クラウドソーシングとは?発注者と受注者のメリット・デメリット

クラウドソーシングとは

日本の働き方が大きく変わった?

近年、フリーアドレスやノマド、オフィス内カフェ、在宅ワークなど、テクノロジー業界を中心に働く場所や働き方の変革が起こっています。

以前よりも会社への信頼が薄れ、日本でも個人事業主や副業をする人が増えました。

これらの流れを加速したのが「クラウドソーシング」という働き方です。2014年に行ったアンケート調査(10-60代の男女1005人対象)では、クラウドソーシングの存在自体を知らない人が6割ほどいました。

選択肢 人数 割合
知っていて仕事を受けたことがある 42 4.2%
知っていて仕事を出したことがある 39 3.9%
知っているが利用したことはない 117 11.6%
聞いたことはあるがよくわからない 199 19.8%
知らない 608 60.5%

当時に比べて、言葉の認知度は割と高くなったのではないかと思います。

もはや、流行り廃りではなく、新しい働き方、新しい収入源の一つとして認められた感もありますが、まだクラウドソーシングが何かよくわからないという人もいるはずです。

そこで今回は、クラウドソーシングという働き方の特徴、クラウドソーシングの仕事の発注者と受注者のメリット・デメリットについてお話したいと思います。

クラウドソーシングとは

クラウドソーシング(crowdsourcing)とは、業務の発注者(クライアント)がインターネットを通じて、不特定多数のワーカーの中から受注者を探す業務形態のことです。

業界最大手のクラウドワークスは、会員数が200万人以上おり(発注者より受注者の方が圧倒的に多い)、もはや働き方の一つとして定着していると言えます。

クラウドワークス、会員数が200万人を突破 ~「ありがとうボタン」で贈りあった感謝の数は1000万回に~ | 日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」プレスルーム

クラウドソーシングの特徴は、以下の通りです。

ミーティングはすべてオンライン

クラウドソーシングで業務の受発注を行う場合、基本的には直接会わずに、オンラインツールを使ってミーティングをします。条件交渉や契約もすべてオンラインで行います。

依頼する業務は場所に依存しない

クラウドソーシングの依頼は場所に縛られる業務ではいけませんし、多くの業務においてクライアントが場所の指定をしてはいけません。

そのため、ワーカーは、パソコンで行うデザインやプログラミング、ライティング、リモートでできる事務作業、写真・動画撮影などの仕事を中心にこなすことになります。

受発注者に評価システムがある

ほとんどのクラウドソーシングのプラットホームには、受注者、発注者双方の評価システムがあります。

発注者は信用できる人に仕事を依頼したいですし、受注者はブラックな仕事をしたくありません。評価システムがあることで、受発注の前にある程度相手の判断をすることができます。

発注者(クライアント)のメリット・デメリット

クライアントは、以下のメリット・デメリットを感じながらクラウドソーシングを利用しています。

クライアントのメリット

比較的安価で発注できる

現在のクラウドソーシング市場では、発注者よりも受注者の方が多い状態です。そのため、割の良い仕事やスキルを活かせる仕事は人気があり、発注者が取り合いをします。

すると、必然的に相場よりも安い価格で仕事を依頼できるようになります。

急ぎの案件を発注できる

通常、リアルの外注に仕事をお願いする場合は、初めにスケジュールを押さえます。もしスケジュールが空いていなければ、報酬が良くても急ぎの案件は受けてもらえません。

クラウドソーシング上にはたくさんのワーカーがいるため、急ぎの案件だということを事前に伝えていれば、それを見越したワーカーが声をかけてくれます。

特殊なスキルを持つ人を発見できる

特別なスキルが必要な仕事の受注者を見つけるのはとても大変です。クラウドソーシングを使えば、日本全国からワーカーを探すことができるため、特殊なスキルでも見つけやすいでしょう。

クライアントのデメリット

ワーカーに責任感があるかわからない

オンライン上で見られる実績や実力には限界があります。実際に顔を見たり、会って話すことができないため、受注者が本当に責任を持って仕事をしてくれるか心配になります。

思ったよりもスキルが低いことがある

たとえ仕事に責任感を持った人でも、能力が足りずに納期までに仕事をこなせない場合、思ったよりも納品物の出来が悪い場合があります。

ワーカーのメリット・デメリット

ワーカーは、以下のメリット・デメリットを感じながらクラウドソーシングを利用しています。

ワーカーのメリット

自分でやりたい仕事を選べる

クラウドソーシングは、前述した通りデザインやプログラミング、ライティング、事務作業、写真・動画撮影など業務が多岐に渡ります。そのため、自分のスキルに応じてやりたい仕事を選べます。

また、クライアントのプロフィールを見たり、質問するなどして、自分に合った条件の仕事を選んで受けることができます。これは、個人事業主のスキルづくりには最適です。

時間を選んで仕事を受けられる

クラウドシーソーシングで受ける仕事は、納期など業務の条件によりますが、曜日や時間など自分のライフスタイルに合わせて仕事をすることができます。副業でも、空いている時間を使って稼ぐことができます。

場所に縛られずに仕事ができる

クラウドシーソーシングの仕事の多くは、場所の制約を受けません。そのため、自宅だけでなくカフェや外出先でも仕事をすることができます。

ワーカーのデメリット

報酬が低い仕事が多い

前述した通り、現在のクラウドソーシング市場では、クライアントよりもワーカーの方が多い状態です。そのため、受けたい仕事があっても、その報酬額が低くなってしまう場合があります。

発注者次第で地雷案件もある

ワーカーがクライアントに対して仕事の責任感に疑問を持つことと同様、ワーカーもクライアントに対してやたらと要望が多い地雷案件かどうかを心配しています。

とくに、納品したにもかかわらず、初めに取り決めがなかった修正を何度もやらされたり、クオリティが低いため報酬は払えないと言われるなどのトラブルが起きる場合もあります。

クラウドソーシングに与えた職場環境の変化

クラウドソーシングは、働き方の一つとして日本で浸透していますが、浸透したことには理由があります。

20年前の日本では、「在宅勤務は本当の仕事とは言えない。仕事は会社でしかできない。」と考えられていました。

オフィスは仕事をするためだけの場所で、下手をするとパーソナルスペースさえ存在しませんでした。ワンフロアに机が整然と配置され、毎日決まった場所で黙々と作業を行うのが当たり前だったわけです。

ところが、シリコンバレーから以下の影響を受けて、ここ10年でとくにテクノロジー業界のオフィスのあり方がガラッと変わりました。

変化1.デザインされた空間

オフィスが、以前よりもデザインされた空間に変わりました。

仕事をするうえでモチベーションを上げる要素の一つが所属の欲求だとするなら、やはり自分が働くオフィスが他社と比べて優れている、特徴的だと感じられるのは重要です。

変化2.共有スペースの充実

広々とした共有スペースを設置したオフィスも増えました。

タバコ部屋がすっかりなくなった近年、代わりに設置されたのがオフィス内カフェやレクレーションルームなどです。以前は喫煙率が高く、職場も男性ばかりだったので、いわゆるタバコ部屋がコミュニケーション空間でした。

ところが喫煙率が低下し、職場に女性が増えたことでタバコ部屋がなくなり、コミュニケーションをはかる空間もなくなってしまいました。その代替として、みんなが集まれるおしゃれなカフェが設置されるようになりました。

変化3.帰属意識の低下

これらの変革で、仕事は仕事、個人は個人と位置づけていた敷居が低くなり、仕事がなくてもオフィスに行ったり、オフィス内のカフェで仕事をすることが当たり前の感覚になりました。

オフィスから飛び出したノマドが流行ったり、自宅で仕事をする人(在宅ワーカー)も増え、徐々に会社に対する帰属意識が低下しました。

このように、本格的に個人事業主が仕事を確保できるクラウドソーシングが大きな市場を作りつつあります。

クラウドソーシングをどう利用すれば良いか

クラウドソーシングはWEBを使って仕事のやり取りをするため、新しい仕組みに思えるかもしれませんが、仕事を依頼する発注者がいて、それを受ける受注者がいる既存の受発注の仕組みが変わったわけではありません。

では、クライアント、ワーカーはそれぞれどのようにクラウドソーシングを利用すれば良いのでしょうか。サービスによって異なるため、簡単に説明します。

まず初めに、クライアントもワーカーも、たくさんあるクラウドソーシングサービスの中からいくつか会員登録してみてください。依頼したい仕事内容、受けたい仕事内容によって、登録するサービスは変わります。

クライアントは、そのクラウドソーシングサービスのツールを使って依頼する仕事を登録します。

基本的には、クライアントが仕事内容やルール、報酬、納期などを細かく設定して、なるべくワーカーが見ただけで把握できるように提示しなければいけません。

ワーカーは、登録されている仕事の中から自分の希望に見合った仕事を探して応募します。

依頼したい人数よりもワーカーの応募数の方が多い場合は、クライアントが契約したいと思った人を選定します。

その後、オンラインで契約を交わしたワーカーは、クライアントが指定する納期までに仕事を納品し、最後に報酬を受け取るという流れです。

クラウドソーシングサービスの細かい利用方法は、また別途お話したいと思います。

クラウドソーシングはまだ発展途上です。そのため、クラウドソーシングのサービスは今でもたくさん生まれていますが、消えてしまうサービスもたくさんあります。

どのサービスも特徴があるため、受注者、発注者に限らず、自分に合ったサービスを試しながら探してみてください。