PDCAサイクルを回す意味やメリットは?問題点の改善と事例

PDCA

PDCAに失敗する人は意外と多い

あなたはこれまでに、1度は「PDCA」や「PDCAサイクル」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

3C分析、4P分析、SWOT分析などのビジネスフレームワークの中でも、PDCAサイクルは比較的耳馴染みがあり、意味もわかりやすい類のものだと思います。

ただ、PDCAサイクルという名前を聞いたことがあり、意味を知っていても、どう使うかを明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。

また、プロジェクトやWEBマーケティングにPDCAサイクルを取り入れてみたけど、なぜかうまくいかない、失敗したという人も少なくないでしょう。

もちろん、PDCAサイクルは、企業サイト運営・ブログ運営・オウンドメディア運営などのWEBマーケティングにおいても必要な考え方であり、わたしも常にPDCAを意識しながら仕事に取り組んでいます。

そこで今回は、PDCAサイクルの使い方とPDCAの過程で起こる問題点についてお話します。

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルとは、生産管理や品質管理などのプロジェクトを継続的に改善していくことで、目標達成に近づくためのビジネスフレームワークの1つのことです。

1950年代に工場の品質管理のために、物理学者のウォルター・A・シューハート(Walter Andrew Shewhart)と統計学者のW・エドワーズ・デミング( William Edwards Deming)が提唱して以来、今日までビジネスの第一線で活用されています。

PDCAサイクルは、1サイクルで完了するものではなく、初めから「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Actiton(改善)→Plan(計画)→……」とPDCAを繰り返すことを前提に始めなければいけません。

PDCAサイクルのメリット

PDCAサイクルのメリットは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Actiton(改善)」のサイクルに合わせて、作業をある程度定型化できることです。

定型化した作業をすばやく何度も繰り返すことで、一連の作業における良い点・悪い点が可視化されます。つまり、PDCAサイクルを回すと、最小コストでプロジェクトの成否を判断できるようになります。

Plan、Do、Check、Actitonの役割と事例

Plan(計画)

Plan(計画)とは、目標設定と目標達成のために行う計画立案のことです。PDCAサイクルは、一般的に計画から始まります。

計画フェーズでは目標設定を行いますが、必ず数値を用いてください。ただし初めは、目標数値の妥当性を追求する必要はありません。それはPDCAを回すことで徐々に明らかになります。

PDCAの目標設定例
目標:新市場で商品Aを月間100個販売する
手段:営業マンによる訪問販売による
問題点:既存営業マンでは訪問戸数に限界がある
解決方法:
 1.トークスクリプトを刷新して時短を図る
 2.営業マンを雇用する
 3.最初に折込チラシを撒いておく
 など
期間:1年
費用:○○○万円
行動目標:

まずは、このようにざっくりとした目標と計画を作った後で、細部の計画を立てていきましょう。

注意点としては、1人で行う作業とチームで行う作業、また個人で判断できる事項と承認が必要な事項によって、必要な時間やコストが変わることです。とくにチームで行い、上司の承認が必要なプロジェクトであれば、それらも考慮に入れなければいけません。

Do(実行)

Do(実行)とは、目標達成のために立てた計画を実行に移すことです。

実行フェーズでは、一人ひとりがなるべく考える手間を省いて、計画に沿った実務を端的にこなさなければいけません。

また、実行フェーズは何を持って評価に移行するかを決めておく必要があります。上記の目標設定で言うと、「1年経過すること」「商品Aを100個販売すること」などです。

初めから予定通りプロジェクトが進むわけではありません。それを次の評価フェーズで洗い出すために、実行フェーズでは振り返らずに、計画通り勧めていくことが大切です。

Check(評価)

Check(評価)とは、計画に沿った実行を行ったことで、どれくらい目標に近づいたかを比較評価することです。

初めての評価フェーズでは、まず計画に沿った実行ができたのかを評価対象としましょう。つまり、実行予定に対して実行結果を洗い出す予実管理までが、評価フェーズということになります。

2回目、3回目とPDCAサイクルを回す中で、評価のチェックポイントは本来の目標設定をしたコンバージョンに移行していきます。

Action(改善)

Action(改善)とは、評価フェーズで明確になった問題点を改善点として明らかにすることです。

目標を達成するために計画し、計画通りに実行して、その実行を評価をしたら、最後に評価に基づいた改善点が明らかになることで、新たに計画を立て直すことができます。

つまり、評価フェーズで洗いだした予実を見ることで、不備や非効率的な部分、または良かった点や効率的な部分を明確にするための分析を行うのが改善フェーズだということになります。

PDCAサイクルの問題点・失敗する理由

PDCAサイクルがうまく回せなかったり、途中で破綻してしまうのは、そこに失敗する理由があるからです。

失敗する理由1.計画(Plan)を綿密に立てすぎてしまう

もっとも多い失敗理由は、計画を綿密に立てすぎてしまい、PDCAサイクルの役割を忘れてしまうことです。

たとえば、PDCAサイクルの説明で、「正確に実行するために、計画を綿密に立てる必要がある」と書かれているものは間違いです。PDCAサイクルは、サイクルの流れの中で数を重ねて改善し、グッドサイクルを作っていく考え方です。

そのため、長いスパンで綿密な計画を立てて、ウォーターフォール方式で仕事を進める大手企業、巨大なプロジェクトチームには向いていません。

PDCAが活きるのは、小規模または個人プロジェクトであり、早く小さな結果を出したい場合に行います。

失敗する理由2.分析(Action)が疎かになっている

営業会社でありがちなのは、せっかくPDCAサイクルを使っても、Action(改善)を行わないことです。

Actionを改善と言うから勘違いするのかもしれませんが、Actionの本質は分析です。Check(評価)をして、「数字が良くなかったからもっと営業をがんばれ!」では、もっとも大切な分析を飛ばしていることになります。

Actionを飛ばしてしまうと、PDCAサイクルではなくPDCDCサイクルになってしまいます(Plan→Do→Check→Do→Check…………)。

失敗する理由3.PDCAがアイデアを生むと勘違いしている

PDCAではアイデアが生まれにくいというのも間違いです。アイデアとPDCAサイクルを回すことは、別物と捉えなければいけません。

PDCAによって小さな成功を積み上げていくことで、関係するさまざまな情報を蓄積することができます。

アイデアとは情報の掛け合わせで生まれるものです。そのため、蓄積した情報の使い方次第で、アイデアが生まれる可能性があります。

ブログ・オウンドメディアでPDCAを回す考え方

では一例として、ブログやオウンドメディアを使ってPDCAサイクルを回す考え方を見てもらいましょう。

目標設定をして計画を立てる

ブログやオウンドメディアの場合は、作るコンテンツ群によって、商品の購買、会員登録、ブランディング、既存ユーザーとのコミュニケーションなど、何を目的にするのか明示しなければいけません。

たとえば、商品の購買という明確なコンバージョンポイント(CVP)がある場合は、CVPにつなげるために必要なコンテンツやその量を洗い出します。

簡単なCVとCVPの設計
・CV数の目標は1か月で100CV
・CVPへの誘導は1か月で1000visit
・サイトへの誘導は1か月で10000visit
・必要なコンテンツ数は300コンテンツ
・300コンテンツの内訳は……
・300コンテンツを6サイクルにわける
・1サイクル(50コンテンツ作成)の期間は2か月
・2か月後に見直しをする

コンテンツを作成し運用する

上記設計を見る限り、本来は2か月ちょうどで50コンテンツ作成が望ましいのですが、初めから予定通りプロジェクトが進むわけではありません。

50コンテンツは必要なコンテンツとして挙げているため、時期で区切るよりも、まずは50コンテンツを完成させることに全力を注ぎましょう。

CVよりもコンテンツ作成を評価する

とくにブログやオウンドメディアでコンテンツマーケティングを行った場合は、実行の結果が現れるまでにある程度のバッファが必要です。

とは言え、評価を1年後に後回しにして300コンテンツ作りきってしまうと、計画と実行を正しく評価できなくなります。そのため、まずは2か月で50コンテンツを作成する実行に対して、評価する数値を集めましょう。

コンテンツ作成の改善点を挙げる

最初の改善フェーズでは、2か月で50コンテンツという設計が間違っていなかったのか、または2か月で50コンテンツを作成するために何が必要だったのかという改善点を数値から導き出してください。

多くのコンテンツマーケティングでは、次のPDCAサイクルを回す際に、コンテンツの追加、または改修のどちらかが必要になります。

PDCAサイクルはもう古い?

以前に比べて、ビジネスサイクルはどんどん短くなっています。仮に新しいアイデアを思いついても、たった半年寝かせただけで他の企業が手を付けて、良し悪しを判断してしまう時代です。

既存のビジネスでも、IT技術を使うことでこれまでとはまったく違うやり方を思いつくことがあります。その良し悪しを判断するためには、素早く着手して、素早く見極める手段が必要です。

そのため、小規模で結果を早く確認できるPDCAサイクルは、今後も必須なフレームワークだと言えます。

もちろん、PDCAサイクルで良い結果が出た場合は、さらに練度が高い方法に仕上げるために、時間をかけてPDCAを回し続けることも可能です。

ちなみに、最近は「OODAループ」や「STDLサイクル」などの新しいフレームワークを聞くことが増え、「PDCAサイクルはもう古い!」という人もいますが、どちらも結局PDCAサイクルから派生したものですし、PDCAを柔軟に受け取ることができれば事足ります。

また、「PDCAサイクルは古い!これからは高速PDCAだ!」という人もいますが、そもそもPDCAは高速で回してなんぼです。なぜなら、PDCAは効果測定のフレームワークであり、効果測定は最速で行われなければいけないからです。

まずは、PDCAサイクルをしっかり理解してから、OODAループやSTDLサイクルがあることも理解できると良いのではないかと思います。