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SNSで著作権侵害が増えている
インターネットによる個人の情報発信が当たり前になった今、著作権は誰もが意識しなければいけないものになりました。
「わたしは別にブログやってないから関係ないし……。」という話ではなく、Twitter、Facebook、インスタグラムなどのSNSでも、著作権侵害は起こります。
とくにTwitterで度々起こる炎上騒ぎのうち、著作権侵害に関するものはなかなか多かったりします。
よく話題になるのは、「無許可RT」「パクツイ」「画像リツイート」「画像リプ」が著作権侵害かどうかです。
- パクツイは著作権侵害になるか
- 無許可RTは著作権侵害になるか
- 画像RT・画像リプは著作権侵害になるか
- 無許可RTは著作権侵害になるか
それでは早速見ていきましょう。
そこで今回は、最近良く見かける「パクツイ」「無許可RT」「添付画像のRT」における著作権侵害との関係性についてお話したいと思います。
パクツイとは
Twitterにおいて、まったく同じ他人の文章をコピーなどして、そのままツイートすることを「パクツイ」と言います。つまり、パクってツイートするということですね。
パクツイは著作権侵害になる?
パクツイは、ある一定の線引きでは著作権侵害になる可能性があります。その線引きは著作権法にある「思想、感情を創作的に表現したもの」をどう解釈するかで異なります。
「『著作物』と言えるためには、ある程度の創作性が必要です。パクられるようなツイートであれば、通常は創作性があるでしょうから、著作物であることが多いと考えられます。
著作権で勘違いしてはいけないことは、著作権は著作者の意図とは関係なく存在するものだということです。反対に、著作者の意図で製作物を著作物だと指定することもできません。
そのため、Twitter社は自ら積極的にパクツイを規制してはいないものの、著作権侵害報告フォームを設けて、申告があったものに対応するスタンスを取っています。
ちなみに、パクツイは日本語のスラングですが、英語圏でも人のツイートを勝手に盗用することを「a stolen tweet(盗まれたツイート)」と言います。
パクツイって英語でなんて言うの? – DMM英会話なんてuKnow?
無許可RT(無断リツイート)とは
無許可RTとは、あるツイートに対して不特定多数の人が、許可なくRT(リツイート)することです。
常識的に考えれば、不特定多数の人がオープンスペースでやり取りをするTwitterで、リツイートやリプライ、メンションなどの反応があるのは当たり前です。
リプライ|誰かのツイートに対して@をつけて返信すること
メンション|自分が誰かに対して@をつけてツイートすること
無許可RTは著作権侵害になる?
ところが、以下のようなツイートがあり、それが炎上して話題になりました(無許可RTで検索すれば出元はすぐにわかります)。
ツイートに対してRTする行為は著作権とは関係ありませんし、それが一般常識に照らしてマナー違反というわけでもありません。Twitterのサービス利用規約には、以下のように記載されています。
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社があらゆる媒体または配信方法(既知のまたは今後開発される方法)を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。
つまり、ツイートした内容は、Twitter社が無償で利用する権利を持っており、Twitterプラットフォームにおいては、オープンで利用されるものになるということです。
もちろん、著作権が発生する特定の著作物に関してはこの限りではありません。
画像リツイートは著作権侵害になる?
2018年に知的財産高等裁判所で、ある画像リツイートに対して著作権侵害だと判決が下った事件がありました。
わたしも読んでいてわかりにくかったのですが、要約すると以下の内容だと思います。
ところどころわかりにくいのですが、まずAさんは写真に「転載厳禁」と記載して、著作物だと認識されるように配慮しています。それにもかかわらず、Bさんが無断で転載した行為は、明らかに著作権侵害です。
続いて、CさんはBさんのツイートを見て反射的にRTしたのか、「転載厳禁って書いてあるな……。」と意識してRTしたのかはわかりませんが、RTによって同様のツイート内容が流れてしまい、それが著作権侵害を助長したと判断されたわけです。
個人的な感覚で言えば、わかりやすく「転載厳禁」と記載されたAさんの写真を無断で転載したBさんは明らかに著作権侵害です。ただ、Twitterに流れてくるツイートが著作権違反かどうかの判断をCさんに委ねるのは、難しい気がします。
この裁判は、AさんがまずTwitter社に対して、Bさん、Cさんの情報を開示するために行ったものです。そのため、実際にBさん、Cさんが裁判を起こされたときに、裁判所がどう判断するかはわかりません。
ただ、画像RTに対してTwitter社に情報開示命令が出た以上、今後はRTする側が気を付けなければいけない面倒なことになるかもしれないわけです。
これは画像リツイートですが、画像リプライも同様ですね。
Twitterで著作権侵害しないためには
著作権侵害の判断は難しい場合があるため、Twitterで著作権侵害しないためには、とくに画像付きツイートに注意しましょう。
よく、画像RTや画像リプで著作権侵害をしないため以下の方法が挙げられます。
- ツイート元のアカウントを確認する
- ツイート元のツイートを確認する
- 添付画像をGoogleで検索する
言いたいことはわかりますが、ツイート元が白か黒かを見極めることは不可能です。著作権自体を意識していない人はたくさんいます。
また、画像付きツイートが著作権侵害に当たるか検索する行為も現実的ではありません。そもそもWEB上にある画像なのかもわかりません。
ではどうすれば良いのかというと……残念ながら、添付画像が著作権侵害にあたるかどうかを簡単に判断する方法はありません。
そのため、見てわかるアニメのキャプチャ、テレビ画面のキャプチャ、書籍のキャプチャ、有名な絵画のキャプチャなどはRTしない方が良いでしょう。それ以外の判断がつかない画像も、極力RTしない方が無難です。
著作権法はなかなか厄介な法律ですが、今のところ仕方がないものとして受け止め、普段から意識して対処するしかないようです。