クリエイティブコモンズとは?CCライセンスの使い方・設置方法

クリエイティブコモンズとは

無料素材だと見つからない写真がある

世の中には、多くのフリー写真素材サイトがあります。規定によりますが、素材の「商用利用可能」「改変可能」「クレジット不要」など、使い勝手が良いサイトは多いですね。

このような写真素材のライセンスは、ざっくり言うと以下のようになります。もし写真素材を扱うなら、これらの規定は確かめた方が良いでしょう。

フリー写真素材サイトの利用規定(一部)
商用利用可能|(顧客提供含む)WEBサイトや紙の資料などの販促に使える。
改変可能|リサイズ、トリミング、加工などしても良い。
クレジット不要|クレジット表記を付けなくても良い。
再配布可能|有料、無料問わず素材を別サイトなどで配布しても良い。

ただ、フリー写真素材は便利ですが、よく知っている真素材サイトだけだと、イメージに合う写真が見つからない場合があります。そこで利用したいのが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの写真です。

今回のテーマ
今回は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについてよくわからない人のために、次の内容をお話します。

  • クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
  • CCライセンスのマークの種類と意味
  • CCライセンスの使い方

それでは早速見ていきましょう。

フリーの写真素材だけでは足りない理由

さまざまなサイトでフリーの写真素材を見たところ、個人的にはこの3つの状態、シチュエーションの写真が不足していると感じます。

  • 自然なシチュエーションの写真
  • 細かいシーンを想定した写真
  • 目を惹く魅せるための写真

自然なシチュエーションの写真

フリー写真素材の多くは、人物をわざとらしく撮った写真ばかりです。流れの中での1枚や日常風景を切り取った自然なシチュエーションの写真は、意外と見つかりません。

細かいシーンを想定した写真

フリーの写真素材だと、「◯◯しているところ」など、細かいシチュエーションに合う写真がありません。使いたいシーンの写真が圧倒的に少ないと思います。

魅せるための写真

「かっこいい!」という写真素材がありません。画像加工ソフトを使える人は限られるので、最初からかっこ良く魅せるため写真を探したい場合に困ります。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは

では、フリーの写真素材で欲しいものが見つからない場合は、どうすれば良いのでしょう。

「有料で探せば?」という意見もわかりますが、その前に「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons License)」の写真素材を活用しましょう。

クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons、以下「CC」)とは、著作物の適正な再利用の促進を目的として、著作者がみずからの著作物の再利用を許可するという意思表示を手軽に行えるようにするための さまざまなレベルのライセンスを策定し普及を図る国際的プロジェクト およびその運営主体である国際的非営利団体の名称である。クリエイティブ・コモンズが策定した一連のライセンスはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスと呼ばれる。

クリエイティブ・コモンズ – Wikipedia

これまでわたしが紹介してきた無料写真素材サイトは、サイト独自の規定で写真素材の取り扱いを決めていました。

その規定を一元化して、著作権に関する取り決めを行い、規制に見合ったライセンスマークを表示することで、もっと素材を使いやすくしようという試みがクリエイティブ・コモンズ・ライセンスです。「CCライセンス」と略したりします。

有名なところでは、「Flickr(フリッカー)」「Google Images」などが、すべての画像において、CCライセンスによる著作権の取り決めをしています。

CCライセンスでは、以下の利用制限に応じたマークが付加されています。

CCライセンスの種類
Copyright「すべての権利を主張する、コピーライト」
CC-BY「表示」
CC-NC「非営利」
CC-ND「改変禁止」
CC-SA「継承」
CC-ND「改変禁止」
CC-SA「継承」
CC0「いかなる権利も保有しない、パブリックドメイン」

CCライセンスのマークの種類

コピーライト(Copyright)

こちらはすべての権利を主張する「コピーライト」表示です。おそらく見たことはあると思いますが、これが付いている画像は、許可なく使ってはいけません。

表示(BY)

表示(BY)がついている画像は、利用にあたって、著作権者の表示(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)が必要になります。

非営利(NC)

非営利(NC)がついている画像は、利用にあたって、非営利目的での利用に限定されます。

改変禁止(ND)

改変禁止(ND)がついている画像は、利用にあたって、いかなる改変も禁止されます。

改変とは、元画像のリサイズ、トリミング、効果付与だけでなく、人の目に触れるサムネイル表示でも同様な扱いになる可能性があります。

継承(SA)

継承(SA)がついている画像などは、利用にあたって、ライセンスが付与された画像などを改変してできた作品も、元画像のライセンスを継承しなければいけません。

元画像のライセンスを継承するとは、元画像などを改変してもあなたの著作物ではなく「原作者の著作物」だということです。

パブリックドメイン「CC0」

パブリックドメインのマークが付いているものは、いかなる権利も保有しないため、著作権による制限を受けません。自由に作品を改変して、再利用できます。

つまり、オールフリーなので、どのように使っても良いということです。CCに関係なく自由に使えるので通称「CC0」です。

CCライセンスの組み合わせによる意味

CC-BY-NC「表示—非営利」

CC-BY-NCは、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)を表示し、かつ非営利目的であれば、元画像を改変したり再配布したりすることができるCCライセンスです。

CC-BY-ND「表示—改変禁止」

CC-BY-NDは、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)を表示し、かつ元画像を改変しなければ、営利目的での素材利用(転載、コピー、共有)が行えるCCライセンスです。

CC-BY-SA「表示—継承」

CC-BY-SAは、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)を表示し、改変をした場合には元画像と同じCCライセンスで公開することを守れば、営利目的での素材の二次利用も許可されるCCライセンスです。

CC-BY-NC-ND「表示—非営利—改変禁止」

CC-BY-NC-NDは、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)を表示し、かつ非営利目的であり、元画像を改変しないことを守れば、画像を自由に再配布できるCCライセンスです。

CC-BY-NC-SA「表示—非営利—継承」

CC-BY-NC-SAは、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)を表示し、かつ非営利目的に限り、また改変を行った際には元画像と同じ組み合わせのCCライセンスで公開することを守れば、改変したり再配布したりすることができるCCライセンスです。

CCライセンスの使い方

CCライセンスが付与された画像を使う方法、自分の作品にCCライセンスを付与する方法を説明します。

CCライセンスの画像を使う場合

CCライセンスの画像は、コピーライトとパブリックドメイン以外、すべてBY(表示)が付きます。そのため、使う際は、著作権者の表示(氏名、作品タイトルなどの出典およびURLなど)が必要です。

画像を使う場合は、画像の近く(直下など)に、著作者のクレジット(名前と作品タイトル)を表示しましょう。また、WEBサイトから引用する場合は、WEBサイト名とURLも表示してください。

もちろん、その画像が改変禁止なのか、非営利のみなのか、継承しなければいけないのかは必ず確認して、ルールに準じて使いましょう。

CCライセンスを付与したい場合

WEBサイトなどで、自分の作品にCCライセンスを付与したい場合は、画像ならその直下などわかりやすい場所に画像を貼り付けてください。

またWEBサイト全体に何らかのCCライセンスを施した場合は、フッターや利用規約などにCCライセンスの画像を貼り付けてください。

CCライセンス素材は十分に活用できる

わたしも以前は、CCライセンスの素材を敬遠していました。理由は、ライセンスを理解するのが面倒で、クレジット表記にも何となく抵抗があったためです。

ところが、「Flickr(フリッカー)」を利用すると意外と質が高く、イメージに合った写真素材が見つかるため、今では素材を探すことが楽しいとさえ感じます。

本当はInstagramを使いたいんですが、あちらはCCライセンス設定された写真が少ない上に、キーワード検索ができないので使えません。

NAVERなどにも使われていますが、本当はライセンスNGな写真も混じっていると思います。

まだCCライセンス素材を使ったことがない人は、一度使ってみることをおすすめします。まずはわたしと同じフリッカーからどうぞ。

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