スマートフォン保有率の予測
最近、ニールセンとアドビシステムズ、それぞれがマーケティングリサーチを行っており、その相関関係についてご紹介したいと思います。
まず前提として、スマートフォンの保有率をお伝えします。これはいろいろな企業が調査を行っており、現在はおおむね50%前後位ではないかと思います。
男女共に50%前後、年代別で言うと、10代、20代が70%程度、30代が50%超、40代が40%という風に予測されます。60代でも20%弱まで保有率を上げてきています。
ちなみに総務省が「青少年のインターネット・リテラシー指標など」において、今年6月から7月にかけて行った調査を発表していますが、多く見積もると20歳未満のスマートフォン保有率は84%という衝撃的な結果になっています。
参考:
「高一スマホ保有率84%」の衝撃
このように、前提としてスマートフォンの保有率をお伝えしたのは、いつの間にかスマートフォンが生活に馴染んできている、ということを再認識してもらいたかったからです。
この「いつの間に」感を企業はどのように意識しているのでしょうか。
スマホで通販の割合
まずはニールセンの調査から、スマホで買い物を行う人がどれくらいいるのかを見てみます。
ニールセン株式会社「スマートフォン・メディア利用実態調査」(2013/09/5)
対象:スマートフォンを保有/インターネットを利用する日本全国の13歳~69歳の男女(有効回答3,077件)

参照:
20代女性スマホユーザー、3人に2人がスマホで買い物【ニールセン調査】
このグラフからわかることは以下の通りです。
「スマートフォンユーザーのうち、49%の人がスマートフォンを利用して商品を購入した経験があり、さらに20代、30代の女性の割合が高く、特に20代女性は65%の人がスマートフォンでの購入経験がある」
つまり、日本の25%弱の人たちが「スマホで買い物を行った経験がある」ということを表します。スマホ(インターネット)で買い物を行う、ということは必ず決済が絡みます。少なくともこのグラフで示される人たちは、そのハードルを乗り越えているということになります。
そして、特筆すべきは、50-60代のスマホユーザーの30-40%弱の方がスマホで決済しているという事実です。
企業のデジタルマーケティングへの意識
次に企業側の視点で見てみます。
一概にスマホ対策というわけではないのですが、デジタルマーケティングに関しての調査です。
参照:
マーケティング投資のデジタル比率は平均27%、今後も右肩上がりの予測【アドビ システムズ調査】
アドビシステムズ「お勤め先のマーケティングに関するアンケート」(2013/09/10)
対象:従業員500人以上の企業経営/マーケティング/営業関連部門勤務者(有効回答747件)
今、最も重要なデジタルマーケティングは、スマホ対策と言っても過言ではないと思います。
マーケティング担当者にとって、スマホでなくともデジタルマーケティングというものは、「非常に重要ではあるが遅れている」という認識を持っているようです。遅れているという理由も経営層やリーダーが決断できないことが原因のようです。
IT普及のスピード感について行けないと命取り
急速に普及してきたフィーチャーフォンと、それに合わせたさまざまなプラットフォームは、多くのコストを掛けて作られてきたものです。
それがここ数年でスマートフォンへシフトしてきています。しかし「ここまでコストかけてきたのに・・・」と嘆いても仕方がありません。
スマートフォンは、よく「新しい携帯」や「新しいパソコン」などに例えられますが、どちらの役割を担うにしても、これまでサービスが行われていたプラットフォームが変わることは間違いありません。
スマートフォンが爆発的に伸びる=サービスプラットフォームがガラッと変わる=BtoCのビジネス基盤が変わる
ということは誰もがわかっていることです。日々仕事をしている中で、これを理解していない、というよりも「恐くて直視できない」という経営者、リーダーの方は、意外と多い気がします。
上記のグラフは従業員500人以上の企業が対象であるため、それ以下の企業がどのように捉えているか実態はわかりませんが、「よりコスト投下に手をこまねいている」という印象は強いです。
ITが経済の中心になってしまった現状で、スピード感がないというのは命取りになります。試験的にで良いので、より早く訪れる市場に馴染む努力と感覚を養っていかなければ、企業として生き残るのは難しいな、と改めて感じました。