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うまい文章とは
「うまい文章」とは、どういう文章でしょうか。わたしが定義する「うまい文章」とは、「読みやすい文章+わかりやすい文章」のことです。
読みやすい文章・わかりやすい文章を書くには、さまざまな本(文章)を読み、自分の思いなどをひたすら書き続けることです。つまり、インプットとアウトプットを繰り返すことです。
文章がうまい人に、「文章がうまくなる方法を教えて!」と聞いたら、同じことを言われると思います。
自転車の乗り方と同じで、文章を書き続ければコツはつかめますが、時間を無駄にしたくないと考える人も多いでしょう。たしかに、アウトプットは正しく行った方が効率が良くなります。
読みやすい文章・わかりやすい文章を書く方法はたくさんありますが、まずは以下の基本的な書き方を押さえておきましょう。
- 一人称・語尾を統一する
- 文章のトーン&マナーを理解する
- 一文の文字数の目安は20-40文字、段落は40-120文字
- 不必要に同じ単語、文章、内容の繰り返しをしない
- 体言止めは多用しない
- 難しい漢字は使わない(閉じ・開き)
- 「~れる」の言い回しはなるべく使わない
- 主語に「こそあど」多用しない
- 目的語を省略しすぎない
- 文章は多めに書いて後から削る
一人称・語尾を統一する
読みやすい文章は、一人称と語尾が統一されています。
一人称を統一する
一人称は、「わたし」「僕」「俺」「あたし(女性)」などが一般的です。親密度的には、俺>僕>わたしの順番ですが、戦略的に考えるよりも、自分が伝えやすい一人称がベストだと思います。
- わたし…一般的、紳士的、仕事の印象など
- 僕…男性は親しみやすい印象、女性は特徴的など
- 俺…友達感覚、上から、教える印象など
特徴的な一人称
特徴を持たせたいなら「ワイ」「オイラ」「俺っち」など何でもありです。ただし、特徴的な一人称を使う場合は、文体も特徴を持たせた方がまとまります。
語尾を統一する
語尾は「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかです。
- です・ます調…一般的、丁寧な印象など
- だ・である調…教える印象、淡々とした印象など
「だ・である調」が乱暴やそっけないわけではありません。一人称や文体との組み合わせによって、記事の印象は変わります。
文章のトーン&マナーを理解する
文章のトーン&マナー(トンマナ)は、「誰が」「誰に」「何を」「どのように」語りかけるかを意識してください。
以下は、このサイトの一般的なトンマナです。20-40代の社会人に向けて、ビジネスを意識させるように話をしています。
たとえばわたしの場合は、SEOやマーケティング、ライティングを15年以上続けている「わたし」が、「ターゲット」に対して、「記事タイトル」に対する回答を「です・ます調」で語りかけることを意識した書き方をしています。
もう少し砕けた文章で、年代の近い人に話をしているのが以下の文章です。人によっては、親しみを持って受け取られると思います。
たとえば僕の場合は、SEOやマーケティング、ライティングを15年以上続けている「僕」が、「ターゲット」に対して、「記事タイトル」に対する回答を「です・ます調」で語りかけることを意識した書き方をしている。
企業が商品アピールなどで発信する情報の場合は、顧客が対象になるため、以下のようにより丁寧な文章になります。
たとえば弊社の場合は、SEOやマーケティング、ライティングを15年以上続けている「弊社」が、「ターゲット」に対して、「記事タイトル」に対する回答を「です・ます調」で語りかけることを意識した書き方をしています。
少ない文章で見るとちょっとした違いですが、長い文章になると印象は大きく変わります。
一文の文字数の目安は20-40文字、段落は40-120文字
読者が疲れずに、理解しながら文章を読むためには、一文の長さをある程度の文字数に調整する必要があります。さらに、いくつかの文で改行して段落を作ると、可読性が高くなります。
一文の文字数の目安は20-40文字前後
まず基本的に、一文は短めにして、わかりやすい位置に読点をつけてください。
一文の目安は20-40文字です。これは、このサイトをPCで見ると半行から一行ほどの長さになります。もちろん、文脈によって一文の文字数は前後します。
数々の文章術の著書で有名な山口拓朗氏も、「一文が長くなればなるほど理解度が下がりやすくなります。」と話しています。
文章の書き方/読みづらい文章の元凶は「一文の長さ」にあり! | 伝わる文章の専門家・山口拓朗オフィシャルブログ「Writing is power!」Powered by Ameba
段落の文字数の目安は40-120文字
一文の長さ以上に重要なのが、段落を区切る目安です。わたしは、一段落を40-120文字の目安で区切っています。このサイトをPCで見ると、1行から3行ほどの長さになります。
段落の区切りは、読者の可読性を上げるだけではなく、文脈が変わったことを伝える役割もあります。そのため、文脈によって一段落の文字数は前後します。
不必要に同じ単語、文章、内容を繰り返さない
現在のWEBライティングの特徴として、設定したキーワードに関連したクエリを多く入れ込むことが、検索流入につながります。
つまり、1つの記事にある程度の文章量が必要だということです。文章量を多くして検索エンジンに評価を受ける行為を「長文SEO」と言ったりしますね。
ただし、無駄な文章を入れて長文にしても意味がありません。それどころか、無駄な文章を入れた長文は、Googleの評価を下げる可能性があります。
Googleは、不必要に同じ文章や内容を繰り返す意図的な文字数稼ぎの行為を理解しています。もちろん、意図的な文字数稼ぎの行為は、読者にとっても読みにくい文章になります。
冗長な表現を防ぐためには、書いた記事を必ず読み返して、文章をできるだけ簡略化することを心がけてください。
無駄な言い回しや類義語の重複などの冗長な表現については別途お話します
体言止めは多用しない
体言止めには、文章をリズミカルにしたり、読者の注意を惹きつける効果があります。ただし、体言止めを多用すると、癖が強い文章になってしまいます。
時おり、体言止めを多用した文章を見かけますが、体言止めは使いすぎないように十分な注意が必要。
なぜなら、体言止めは文章が小気味良く、スマートな印象になりますが、使い方・使い所によっては、強い「含み」を感じさせることも。
そのため、読者が体言止めを多用した含みのある表現でもどかしさを感じたり、情報の意図が伝わりづらくなる恐れがあります。
上記は、体言止めを使いすぎている例です。この文章では、リズミカルと言うよりもつっかえ感が強くなりますし、どこを強調しているのかわからなくなりますね。
難しい漢字は使わない(閉じ・開き)
文章を書くことに慣れてきたら、漢字の閉じ・開きを意識して書くようにしましょう。
漢字の閉じとは、文字を「漢字」で書くこと、漢字の開きとは、文字を「ひらがな・カタカナ」で書くことです。読み方に戸惑う難しい漢字はなるべく使わず、ひらがな・カタカナで書くように心がけましょう。
と言っても、漢字は膨大にありますし、人によって難しい漢字の基準は違います。たとえば、わたしがとくに意識しているのは、「接続詞」「副詞」「助詞」に使う漢字です。
接続詞であれば、「さらに」「ただし」「および」「並びに」「または」「若しくは」「尚」「然し」など。助詞や副詞であれば、「の為」「是非」「さまざま」「いろいろ」「凡そ」「勿論」「成程」など。
これらの漢字は、一般的にひらがなにした方が読みやすいと言われます。
また、文字をひらがな・カタカナにすることで、読者に柔らかい印象を与える効果があります。たとえば、「私→わたし」などは、意識してひらがなを使うようにしています。
「~れる」の言い回しはなるべく使わない
「わたしは、昨日車をぶつけられた。」など、「~れる」「~られる」を受け身表現と言いますね。一般的に、受け身表現は、第三者の行動によって主体が影響を受ける様のことです。
ところが、自分が主体の行動にもかかわらず、「~れる」の表現を用いた文章を多用する人がいます。
例)
「この考え方は間違っていると思われます。」
「さわやかな草原の光景が思い出されます。」
この場合の「~れる」は、受け身ではなく自発の意味を持つ助動詞です。自発の表現は、行為者の主体性が弱く、自然にそうなった印象を与えます。しかも、自発の表現は、主語である「わたし」が省略される傾向があります。
そこで、上記の表現を以下のように変えましょう。
例)
「わたしは、この考え方は間違っていると思います。」
「わたしは、さわやかな草原の光景を思い出します。」
読者は、疑問を解決する目的で記事を読みます。推論を書くとしても、「誰が」「誰に」「何を」「どのように」語りかけるかを意識して、「~れる」ではなく、主体がわかりやすい表現を使ってください。
主語に「こそあど」多用しない
文章を自然につなげるために、主語を「こそあど」で代替することがあります。ただ、「これ」「それ」「あれ」「どれ」などを多用すると、文章の意味がわかりにくくなります。
しかも、検索キーワードの代替として「こそあど」を用いた文章を見かけることも多く、SEO対策の観点から「もったいない。」と感じることもしばしばあります。
例)
妊娠している女性のことを「妊婦(にんぷ)」と言います。これは誰でも知ってますね。また、出産直前や出産直後の女性のことを「産婦(さんぷ)」と言います。
一般的には、これらを合わせて「妊産婦(にんさんぷ)」と呼びます。
↓
一般的には、妊婦と産婦を合わせて「妊産婦(にんさんぷ)」と呼びます。
もちろん、「こそあど」を使ってはいけないのではありません。周辺の文章と照らし合わせて、違和感がない文章に仕上げてください。
目的語を省略しすぎない
日本語は、前後の文脈によって、目的語が省略されても意味が通じる場合があります。ただし、目的語を省略しすぎるのは、もったいない行為です。
こちらも前項同様、必要があれば目的語を明示し、違和感がなくわかりやすい文章に仕上げてください。
例)
ネットスーパーや食材・料理宅配サービスを使っても、食器やコップなどの洗い物があると面倒です。普段は、旦那さんにやってもらえば良いのですが、いない日中に溜めておくことを嫌がる人もいるでしょう。
↓
ネットスーパーや食材・料理宅配サービスを使っても、食器やコップなどの洗い物があると面倒です。
普段は、旦那さんに洗い物をやってもらえば良いのですが、旦那さんがいない日中に食器を溜めておくことを嫌がる人もいるでしょう。
文章は多めに書いて後から削る
「良い文章を書くコツは削ること」という話を聞いたことはないでしょうか。
1度書いた文章を読み直すと、余計な言い回しや「~れる」の表現が多く、それらを削るとすっきりして読みやすくなります。
ただし、文章を削るだけではいけません。良い文章とは、読者にとって有用な情報、かつわかりやすい文章のことです。
「有用な情報」と「わかりやすい文章」は、相反するものではありません。大切なことは、必要な情報を詰め込み、そこから余計な文章を削る工程です。
わたしの体感では、校了した記事の文字数は、削る前の70-80%ほどになります。つまり、初めに4000文字の記事を書くと、削った後には3200文字になるということです。
せっかく書いた文章を2割以上も削るのはもったいない気がしますが、「読みやすい文章+わかりやすい文章」を書くためには必要な行為です。
人に読んでもらって批評をもらう
自分が書いた文章を自分で読み返すことは当たり前ですが、身近な人にも読んでもらって、「読みやすい文章なのか、わかりやすい文章なのか」という批評をもらいましょう。
「読みやすい文章」と「わかりやすい文章」は違うものなので、批評をもらうときは分けて聞いてください。
ただし、100人中100人が読みやすい文章、わかりやすい文章と評価することはありません。そのため、完璧な文章を書こうとは思わないようにしましょう。
とくに、誰が読んでもわかりやすい文章を書くことは不可能です。プロのライターでも、完璧な文章を書ける人はいません。
完璧な文章を書こうとすると、記事が書けなくなってしまいます。7割の出来でも十分なので、ある程度自分で満足できれば、読みやすい・わかりやすい文章と言っても良いと思います。