コンビニコーヒーはいつから?コーヒー戦争にまで行き着いた背景

コンビニがコーヒー戦争に行き着いた流れ

コンビニコーヒーはいつから?

コンビニで淹れたてのコーヒーを買うことが当たり前になったのは、2013年からです。日経トレンディ2013ベストヒット30の1位にも選ばれました。

日々のコーヒーを飲む場所が、スタバやタリーズからコンビニに変わった人も多いでしょう。

ただ、コンビニでコーヒーが売られ始めたのは、2013年が初めてではありません。もちろん、缶コーヒーのことではありません。

初めてコンビニにコーヒーが登場したのは、1983年都内のセブンイレブンでした。以降、コンビニでは何度もコーヒー事業の進出と撤退を繰り返し、ようやく2011-2012年から現在のコンビニコーヒーの流れに至っています。

以来、セブンイレブンがコンビニコーヒー市場を牽引しつつも、各社コンビニ間のコーヒー戦争が繰り広げられているわけです。

では、各社コンビニが現在のコンビニコーヒー戦争にまで至った経緯はどのようなものでしょうか。

今回のテーマ
今回は、これまでのコンビニコーヒーの歴史を知りたい人のために、次の内容をお話します。

  • コンビニコーヒーの歴史
  • 全体のコーヒー需要が伸びているわけではない

それでは早速見ていきましょう。

コンビニコーヒーの歴史

コンビニコーヒーの歴史は、セブンイレブンのコーヒー販売挑戦の歴史でもあります。以下、東洋経済オンラインの内容に合わせたお話します。

セブンカフェ成功の裏にあった「30年戦争」 | コーヒーで読み解くビジネス戦略 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

コーヒーサイフォンで淹れたコーヒー

まず、冒頭でお話した通り、セブンイレブンは1983年からコーヒーサイフォンで作ったコーヒーをポットに入れて、小分け販売していました。

ポットのコーヒーを1杯○円で販売するのは、これは珍しい方法ではありません。たとえば、は新幹線の車内販売やイベント会場、喫茶店でも作り置きを販売する店舗はあります。

また、サークルKやサンクスでは、2013年までポットに入れた作りおきのコーヒーを販売していました。

ところが、作り置きコーヒーは、長時間経つと渋みが増して味が落ちます。そのため、コンビニで一定の味を保つ販売方式は確立できませんでした。

新しいドリップマシンで淹れたコーヒー

セブンイレブンは、1988年から新しいドリップマシンで、淹れたてコーヒーの提供を開始しました。

ドリップマシンを新しくして、コーヒーを淹れる時間を短くしたことで、新鮮なコーヒーを短時間で販売することを可能にしたわけです。

ただ、マシンのヒーターにコーヒーポットを置きっぱなしにすることで、コーヒーの香りが店内に充満し、それが不評につながったため、撤退することになります。

粉末のカートリッジ式コーヒー

セブンイレブンは、1990年代に1杯ごとの粉末を入れたカートリッジ式のコーヒーマシンを導入しました。今で言うドルチェグストのようなものですね。

ただ、当時のカートリッジ式では、単純にコーヒーが美味しくなかったため、そこまで売れませんでした。

バリスターズカフェのエスプレッソ

2002年からは、バリスターズカフェというブランディングでコーヒーに加えてエスプレッソ、カフェラテを中心に、マシンでの販売が始まりました。

当時は、スタバやタリーズが広がり始めてエスプレッソ人気に火がついた時代、さらにマクドナルドのプレミアムローストコーヒーが大人気になった時代です。

時間軸としては、バリスターズカフェも同時代に始まっていますが、コーヒーの味と安さではマクドナルドに敵わず、エスプレッソの味と雰囲気ではスタバやタリーズに敵わずという敗者になってしまいました。

そして、2011年にセブンカフェが登場します。

昨今のセブンカフェ登場までの流れ

現在の巨大なコンビニコーヒー市場に至るには、その背景が重要です。

とりわけ、スタバやタリーズ、マクドナルド、バリスターズカフェの存在が、今のセブンカフェ、今のコンビニコーヒー市場につながっています。

昨今のコンビニコーヒー登場までの流れ
1.スタバやタリーズなど、1人、または複数で時間を気軽に使うことができる空間が増える。

2.単なるコーヒーだけではなく、カフェラテやエスプレッソなど普段コーヒーを飲まない人でも飲める商品の需要が高まる。

3.1、2の要素が相まって、コーヒーの需要自体が喚起される。

4.当初、大手カフェチェーンは空間の重要性が大きかったが、市場のコーヒー需要を感じたマクドナルドが美味しいコーヒーの提供を始める。

5.マクドナルドのコーヒーの需要の伸びを見て、各社コンビニがコーヒー事業により力を入れる。

もちろんこの流れとは別に、自宅でも(そこそこ)美味しいコーヒーを飲めるマシンが安価で登場し、さらにコーヒーを飲むことが当たり前になったという背景もあると思います。

コンビニのコーヒー需要は安価で美味しいから?

コンビニでコーヒーがこれだけ売れているからと言って、日本人全体のコーヒー平均飲料数が大きく伸びているわけではありません。ここ10年は、1週間で10.6杯から11.1杯の間で推移しています。

1週間当たりのコーヒー平均飲用杯数

統計資料 | 全日本コーヒー協会

コンビニコーヒーはこの中で言うと、レギュラーにあたるため、2012年以降は伸びていると言えば伸びていますが、急激ではないですね。

レギュラーコーヒーが伸びた分は、インスタントコーヒーと缶コーヒーが割りを食っている状況です。

これは、少しでも美味しいコーヒーをなるべく安価で飲みたいという需要の現れではないかと思います。

コンビニコーヒーが売れているのは、それだけコーヒーにこだわりを持つ人が増えているからなのかもしれません。

本記事の初稿は2013年11月です

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