目次 ▼
マスマーケティングに代わるマーケティング手法
コンテンツマーケティングというマーケティング手法を知っていますか。
最近コンテンツマーケティングを知った人は、インターネットを使ったマーケティング手法だと勘違いしているかもしれません。
ただ、コンテンツマーケティングはインターネットが普及する前から行われていたものです。
時代によって消費者の行動は変わります。そのため、消費行動の変化に合わせてマーケティング手法も変化して、市場に対応しなければいけません。
コンテンツマーケティングも、消費行動が変化したことで、マスマーケティングから変化して登場した手法です。
もちろん、ビジネスでマーケティングを成功させるには、新しいマーケティング手法と合わせて、これまでのマーケティング手法を知っておく必要があります。
そこで今回は、現在のマーケティング手法として、押さえておくべきコンテンツマーケティングとマスマーケティングの違いについてお話したいと思います。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティング(content marketing)とは、商品やサービスをユーザー自身に発見してもらい、購買につなげることを目的にしたマーケティング手法のことです。
コンテンツマーケティングは、情報媒体とコンテンツを問いません。DM、DVD、書籍、その他の郵送物、インターネットなど、ユーザーに情報を提供できる手段があれば行うことができます。
コンテンツとは
コンテンツとは「内容」「中身」「創作物」のことで、提供する媒体によってコンテンツは変化します。コンテンツ自体に明確な定義はありません。
たとえば、デジタルコンテンツは、パソコンやスマホの壁紙、アプリ、WEBシステムなどを指しますし、映像コンテンツは、映画や動画などを指します。
つまり、コンテンツマーケティングとは、媒体と対になったコンテンツを使ったマーケティング手法だということです。
コンテンツマーケティングの流れ
たとえば、WEBを使ったコンテンツマーケティングは、主にブログやSNSなどを利用して、ユーザーに有益な情報を発信することから始まります。
有益な情報と言っても何でも良いわけではなく、企業価値や商品価値を伝えられなければいけません。
たとえば、掃除機を扱っている企業であれば「掃除機を使った時短掃除の方法」「掃除機自体を掃除して新品に甦らせる裏技」など。住宅を扱っている企業であれば、「家を10年長持ちさせる方法」「自宅を快適に過ごせるスマート家電の紹介」など。
ユーザーは検索エンジンやSNSを使って、自分の判断で、自分にとって価値がある情報を取得します。
そして、価値のある情報を得たことで、ユーザーが「この企業(商品)は信頼できる。」と感じたら、商品の購入につながることになります。
もちろん、ユーザーが企業や商品に価値を感じるためには、何度もブログやSNSなどの情報に触れたり、メルマガの登録や資料請求などを通して、相互のコミュニケーションを強めなければいけません。
つまり、コンテンツマーケティングとは、いきなり商品やサービスを売り込むのではなく、ユーザーとの関係性を築くことで段階的に信頼性を高め、最終的に商品を購買してもらうことを目的としているわけです。
コンテンツマーケティングとマスマーケティングの違い
では、コンテンツマーケティングとマスマーケティングは、どのような違いがあるのでしょうか。
マスマーケティングの特徴
マスマーケティング(マス広告)とは、商品ニーズが顕在化している人(今商品が欲しい!と思っている人)の背中を押すための手法であり、「ザイオンス効果」によって、商品に良いイメージを植え付ける役割を担う手法です。
たとえば、テレビCMや雑誌広告などを使って、商品や企業のイメージアップを図るフレーズを流したり、顧客メリットの説明をします。ただしそれは、すべてのユーザーが望んで見る情報ではありません。
通常マス広告は、見たいテレビ番組の合間に流れてくるものですし、見たい雑誌記事の間に挟まっています。つまり、人によっては興味がないものを見せられている可能性があります。
そのため、マス広告は、ニーズが顕在化しているユーザーには行動を喚起するきっかけになりますが、ニーズが顕在化していないユーザーには悪いイメージを与える可能性があります。
コンテンツマーケティングの特徴
対してコンテンツマーケティングは、商品の顕在的なニーズだけを対象にしていません。
ユーザーにとって、価値がある情報を継続的に提供することで、多くの人が持っている潜在的なニーズを顕在化させることが目的です。
コンテンツマーケティングは、ユーザーが自らの意思で情報を取得し、情報を提供する企業や商品のファンになっていくプル型マーケティング手法です。
ユーザーは自ら得た情報で商品特性を学び、よく知ることでニーズが喚起され、顧客に変わっていきます。自ら情報を仕入れ、自ら選んだ商品には、サンクコスト効果(埋没費用効果)が働きます。
マスマーケティングよりコンテンツマーケティングが伸びる理由
これからマスマーケティングより、コンテンツマーケティングが伸びるのは、ユーザーのニーズとアクションが変化しているためです。
ユーザーニーズの変化
これまで4マス広告が主流だったのは、市場に商品やサービスが選択できるほど多くなかったためです。つまり、新しい機能を持った商品が登場したら、それが欲しいか、欲しくないかの2択でした。
そのため、広く認知できる4マス広告に費用をかけることが、直接売上につながる効率的な手段だったわけです。
ところが、今はユーザーニーズが多様化し、ちょっとした機能が違う商品やサービスが溢れています。誰もがパーソナライズドされた商品を欲しがっています。そのため、4マス広告は効率が悪い手段になりつつあります。
ユーザーアクションの変化
WEB環境の発達に伴って、ユーザーは自分に必要な情報、欲しい情報を自ら調べて選ぶという能動的な姿勢に変化しています。
ただし、世の中にはあまりにも多くの情報が溢れています。しかも自ら情報を取得するため、その情報の良し悪しは自分で判断しなければいけません。
そのため、これまで以上に必要になるのは、良い商品やサービスをレコメンドしてくれる友人、自分が信頼できると感じる専門家の存在です。
この信頼できる専門家の情報は、ユーザーのアクションに大きな影響を与えています。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
最後に、上記コンテンツマーケティングとマスマーケティングの違いを踏まえた上で、コンテンツマーケティングのメリット・デメリットを見ていきます。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングの最大のメリットは、マス広告に費やすほどの莫大なコストがいらないことです。
また、自社商品やサービスを踏まえた情報を発信するため、ブランド力の強化につながります。さらに、ユーザーに価値がある情報を伝えるため、ユーザーをファン化することができ、それが囲い込みにつながります。
これらの正のループを作ることで、ユーザーのさらなる購買行動の促進になります。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングの最大のデメリットは、時間がかかること、効果が出るまでにどれだけ時間がかかるかわからないことです
質の高いコンテンツを用意し、そのコンテンツをユーザーに見つけてもらい、ユーザー育成して購買行動につなげるためには、試行錯誤が必要になります。
コンテンツマーケティングを続ける期間は最低でも半年、長い場合は2-3年かけなければ成果が見えてこない場合もあります。
そのため、その間に市場動向が変わったり、新しい魅力的な商品・サービスが登場する可能性もあります。
コンテンツマーケティングまとめ
これまでも、質の高いコンテンツを提供することで、ユーザーを囲い込むコンテンツマーケティングは多く使われていました。
今後はより、企業が存在する意義を問われる時代になります。その中で、ユーザーに対して価値のある情報を提供するコンテンツマーケティングは、行ってしかるべきなマーケティング手法になっていくはずです。
最後にコンテンツマーケティングの要素をまとめておきましょう。
2.ユーザーが自らの意思で情報を取得できること
3.提供される情報がユーザーにとって有益であること
4.情報を通して、企業価値や商品価値を伝えられること
5.最終的に顧客を獲得できること
昨今は、WEBサイト、とくにブログ媒体を使ったコンテンツマーケティングに似た手法「オウンドメディア」に取り組む企業も少なくありません。コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いは以下を参考にしてください。
コンテンツマーケティングの具体的な取り組み方は、また別お伝えしたいと思います。