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アイデア発想会議は時間の無駄
会社の定例会議で上司が、「今から、新しいビジネスモデルを考えたいと思う。この会議中に何でもいいから、今までにない斬新なアイデアを出してくれ。」と言ったとします。
まぁ、割とよくあるお話かなと思います。おそらくこの上司は、ブレインストーミングでもやりたかったのでしょう。
ただ、もしあなたが会議を仕切る上司の立場だとしたら、こんなことは言わないでください。社員にとってアイデア発想会議は、無茶ぶりでしかありません。
そもそもアイデアは、その場の思いつきで出るものではありません。ましてや、大事なビジネスモデルを会議中の限られた時間に考えるのは、時間の無駄です。
アイデアを生み出すには、発想力を鍛える日々の習慣が大切です。発想力を鍛えれば、アイデアは簡単に生み出せます。
- アイデアが浮かぶ・ひらめくは間違った表現
- アイデアを生み出す発想力を鍛える方法
- アイデアを具体化するための考え方
それでは早速見ていきましょう。
アイデアが浮かぶ、アイデアをひらめくとは
「アイデアが浮かぶ」「アイデアをひらめく」という表現がありますが、厳密に言うとアイデアをこのように表現することは間違っていると思います。
「アイデアが浮かぶ」という言い方は、まるでアイデアが勝手に頭の中に現れた印象を与えます。「アイデアをひらめく」という言い方は、明かりが点くように今までになかった発想を思いついた印象を与えます。
アイデアがたくさん出てくる人をアイデアマンなどと言いますが(今は言わないのかな……)、彼らは人と違う優れた能力を持っているわけではありません。
アイデアが出てくる人と出てこない人のもっとも大きな違いは、アイデアを生み出すための発想力があるかないかです。
発想力とは
アメリカの実業家ジェームス・ウェブ・ヤング(James Webb Young)は、著書の「アイデアの作り方(A Technique for Producing Ideas)」で、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と述べています。
つまり、アイデアを生み出すための発想力とは、何もないところから突然奇抜な発想が現れるのではなく、既存の知識を組み合わせて考える力ということになります。
アイデアを生み出す発想力を鍛える方法
アイデアを生み出す発想力を鍛えるためには、5つの手順が必要です。ジェームス・ウェブ・ヤングは、「アイデアの作り方」で以下のように述べています。
手順1.資料を集める
まずは、アイデアに必要な資料を集めます。資料は、製品と消費者に関する専門的な知識に関する資料、さまざまな一般知識に関する資料の2つです。
アイデアは、この専門的な知識と一般知識をあわせて作るものです。
手順2.資料を咀嚼する
とにかく、集めた資料を読みこんで、気になる部分をすべて書き留めます。
アイデアを生み出すためにもっとも大切なことは、「資料集め」と「資料の咀嚼」なので、常にインプットして知識を留めるように努力します。
手順3.日々の生活を楽しむ
単純な知識のインプット作業は、退屈なものです。そのため、自分の感性が刺激される音楽を聞いたり、好きな映画を見るなど、日々の生活を楽しむようにします。
手順4.常に考え続ける
この段階で、アイデアを生み出す準備はできています。焦らずに、日々触れるものに疑問を持ったり、インプットした知識で考えることを当たり前にしてください。
つまり、いつでも考え続けることが当たり前の生活になるということですね。
手順5.アイデアを具体化する
手順4までに思いついたアイデアに対して、実現するために何が必要か、どのような障害があるのかを考え、実現の可能性を探ります。
アイデアを具体化するための考え方
おそらく、上記の方法を読んでも、具体的に何をすれば良いかわからない人が多いと思います。
発想力を鍛える手順は、1から5を順番にこなすわけではなく、実際は1から5を何度もいったりきたり繰り返します。とにかく、日々知識をインプットし、得た知識で物事を考え、アイデアの実現可能性を図るというイメージです。
では、具体的に得た知識で何を考えたり、何に触れれば良いのでしょうか。
自分がしたいことや欲しい物を考える
一番考えやすいことは、自分がしたいことや自分が欲しい物を考えることです。人は、成長すると、したいことや欲しい物が変わります。それは、成長によって知識や環境が変化するからです。
日々知識をインプットすることで、自分がしたいことのベースが変化します。今日したいことと1年後にしたいことは変わっているかもしれません。
自分が困っていることを考える
次に考えることは、自分が困っていることや不満に感じていることを考えることです。自分が今日得た知識は、自分の生活や仕事の不満を改善してくれるかもしれません。
周囲の人に適切な知識を与える
あなたの身の回りにいる人、たとえば取引相手の状況を考えて、それに見合った知識を与えるようにしましょう。
わたしは、取引相手数人に「先日こんなネタを見つけました~~」など、自分が得た知識を不定期にメールで送っていました。勝手にメルマガを送っていたようなものですね。
取引相手に合わせた内容を送っていたので、常に相手の業種や立場を考えながら、持っている知識と掛け合わせて必要な知識をチョイスする癖をつけていました。
アイデアを生み出すには自分と対話をする
「わたしはあの人と違って、良いビジネスアイデアが浮かばない!才能がないからだ!」というのは勘違いです。
良いアイデアがポンポン出てくるのは、その人にたくさんの知識があり、発想力を鍛える努力をしてきたからです。
つまり、アイデアを生み出すことができる人は、常に自分と対話をしていて、常に疑問を改善する鍛錬を行っているわけです。
絵をうまく描ける人、ピアノをうまく弾ける人、サッカーがうまい人のことを「あいつはセンスがあるから。」で片付ける人は、同じようにアイデアもセンスで片付けてしまうかもしれません。
まずは、アイデアを生み出す発想力は伸ばすことができると知っておきましょう。
ちなみに、勝手にメルマガを送っていた行為は、相手の業種や立場を考えることで得られる知識も多かったですし、後から「この前送ってくれたあの件なんだけど~~」などのレスポンスも良かったです。
仕事につながることも珍しくありませんでした。おすすめなので、ぜひやってみてください。