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コーディネートアプリがファッション業界を変える?
スマートフォンの急速な普及により、O2Oなど消費者の購買動向に大きな変化を与えています。
ファッション業界において、これまでは流行アイテムやコーディネートの教科書的存在だったファッション雑誌も、WEBサイトと同期を取り、情報を同時発信するように変化しています。
売り上げが落ちているファッション雑誌は、付録によって集客を試みたり、雑誌を実際の半分サイズにしたりと、ユーザーの購買欲求を上げる努力をしていますが、苦戦を強いられている状態です。
一方、ユーザーのファッション雑誌離れとは逆に、この数年インターネットを使ったファッションへの興味想起が盛んです。
そちらに関しては、私たちもいくつか取り上げてきました。
参考:
アパレルECサイト売上ランキング2011-2013年比較と今後の業界展望
WEARがO2Oの転換点?商業施設よりZOZOを選んだブランドたち
そこで今回は、ファッション業界の流れを大きく変えるもう1つのプレイヤー「コーディネートアプリ」をご紹介します。
コーディネートアプリとは
コーディネートアプリの特徴は以下の通りです。
・ブランド名、洋服カテゴリなどで、オリジナルのコーディネートを閲覧できる
・気に入ったコーディネートやコーディネートに使われているアイテムを保存できる
・写真を撮って簡単にコーディネート投稿できる
・SNS機能でユーザー同士のコミュニケーションが図れる
・洋服などのアイテム検索ができる
・アイテムが欲しい場合は連動したECサイトで購入できる
アプリやサービスによって多少の違いはありますが、これがコーディネートアプリ、コーディネートサービスと呼ばれるものの特徴です。
他人のコーディネートを参考にして、アイテム購入をするシチュエーションが多いため、アパレル業界において、新しい情報拡散手段として注目を集めています。
それでは早速、注目を集める4つのコーディネートアプリ、コーディネートサービスをご紹介します。
コーディネートアプリ・サービス1.iQON(アイコン)
企業:VASILY
ユーザー数:75万人(2014年3月)
iQONは2012年3月に立ち上げられて以来、急速に女性ユーザーを獲得し続けています。アメリカのサービス「POLYVORE(ポリボワ)」の日本版とも言えるアプリです。
ユーザーはサービス上で流行のアイテムを選び、好きなように自分でコーディネートして登録することができます。
コーディネートが得意ではないというユーザーも、登録されているコーディネートを参照できます。
また、ZOZOTOWNなどのファッション系ECと連動しているため、気に入った商品はZOZOTOWNに移動して購入することができます。
コーディネートアプリ・サービス2.CoordiSnap(コーデスナップ)
企業:GMOメディア
ユーザー数:200万人(2014年4月)
コーデスナップは10代女性を中心に人気のあるアプリです。
10代を中心としたおしゃれ女子たちに絶大な人気を誇る「しまむら」とも提携しており、コーディネートした写真をアップしたり、アップされている商品を実際に購入することもできます。
アプリ上で登録者同士が気軽にコーディネートの相談をすることもできます。安価なコーディネート(1000~3000円台)を実現できるところが魅力です。
コーディネートアプリ・サービス3.STYLE LOOK(スタイルルック)
企業:千趣会
ユーザー数:不明
STYLE LOOKは、通販大手のベルメゾンが展開する公式サービスです。
サイトは全コーディネートがランダムに表示されるトップページと、コーディネート画像が画面いっぱいに表示されるコーディネート画像、コーディネートで使われている商品一覧の表示、その購入ができるコーディネート詳細で構成されています。
人気モデルの着こなす大人カジュアルからシンプル&エレガンスなファッションまで、ナチュラル系のファッション愛好者に人気が高いものとなっています。
また、ベルメゾンのECサイトにも連動しているため、実売をうながすための重要なツールとして活用されています。
コーディネートアプリ・サービス4.WEAR(ウェア)
WEAR
企業:スタートトゥデイ
ユーザー数:MAU240万人(2014年2月)
WEARは、インターネットファッションモール最大手のZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが運営しています。
WEARの売りの一つでもあったバーコードスキャンで商品検索する機能については、ブランドや店舗から大きな反発があったことで廃止が決まりましたが、単純なコーディネートアプリとしても、非常に人気が高いサービスです。
取り扱いブランド2000種類以上のZOZOTOWNと連携するため、気に入ったコーディネートはどのようなものでも購入することができるでしょう。
コーディネートアプリはファッション誌に代わるかまとめ
最近のテレビ番組は、モデルやスタイリストがその場で商品を選び、タレントに対してコーディネート対決するというものをよく見かけます。
実際にブランド名を表示した店舗で洋服を購入するシミュレーション的な番組で、主に商業施設の中にあるショッピングモールで行われます。
動きがない写真と違って、テレビであれば、よりイメージを膨らませることができるのはわかります。
ただし、テレビを見ているだけでは、自分ならこのようにコーディネートしてみたい、という欲求を叶えることはできません。
対してアプリ上では、誰でも憧れの「読者モデル」になることができます。
商品を購入する前にアプリでコーディネートする行為は、女の子なら誰もが好きだった着せ替え人形に似た楽しさを持っているはずです。
どちらの方がユーザーの購買意欲を掻き立てるでしょうか。
ECサイトがオフライン店舗に取って代わるのと同様に、コーディネートアプリがこれまでのファッション雑誌を一掃する日がやってくるのかもしれません。