GAFAとBATHとは?売上と利益の比較、5G・AIなど次世代の覇権は

次世代IT覇権を争うGAFAとBATHとは

次世代IT覇権争いの雄は?

21世紀に入った現在、IT技術の進歩における時代の転換点と言われています。次世代ITとして挙げられる技術要素はたくさんありますが、本命は「AI」と「5G」ですね。

そして、国境の壁を超えて、このAIと5Gの覇権争いの中心にいるのが「GAFA(ガーファ)」と「BATH(バース)」です。

さすがに、GAFAは聞いたことがあると思いますが、BATHが何を指すかわかりますか。もちろん、GAFAやBATHというのは1つの企業名ではなく、複数の企業名の頭文字をつなげた造語です。

元々は、関連した投資銘柄の呼称として存在していましたが、今は経済以外のニュースでも見かけることが増えました。

そのため、GAFAやBATH以外にも、FANG(ファング)、GAFMA(ガフマ)、BAT(バット)など、いくつかの企業名を組み合わせたさまざまな呼称があります。

そこで今回は、GAFAとBATHの意味や売上と利益の比較、またFANG、GAFMA、BATの意味についてお話したいと思います。

GAFA(ガーファ)とは

GAFAとは、「Google(グーグル)」「Apple(アップル)」「Facebook(フェイスブック)」「Amazon(アマゾン)」というアメリカの主要IT企業の頭文字をつなげた造語のことです。

GAFAは、それぞれ売上・サービス利用者数ともに世界トップ規模を誇るグローバル企業です。アメリカだけでなく、日本やヨーロッパなど世界各国で人々の生活やビジネスに欠かせないインフラになっています。

Googleの立ち位置

Google(企業名はAlphabet)の主要事業は、世界的な検索エンジンサービスの提供です。

検索エンジンでユーザーを集約し、広告事業によって売上・利益を得ています。また、GmailやGoogleカレンダーなどのオンラインサービス、Android OSの提供にも力を入れています。

Appleの立ち位置

Appleの主要事業は、パソコン(Mac)やモバイルデバイス(iPhone/iPad)の販売です。

これらのデバイス販売に加えて、周辺デジタルコンテンツの提供によって売上・利益を得ています。また、ブランド力があり、熱狂的なファンが多いことでも知られています。

Facebookの立ち位置

Facebookの主要事業は、20億人を超えるSNSの運営です。WhatsAppやインスタグラムなど別のコミュニケーションツールも買収して、事業展開しています。

これらのSNSやメッセージツールをプラットフォームとして、広告事業売上・利益を得ています。最近は、法定通貨と一定比率で交換できる仮想通貨「Libra」事業に参入し、新領域に展開しています。

Amazonの立ち位置

Amazonの主要事業は、マーケットプレイス型ECサイトの展開です。

あらゆる商品を取り揃えることを理念として世界中に展開し、売上・利益を得ています。また、音楽や動画のストリーミング、電子書籍など、デジタルコンテンツ事業、デジタルデバイス事業にも力を入れています。

BATH(バース)とは

BATHとは、「Baidu(バイドゥ)」「Alibaba(アリババ)」「Tencent(テンセント)」「Huawei(ファーウェイ)」という中国の主要IT企業の頭文字をつなげた造語のことです。

BATHは、中国10億人以上の人口を背景に急激に成長し、GAFAの後を追うように国際的にビジネスを展開しています。

Baidu(バイドゥ/百度)の立ち位置

Baiduの主要事業は、Googleに次いで第2位の検索エンジンサービスの提供です。

検索エンジンでユーザーを集約し、広告事業によって売上・利益を得ています。また、プロジェクターなどを備えたスマートライトなどのデバイス販売にも力を入れています。

Alibaba(アリババ/阿里巴巴集団)の立ち位置

Alibabaの主要事業は、B2Bのマーケットプレイス型ECサイトAlibaba.com、B2Cのマーケットプレイス型ECサイトtaobaoの展開です。

国内・国外向け、BtoB・BtoC・向けの各種ECサイト事業、オンライン決済及びスマートフォン決済サービスのアリペイ事業によって売上と利益を得ています。

Tencent(テンセント/腾讯)の立ち位置

Tencentの主要事業は、利用者が8億人を超えるQQ空間、10億人を超えるWeChatなどのSNSやメッセージアプリの展開です。

SNS上の広告事業やスマートフォン決済サービスのWeChat Payによって、売上・利益を得ています。

Huawei(ファーウェイ/華為)の立ち位置

Huaweiの主要事業は、サムスンに続く世界第2位のスマートフォン販売事業です。

世界的なモバイルデバイス販売によって、売上・利益を得ています。また、データセンターなどアジア随一のICTソリューション・プロバイダーの役割を担っています。

GAFAとBATHの売上・利益などの比較

主要事業の比較

GAFAとBATHにはいくつか共通点がありますが、もっとも大きな共通点は企業の主要事業です。

GoogleとBaiduが「検索エンジン」、AppleとHuaweiが「デバイス販売」、FacebookとTencentが「コミュニケーションプラットフォーム」、AmazonとAlibabaが「ECサイト」とそれぞれ対になっています。

もちろん、各社さまざまな事業分野に取り組んでいるため、GAFA内、BATH内でも被っている領域は少なくないのですが、主要事業がこれだけ対になってきれいに分かれるのは面白いですね。

売上・利益の比較

次に、売上と利益の比較です。

GAFAの2018年度総売上は6910億ドル(74兆円以上)、純利益が1220億ドル(13兆円以上)に対して、BATHの2018年度総売上は2224億ドル(24兆円以上)、純利益が360億ドル(3.8兆円以上)となっています。

つまり規模的には、GAFAはBATHの3倍強ほどだということです。これを先程の主要事業別で企業を比較すると、おおよそ以下のようになります。

  主要事業 18’売上 18’利益 時価総額 →順位
Google(Alpabet) 検索エンジン 1368億ドル 307億ドル 7671億ドル 4位
Baidu 検索エンジン 148億ドル 40億ドル 409億ドル -位
Apple デバイス販売 2655億ドル 595億ドル 8055億ドル 3位
Huawei デバイス販売 1074億ドル 88億ドル -※ -位
Facebook コミュニケーション 558億ドル 221億ドル 5065億ドル 5位
Tencent コミュニケーション 454億ドル 116億ドル 4026億ドル 7位
Amazon ECサイト 2328億ドル 100億ドル 8739億ドル 2位
Alibaba ECサイト 548億ドル 116億ドル 3838億ドル 8位

世界時価総額ランキング2019 ― World Stock Market Capitalization Ranking 2019

Bloomberg.co.jp

※Huaweiは未上場のため不明

CHN/USD換算2019年6月20日現在

この比較表を見る限り、売上と利益に関しては、まだGAFAとBATHには差がありますが、時価総額の順位で見るとTencentとAlibabaは世界でもトップクラスの企業だということがわかりますね。

ちなみに時価総額1位は、Microsoftの9477億ドルです。

FANG、GAFMA、BATとは

GAFA、BATHに関連した注目企業の呼称、「FANG(ファング)」「GAFMA(ガフマ)」「BAT(バット)」についても押さえておきましょう。

FANG(ファング)とは

FANGとは、「Facebook(フェイスブック)」「Amazon(アマゾン)」「Netflix(ネットフリックス)」「Google(グーグル)」というアメリカの主要IT企業の頭文字をつなげた造語のことです。

Netflixとは、2017年12月の時点で190ヵ国以上で動画のストリーミング配信事業を展開する企業です。

FANGは、投資家のジム・クレイマー氏が、膨大なビッグデータ技術から新しいサービスを生み出す企業として注目し、2015年に名付けたものです。

GAFMA(ガフマ)とは

GAFMAとは、GAFAにMを加えた「Google(グーグル)」「Apple(アップル)」「Facebook(フェイスブック)」「Microsoft(マイクロソフト)」「Amazon(アマゾン)」というアメリカの主要IT企業の頭文字をつなげた造語のことです。

元々はGAFMAが使われていましたが、Microsoftを除いたGAFAが使われることが多くなりました。Microsoftが除かれた理由は、ユーザーの利用媒体がパソコンからスマートフォンなどのモバイルデバイスに移行したためです。

モバイルデバイスのOSは、Android OSやiOSが主流のため、今後windows OSをメインで取り扱ってきたMicrosoftの影響力は低下していくと考えられています。

BAT(バット)とは

BATとは、BATHからHを除いた「バイドゥ(Baidu)」、「アリババ(Alibaba)」「テンセント(Tencent)」というという中国の主要IT企業の頭文字をつなげた造語のことです。

こちらは元々BATが使われていましたが、近年影響力が増したHuaweiが加わって、BATHと呼ばれるようになりました。

5GとAIの覇権争いはどうなる?

冒頭で5GとAIをお題目にしましたが、実際はこの8企業だけで5GとAIの覇権を争っているわけではありません。

また、GAFAとBATHは、国同士で見ればたしかに覇権争いはありますが、それ以上に企業間での争いがあると考えた方が良いでしょう。

そのため5G関連企業であれば、GAFAの中ではApple、BATHの中ではHuawei、他にはアメリカのVerizon(ベライゾン)、中国のZTE(ゼットティーイー)、China Mobile(チャイナモバイル)、フィンランドのNokia(ノキア)、韓国のSamsung(サムスン)などが挙がります。

また、AI関連企業であれば、GAFAの中ではGoogle、Amazon、Apple、BATHの中ではBaidu、Alibaba、Tencent、他にはアメリカのIBM(アイビーエム)、Microsoftなどが挙がります。

5GとAIどちらも、どの企業が覇権を勝ち取るのかはわかりませんが、すべて1社単独で業界を作っていくわけではありません。

たとえば、5G・AIともに出遅れていると言われる日本では、docomo、KDDI、SoftBankが上記の企業と共同研究を行うなど、世界中の企業が陣営作りを行っている真っ最中です。

そういう見方をすると、やはり西側陣営で中国潰しができるアメリカの方が、規模的にも陣営的にも一歩以上リードしていることは間違いないと思います。もちろん、10億人が一枚岩の中国が強いという見方もあるでしょう。

5G・AI企業の発展は、日本の経済発展にも大きく寄与するものなので、日本の大手先端企業がGAFA、BATHのどちらと組むのか、将来的に間違った選択をしないよう祈るばかりです。