検索順位が不安定な原因はGoogleの2種類のインデックスのせい

ファストインデックスとプリマリインデックス

Google検索エンジンのインデックスとは

Google検索エンジンには、インデックスという仕組みがあります。

Googleは、まずスパイダーでWEBページの存在を認識し、クローラーでWEBページ内の情報を集め、インデクサで情報を整理してデータベースに格納します。このデータベースに格納された状態がインデックスです。

データベースにインデックスされることによって、ランキングアルゴリズムが適用され、検索の順位付けが行われます。

ところでこのインデックスは、2つの格納場所に分かれていると言います。それが、「ファストトラックインデックス」と「プライマリインデックス」です。

ここまでが、以前「Googleハネムーン」と「エイジングフィルター」の説明で触れた部分で、それぞれの現象が起こるのは、ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの影響があるというお話です。

今回は、ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの説明、Googleハネムーンやエイジングフィルターが存在しない理由についてお話したいと思います。

個人的には、「はてなブックマーク」のホットエントリーの仕組みに似ていると考えています。これはまた別途お話する予定です。

Googleハネムーンとエイジングフィルターのおさらい

それでは、まずGoogleハネムーンという現象、エイジングフィルターという現象を少しおさらいしておきましょう。

Googleハネムーン現象とは

Googleハネムーン(Google Honeymoon)現象とは、公開直後のページが検索結果で上位表示されやすく、一定期間後に順位が落ちていく現象のことです。

Googleハネムーン事例

Googleハネムーン現象の期間はまちまちですが、目安としては1-2日で1ページ目に登場し、その後1週間から1か月ほど上位をキープしてから、ガクンと順位が落ちます。

エイジングフィルター現象とは

エイジングフィルター(aging filter)現象とは、Googleにインデックスされているにもかかわらず、公開してしばらく経ったページが検索結果にまったく表示されず、一定期間経過後に検索結果に表示される現象のことです。

Googleサンドボックス事例

エイジングフィルター現象の期間はまちまちですが、目安としては数週間から数か月続き、急に検索結果に現れます。もちろん、検索順位が低すぎて気付かない場合もあります。

ファストトラックインデックスとプライマリインデックス

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスは、正式名称ではなく仮称です。メインのインデックスはプライマリインデックス、そして、プレインデックスの役割を担うファストトラックインデックスが存在します。

Googleには2種類のインデックスがある――プライマリ インデックスとファスト トラック インデックス | 海外SEO情報ブログ

プライマリインデックスとは

プライマリインデックス(primary indexing)とは、既存のランキングアルゴリズムが適用され、正しい価値が判断されたインデックスのことです。

WEBページの情報がプライマリインデックスに格納されることで、検索においても大きな順位変動がなく、ある程度落ち着いた挙動を示すようになります。

ファストトラックインデックスとは

ファストトラックインデックス(fast track indexing)とは、Googleが存在を認識したばかりのWEBページを一時的に格納するためのインデックスのことです。

WEBページの情報がファストトラックインデックスに格納されると、即座に検索エンジンの結果として反映されます。ただし、正確にランキングアルゴリズムが適用されたわけではなく、徐々にプライマリインデックスに移行する準備が進んでいる状態です。

つまり、新規作成したWEBページが検索結果に反映されやすいのは、一時的に格納されるファストトラックインデックスの役割が大きいと言えます。

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの役割

わたしたちが見ている検索エンジンの結果は、このファストトラックインデックスとプライマリインデックスの組み合わせで表示されています。

たとえば、「大谷翔平」で検索すると一番上がWikipediaの情報で、その下には直近の試合など速報に近い情報が表示されます。これはWikipediaの情報がプライマリインデックス、それ以外がファストトラックインデックスだと予想できます。

Google検索-大谷翔平

さらにその下には、「MLB – スポーツナビ」「大谷翔平 – 選手情報 – MLB|dメニュースポーツ」「大谷翔平の記事一覧ページ | Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト―」など、どれも大谷翔平選手の充実した情報を掲載したページが並んでいます。

これらのWEBページは、情報の質にしろ、被リンクにしろ、たかだか数時間前にインデックスされたばかりの速報情報よりもページランクが低いとは思えません。

このような検索結果になるのは、単純にページランクだけで検索結果の順位付けすると、インデックスされたばかりの新しい情報はずっと誰にも発見されないWEBページになる可能性があるためです。

つまり、ファストトラックインデックスはトレンド情報をいち早くユーザーに伝えるための役割を持ち、プライマリインデックスはより質が高い情報をユーザーに伝えるための役割を持っていると言えます。

ファストトラックインデックスの方が優先度が高い

では、ファストトラックインデックスとプライマリインデックスは、どちらの方が優先的に検索結果に表示されるでしょうか。

たとえば、あなたが「ゴミトレルーンの驚くべきメリット!」という掃除機(仮)のWEBページを作り、「ゴミトレルーン」というキーワードで検索結果の3位に表示されているとします。

ある日、ゴミトレルーンに重大な欠陥があり、すべてリコールされることになったとした場合、ゴミトレルーン関連のニュース記事が大量に公開されたり、多くのブロガーがゴミトレルーンの話題を記事にすることが考えられますね。

そうすると、あなたの記事は検索結果の3位どころか、1ページにも表示されなくなるかもしれません。このような経験ありますよね?

これは、プライマリインデックスよりもファストトラックインデックスの方が優先的に検索結果に表示されるためです。

あなたはWEBページの検索順位が下落したことに落ち込むかもしれませんが、それから1週間、2週間と過ぎていく中で、徐々に検索順位が復活していきます。

これは、ゴミトレルーン関連のニュース記事やブロガーの記事が、ファストトラックインデックスからプライマリインデックスに少しずつ移行していったためです。

つまり、ファストトラックインデックスというアドバンテージがなくなり、プライマリインデックスで本来のWEBページの評価がされた結果、検索順位が落ちていったということです。

もちろん、プライマリインデックスに移行しても検索上位のまま残るWEBページもあります。それは、そのWEBページにランキングアルゴリズムを適用した結果、質が高いと判断されたためです。

Googleハネムーンとエイジングフィルターの正体は?

Googleハネムーン現象が起こる理由

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの関係を理解できれば、Googleハネムーン現象が起こる理由は容易に説明できますね。

つまり、公開したばかりの記事が上位に表示され、1週間程度で検索順位がガクンと下がってしまうのは、ファストトラックインデックスの期間を終え、プライマリインデックスに移行したことで、より正当な評価がされたためです。

エイジングフィルター現象が起こる理由

一方、エイジングフィルター現象が起こる理由は、Googleハネムーンとは逆で、ファストトラックインデックスでは評価がされず、プライマリインデックスに移行したことで、評価が上がったためです。

ランキングアルゴリズムのシグナルは300近くもあり、複雑に絡み合っています。そのため、すべてのアルゴリズムが適用されない限り、正しいWEBページの評価はされないということです。

検索順位の乱高下が起こる理由

では、Googleハネムーンともエイジングフィルターともとれない、検索順位の乱高下が見られるのはどう説明すれば良いでしょうか。

わたしたちが検索する結果は、1台のWEBサーバーが応えているわけではありません。

2007年のNetcraftの調査によると、Googleは当時でも世界中で6,616,713台のWEBサーバーを稼働させています。現在はさらに多くの台数を抱えているはずです。

Google-surver-number

October 2007 Web Server Survey | Netcraft

それだけ多くのWEBサーバーに情報が浸透するには時間がかかります。つまり、そのWEBページの情報がプライマリインデックスに移行しても、まだファストトラックインデックスと認識するWEBサーバーもあるということです。

そのため、検索順位の乱高下が起きるのは、そのWEBページの結果がファストトラックインデックスとプライマリインデックスを行ったり来たりしていることが考えられます。

インデックスから消える現象が起こる理由

では、公開したWEBページがしばらくするとまったく検索に引っかからず、完全一致検索でも結果に表示されない現象については、どう説明すれば良いのでしょうか。

こちらも先程同様、WEBサーバーによってファストトラックインデックスとプライマリインデックスの結果が違うことによって、消えてしまう可能性が考えられます。

たとえば、サーチコンソールのURL検査ツールで確認すると、ファストトラックインデックスに格納されたことでインデックス情報は掲載されます。

ところがプライマリインデックスに移行し、その情報浸透に時間がかかってしまうと、インデックスされているのに完全一致検索でも結果に表示されない現象が起きてしまいます。

実際に、以下は公開したばかりの記事の機能の検索結果です。「高級ブランド 売上」で1位に表示されています。

ファストトラックインデックスの結果

ところが今日調べてみると、「高級ブランド 売上」どころかタイトルを検索してもまったく表示されません。下に見えている「こんなにある!世界の~~」というのは別の記事です。

ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの揺れの結果

どちらにしてもGoogleの評価を待つしかない

というわけで、ファストトラックインデックスとプライマリインデックスの役割がわかっていれば、Googleハネムーン・エイジングフィルターだけでなく、他の不可解な検索結果の挙動についてもある程度説明できるということです(現段階ではですが)。

なお、プライマリインデックスが重要性が高いインデックス、ファストトラックインデックスが重要性が低いインデックスではありません。

一度プライマリインデックスに格納されれば、インデックスから外れることはありますが、ファストトラックインデックスに移行することはありません。ファストトラックインデックスは、あくまで一時的なインデックスです。

やはり理想的な挙動は、プライマリインデックス時から高い評価を得て上位に表示され、その流れで被リンク獲得などさまざまなアクションがあり、プライマリインデックスに移動してからも高い評価を得てそのまま上位にとどまり続けることです。

もちろん、それはなかなか難しいことではあるのですが。

先程の「インデックスから消える現象が起こる理由」で紹介した事例ですが、消えてしまったWEBページが、いつ・どのように復活するかはまったくわかりません。もちろん、ずっと消えたままということも考えられます。

どちらにしても、わたしたちはGoogleの評価を待つしかありません。ここを深く考えても仕方がないと思います。