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広告に費用対効果を求める時代に
インターネットが普及して以来、広告に効果を求める人が増えてきました。
「お金使ってやるんだから、そんなの当たり前じゃないの?」まぁ、その通りです。
ところが以前は、チラシや新聞、雑誌掲載などが広告の主流で、そこに広告効果の可視化をするのは難しいものでした。
「うちの雑誌の読者は20-30代の女性で、ファッションに興味があります。」
「この地域では5万世帯の購買層がいるため、知名度をあげるには最適です。」
「新築見学会を希望される方の7割は、チラシを見てご応募されます。」
効果がはっきり見えるわけではありませんが、◯◯であれば雑誌、◯◯であればチラシ、◯◯であれば新聞のように、業種によってある程度広告の住み分けがされていました。
そして、仮に広告に効果が出なかったとしても、「あー、残念でしたね。」と名言はしないまでも、仕方ないものとされてきました。なぜなら、広告を出す意味は露出の側面が大きかったためです。
ところが、WEBを使うことでさまざまな効果測定が可能になったため、広告は費用対効果ありきという認識が増えました。
では、WEBで可能になった効果測定、費用対効果ありきの広告とは一体どのようなことなのでしょうか。
WEBによって可能になったトラッキングとは
WEB広告でまず行うことは、WEBサイトを用意することです。WEBサイトにユーザーを誘導することでさまざまな効果測定が可能になります。
たとえば、自社サイトに誘導するまでは、GoogleやYahooなどのリスティング広告(成果報酬型の検索エンジン広告)、サイト群に広告を掲載してユーザーを追うことができるアドネットワークなどを使います。
そして、自社サイトに誘導してからは、Googleアナリティクスを使ってサイト内の解析を行うという手法が行われています。
このようにユーザーの行動を追うことを「トラッキング」といいます。
追跡、追尾という意味の英単語。ITの分野では、人の行動やシステムの挙動、データの推移などの情報を継続的に収集、監視することを意味する場合が多い。
インターネットでWebサイトの利用者の行動を記録・追跡することをトラッキングという。
そして、このトラッキングで非常に重要なツールが、上にもあげたGoogleアナリティクスです。
Googleアナリティクスを使ったアクセス解析
Googleアナリティクスでは、下記のような情報が表示されます。

Googleアナリティクスで追えるユーザー情報は以下のようにさまざまあり、データ収集するほど非常に効果的な分析が可能になります。
・どのページが見られて、どのページに移ったか
・問い合わせや資料請求、商品販売ページの閲覧数とコンバージョン数
・どこから来て、どのページに辿り着き、どのページから出て行ったのか
など
わたしたちWEBマスターが行う仕事の一つは、このようなユーザー情報の追跡や解析です。
データを元にサイトの構造を変えることで、年間1億円だったサイトの売上が1.5億円になったり、月間30件の資料請求が60件になったりという事例があります。
そして、この効果測定を行うシステマチックなトラッキングは、徐々にオフライン広告にも及んできています。
オフライン広告でのトラッキングも可能?電話を使ったコールトラッキング
WEB広告のトラッキングが当たり前になったことで、「広告は効果測定ができて当たり前のもの。」という認識が広がってきました。
この流れで困るのは、これまで新聞、雑誌、チラシを主な商品として取り扱ってきた広告業者です。
そんな中最近伸びてきているのが、以前から存在している電話番号を使ったトラッキングです。これを「コールトラッキング」といいます。
コールトラッキングには、わたしが認識しているだけで3つの方法があります。
- 新聞や折込チラシに広告を掲載する際、フリーダイヤルなどから媒体毎の効果計測をする
- ぐるなびやHOME’Sなどは、顧客に対して電話件数に応じた課金システムを採用している(ペイパーコール)
- 検索キーワードと連動して、訪れた検索キーワードで発生したコールトラッキングを計測する
1は昔からありますが、2がここ10年ほど、3がここ数年で出てきた手法です。
ただし3は特殊で、今伸びていはいるものの、インターネットのルールが変わってしまうと使えなくなってしまう手法です。
広告の費用対効果測定にはIT知識が必須
これからはオフライン広告も効果測定が必要で、効果測定は基本的にITを絡めないと行なえません。
オフライン広告の効果測定の代表格には、フリーペーパーのクーポン利用率の計測などがありますが、それも正確な数値が取得できるわけではありません。
広告に効果を求める意識は、今後さらに強くなっていきます。
そのため、前述した「検索キーワードと連動して、訪れた検索キーワードで発生したコールトラッキングを計測する」などのコールトラッキングが不可欠になり、さらにシステム連携が進むでしょう。
広告を取り扱っている事業者は、前提としてインターネットで何ができるかを知っておかないと、顧客の要望に応えることができなくなります。
いわゆる老舗の広告会社にありがちな、「うちそういうのまったくわかんないんですよー。」というのが通じなくなってきますね。