行っていました。

この手のサービスにとっては、「いいね!」は単純に1商材でしかありません。ですので、「一時期美味しい商材があったけどなくなっちゃったね」程度の話だと思います。

私たちも半年前まではスマホアプリの機能の一部として提供していましたが、収益として見合わなくなってしまったため機能を停止しました。

いいね!獲得を取り扱っていた広告代理店は方向転換

一時期、「いいね!」を獲得するという商材は広告代理店の間では売上をあげるための良い商材として扱われていました。

広告代理店のいいね!獲得単価

一番多いパターンとしては、「いいね!」獲得予算を顧客からもらって、複数の手段で「いいね!」を獲得するというもの。

単価としては一番良い時期が2012年ごろで、1いいね!200円~300円ほど、2013年に入ってからは、1いいね!100円~200円。ただし、以降ずっと下がり続けていました。

広告代理店のいいね!獲得方法は

これまでの広告代理店の「いいね!」獲得は、以下の方法で行われていました。

広告代理店の「いいね!」獲得方法
1.Facebook広告の活用
2.Facebookアプリ(診断・検定アプリ)の活用
3.懸賞サービスの活用
4.お小遣いサービスへの出稿

要はあらゆる手段を使って、「いいね!」を安く獲得すればOKだったわけです。

広告代理店のいいね!獲得規制の影響は

大手広告代理店に関しては、ほぼないでしょう。前述した通り、「いいね!」単価の切り下がりは非常に顕著でしたので、早々に見切りをつけていたはずです。

ただし、1サービスに特化した広告代理店への影響は小さくないと思います。

たとえば、モニプラやcrocosの代理店業に力を入れていた企業です。

抱えている顧客への説明と今後の方向転換に必至でしょう。

今後のFacebook周辺はどうなるのか

Facebookは少しずつ崩壊?

実は、「いいね!」獲得に携わっていた企業は割と多かったのです。

もちろん、今回の騒動と混乱は日本だけではなく、世界中で起こりました。

Facebook関連ビジネス(主に「いいね!」獲得)を生業としていた企業たちが、今後もFacebookに関わってビジネスを営んでいくかは疑問です。

なぜなら、彼らが求めているビジネスモデルは、顧客のFacebookページをどう運用して顧客に収益をあげさせるかよりも、「いいね!」というキャッチーな商品を売ることだったからです。

金山の所有者の一存で、デニムを炭鉱夫に売る商売を絶たれてしまった彼らが、ヘルメットやつるはしを売るとは考えられませんし、金塊の発掘作業に加わるとも思えません。

もし今後、FacebookがFacebook広告を主体としたマーケティングプラットフォームとしての地位を確立させたいならば、「いいね!」の代わりに、Facebookを使った商売が営めるような「何か」を提供しなければいけないでしょう。

Facebookがビジネス関係者を排除して、現在のプラットフォームを維持・発展させるほどの力を単独で持っているとは思えません。

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