Googleの検索順位が不安定、表示されない原因は2つのインデックス

ファストインデックスとプリマリインデックス

検索順位が不安定な原因は…

新しい記事を書いて公開したら、すぐに上位表示されてアクセスが暴伸び!ところが、1週間後には50位以下に落ちていた……。

記事がインデックスされているのに、タイトルを全文検索しても表示されない……と思ったら1か月後には、1ページ目に表示された!

など、Googleの検索順位が不安定に感じることがあります。

原因は、Googleに「ファストトラックインデックス」と「プライマリインデックス」という2つのインデックスがあるためです。

Googleの2つのインデックスの仕組みを理解しておけば、検索順位が不安定でも心配する必要がなくなります。

今回のテーマ
今回は、Googleの検索順位が不安定で心配な人のために、次の内容をお話します。

  • ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの役割
  • ファストトラックインデックスの方が検索順位の優先度が高い
  • Googleハネムーンとエイジングフィルターの正体

それでは早速見ていきましょう。

Google検索エンジンのインデックスとは

Google検索エンジンには、インデックスという仕組みがあります。

インデックスとは、Googleがクローラーを使ってWEBページの情報を集めて、データベースに格納することを言います。

WEBページの情報がインデックスされることで、ランキングアルゴリズムが適用されて順位付けが行われ、検索結果に表示されるようになります。

ただし、インデックスの種類は1つではありません。前述した通り、Googleには「ファストトラックインデックス」と「プライマリインデックス」という2つのインデックスがあります。

Googleは、この2つのインデックスを使うことで、より公平な検索結果を表示しようとしています。

ファストトラックインデックスとプライマリインデックス

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスは、正式名称ではなく仮称です。

メインのインデックスはプライマリインデックス、そしてプレインデックスの役割を担うファストトラックインデックスが存在します。

Googleには2種類のインデックスがある――プライマリ インデックスとファスト トラック インデックス | 海外SEO情報ブログ

プライマリインデックスとは

プライマリインデックス(primary indexing)とは、アルゴリズムが適用され、WEBページの正しい価値が判断されたインデックスのことです。

WEBページの情報がプライマリインデックスに格納されると、大きな順位変動がなくなり、ある程度落ち着いた挙動を示すようになります。

ファストトラックインデックスとは

ファストトラックインデックス(fast track indexing)とは、Googleが存在を認識したばかりのWEBページを一時的に格納するインデックスのことです。

WEBページの情報がファストトラックインデックスに格納されると、即座に検索結果に反映されます。ただし、正確にアルゴリズムが適用されたわけではなく、プライマリインデックスに移行する準備が進んでいる状態です。

つまり、新規作成したWEBページが検索結果に反映されやすいのは、一時的に格納されるファストトラックインデックスの役割が大きいためです。

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの役割

わたしたちが見ている検索エンジンの結果は、このファストトラックインデックスとプライマリインデックスの組み合わせで表示されています。

たとえば、「大谷翔平」で検索すると一番上がWikipediaの情報で、その下には直近の試合など速報に近い情報が表示されます。Wikipediaの情報がプライマリインデックス、それ以外がファストトラックインデックスだと予想できます。

Google検索-大谷翔平

さらにその下には、「MLB – スポーツナビ」「大谷翔平 – 選手情報 – MLB|dメニュースポーツ」「大谷翔平の記事一覧ページ | Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト―」など、どれも大谷翔平選手の充実した情報を掲載したページが並んでいます。

これらのWEBページは、数時間前にインデックスされたばかりの速報情報より、情報の質や被リンクの数が劣っているとは思えません。

このような検索結果になるのは、ページランクだけで順位付けをすると、インデックスされたばかりの新しい情報はずっと発見されないWEBページになる可能性があるためです。

つまり、ファストトラックインデックスはトレンド情報をいち早くユーザーに伝える役割を持ち、プライマリインデックスは質が高い情報をユーザーに伝える役割を持っているということです。

ファストトラックインデックスの方が優先度が高い

では、ファストトラックインデックスとプライマリインデックスは、どちらの方が優先的に検索結果に表示されるでしょうか。

たとえば、あなたが「ゴミトレルーンの驚くべきメリット!」という掃除機(仮)のページを作り、「ゴミトレルーン」というキーワードで検索順位の3位に表示されているとします。

ある日、ゴミトレルーンに重大な欠陥があり、すべてリコールされることになった場合、ゴミトレルーン関連のニュース記事が大量に公開されたり、多くのブロガーがゴミトレルーンの話題を記事にすることが考えられます。

そうすると、あなたの記事は検索順位3位どころか、1ページ目にも表示されなくなるかもしれません。このような経験ありますよね?

これは、プライマリインデックスよりもファストトラックインデックスの方が、優先的に検索結果に表示されるためです。

あなたはWEBページの検索順位が下落したことに落ち込むかもしれませんが、それから1週間、2週間と過ぎていく中で、徐々に検索順位が復活していきます。

これは、ゴミトレルーン関連のニュース記事やブロガーの記事が、ファストトラックインデックスからプライマリインデックスに移行していったためです。

つまり、ファストトラックインデックスというアドバンテージがなくなり、プライマリインデックスで本来のページの評価がされた結果、検索順位が落ちていったということです。

もちろん、プライマリインデックスに移行しても検索上位のまま残るページもあります。それは、そのページにランキングアルゴリズムを適用した結果、質が高いと判断されたためです。

Googleハネムーンとエイジングフィルターの正体は?

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの関係を理解できれば、以前話した「Googleハネムーン現象」と「エイジングフィルター現象」が起こる理由は容易に説明できます。

2つの現象を簡単におさらいすると、以下の通りです。

  • Googleハネムーン現象とは、公開直後のページが検索結果で上位表示されやすく、一定期間後に順位が落ちていく現象のこと
  • エイジングフィルター現象とは、公開してしばらく経ったページが検索結果にまったく表示されず、一定期間経過後に検索結果に表示される現象のこと

Googleハネムーン現象が起こる理由

公開したばかりの記事が上位に表示され、1週間程度で検索順位がガクンと下がってしまうのは、ファストトラックインデックスの期間を終え、プライマリインデックスに移行したことで、より正当な評価がされたためです。

エイジングフィルター現象が起こる理由

一方、エイジングフィルター現象が起こる理由は、Googleハネムーンとは逆で、ファストトラックインデックスでは評価されず、プライマリインデックスに移行したことで、評価が上がったためです。

ランキングアルゴリズムのシグナルは300近くもあり、複雑に絡み合っています。そのため、すべてのアルゴリズムが適用されない限り、正しいWEBページの評価はされません。

検索順位の乱高下が起こる理由

では、Googleハネムーンでもエイジングフィルターでもない、検索順位の乱高下はどう説明すれば良いでしょうか。

Googleの検索結果は、1台のWEBサーバーが応えているわけではありません。

2007年のNetcraftの調査によると、Googleは当時でも世界中で6,616,713台のWEBサーバーを稼働させています。現在はさらに多くの台数を抱えているはずです。

Google-surver-number

October 2007 Web Server Survey | Netcraft

それだけ多くのWEBサーバーに情報が浸透するには時間がかかります。つまり、そのWEBページの情報がプライマリインデックスに移行しても、まだファストトラックインデックスと認識するWEBサーバーもあるということです。

そのため、検索順位の乱高下が起きるのは、そのWEBページの結果がファストトラックインデックスとプライマリインデックスを行ったり来たりしていることが考えられます。

タイトル完全一致検索でも結果に表示されない理由

では、公開したWEBページがしばらくすると、タイトルの完全一致検索でも結果に表示されなくなる現象は、どう説明すれば良いのでしょうか。

こちらも先ほど同様、WEBサーバーによってファストトラックインデックスとプライマリインデックスの結果が違うことで、消えてしまう可能性が考えられます。

たとえば、サーチコンソールのURL検査ツールで確認すると、ファストトラックインデックスに格納されたことでインデックス情報は掲載されます。

ところがプライマリインデックスに移行し、その情報浸透に時間がかかると、インデックスされているのに完全一致検索でも結果に表示されない現象が起きることがあります。

実際に、以下は公開したばかりの記事の機能の検索結果です。「高級ブランド 売上」で1位に表示されています。

ファストトラックインデックスの結果

ところが今日調べてみると、「高級ブランド 売上」どころか、タイトルを検索してもまったく表示されません。

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの揺れの結果

どちらにしてもGoogleの評価を待つしかない

というわけで、ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの役割がわかれば、不可解な検索結果の挙動がある程度説明できます(現段階ではですが)。

なお、プライマリインデックスは重要性が高いインデックス、ファストトラックインデックスは重要性が低いインデックスではありません。

一度プライマリインデックスに格納されれば、インデックスから外れることはありますが、ファストトラックインデックスに移行することはありません。ファストトラックインデックスは、あくまで一時的なインデックスです。

やはり理想的な挙動は、プライマリインデックスで高い評価を得て上位に表示され、その流れで被リンク獲得やSNSでサイテーションなどがあり、プライマリインデックスに移動してからも高い評価を得てそのまま上位にとどまり続けることです。

もちろん、それはなかなか難しいことではあるのですが。

先ほどの「タイトル完全一致検索でも結果に表示されない理由」で紹介した事例ですが、消えてしまったWEBページが、いつ・どのように復活するかはまったくわかりません。

もちろん、ずっと消えたままということも考えられます。どちらにしても、わたしたちはGoogleの評価を待つしかありません。ここを深く考えても仕方ないと思います。

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