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検索エンジンを騙すSEOスパムテクニックとは
日本でSEOの概念が広まって、10年以上が経ちます。その間に生まれたSEO対策(テクニック)は、今ではほとんどがSEOスパムと呼んでしまって良いものばかりです。
そもそも、SEOスパムと言っても、すべてが検索エンジンのペナルティになるわけではありません。SEOスパムと総称していますが、以下のように評価が分かれると考えてください。
・検索順位が大幅に下がる可能性があるペナルティ
・Googleインデックスから外れるペナルティ
・相手に迷惑をかける文字通りのスパム行為
これらのSEOスパムは、これからSEOを知りたい人にとって、やってはいけないこと・やっても意味がないこととして、知っておいて損はないでしょう。
そこで今回は、懐かしいけどやってはいけないSEOスパムテクニックについてお話したいと思います。
SEOスパム1.隠しテキスト、キーワードの乱用
隠しテキストは上位表示を狙ってGoogleやユーザーを騙す行為ですし、キーワードの乱用は「キーワードスタッフィング(Keyword Stuffing)」というペナルティ対象になります。
背景色と同色フォントによるキーワード埋め込み
意味のない行為←文字反転で文字が出ます。
※スマホだと見えないかもしれません
この行為はSEOにプラスの影響を与えないことは明らかであり、「手動による対策」ペナルティを受ける可能性があります。そもそもキーワードの羅列が目的なので、コンテンツの質を下げることは明らかです。
目に見えないフォントサイズでキーワードを記述
意味のない行為←本来はこれ以下の小さい文字で記載。
上記とまったく同様です。SEOにプラスの影響を与えないことは明らかであり、「手動による対策」ペナルティを受ける可能性があります。
CSSで画面外にキーワードを記述
x軸やy軸をマイナスにして、画面外にキーワードを記載する行為です。こちらも「手動による対策」ペナルティを受ける可能性があります。
非フレームページにnoframesタグを使用
noframeは、本来フレームを使用したWEBサイトに、フレーム非対応のブラウザでアクセスされた場合に、フレーム非対応であることを表示するためのタグです。
ここにキーワードやリンクを埋め込んでも、通常は見えません。「手動による対策」ペナルティを受ける可能性があります。
noscriptスパム
noscriptとは、Javascript非対応のブラウザでアクセスされた場合に、Javascript非対応であることを表示させるためのタグです。
通常は、noscriptで書かれた箇所はディスプレイ上に表示されないため、ここにキーワードやリンクなどを書き込みます。こちらも「手動による対策」ペナルティを受ける可能性があります。
meta keywordsスパム
meta keywordsスパムとは、meta keywordsに大量のキーワードを入れ込む行為です。
meta keywordsにキーワードを入れること自体がSEOに意味がない行為と言われていますが、やらない方が良いと思います。
meta descriptionスパム
meta descriptionスパムとは、meta descriptionに大量のキーワードを入れ込む行為です。meta descriptionは意味がないと言われていますが、それはSEOに対してです。
ユーザビリティには意味があるため、キーワードで埋めてしまうもったいない行為はやめてください。
titleタグスパム
titleタグスパムとは、titleタグに大量のキーワードを入れる行為です。
titleタグのキーワード挿入は、SEOには必要な行為ですが、キーワードの羅列は意味がない上に、検索結果のユーザービリティを著しく下げ、クリック率が低下する恐れがあります。
また、コンテンツに関係がないタイトルを付けることでGoogleの評価は下がるでしょう。この辺りは、「ランクブレイン」が関係しています。
altタグスパム
altタグスパムとは、altタグに大量のキーワードを入れる行為です。
altタグにはコンテンツの流れに沿ったキーワードを適切にいれこむことで、SEO的にも、ユーザビリティ的にも意味のある行為です。
キーワードの詰め込みがペナルティになることはないと思いますが、コンテンツの質を落とす可能性があるのでやめておきましょう。
コメントアウトスパム
コメントアウトスパム(comment out spam)とは、HTML内にコメントアウト部分を作り、その中に大量のキーワードを入れる行為です。
キーワードスタッフィング
キーワードスタッフィング(keyword stuffing)とは、コンテンツ内に不自然な量のキーワードを混在させる行為のことです。これもすぐに意味がなくなり、代わりにキーワード量はページあたり5%前後が好ましいという都市伝説(?)が生まれました。
現在はキーワード量は関係ないことになっていますが、キーワードで埋め尽くされた不自然な文章はユーザビリティを大きく下げることになります。
SEOスパム2.クローキング、不正なリダイレクト
クローキングや不正なリダイレクトに関する行為は、明確な違反行為としてサーチコンソールヘルプに記載されています。
クローキング
クローキング(cloaking)とは、IPアドレスやユーザーエージェント(ブラウザ情報)のコントロールにより、検索エンジンのボットと訪問者に別々のページを見せる行為です。
これによって、ユーザーにはデザインされたWEBページを見せ、クローラーにはキーワードがびっしり詰まったテキストを読み込ませることができます。
クローキングはウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反するため、ペナルティを受ける可能性があります。
リダイレクトドメイン
リダイレクトドメイン(redirect domain)とは、あるドメインのページを用意し、クリックするとmetaタグのrefreshで別ページに飛ばしてしまう方法です。
リダイレクトドメインもウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)です。
ドアウェイページ
ドアウェイページ(Doorway Page)とは、あるキーワードで検索をさせ、キーワードやタイトルとは内容が違うコンテンツに誘導するために作られたページのことです。
ドアウェイページは、誘導ページとしてガイドライン違反の旨が記載されています。
SEOスパム3.サイトへの不自然なリンク、サイトからの不自然なリンク
被リンク・発リンクはランキングアルゴリズムに大きな影響を与えるため、スパム行為は厳しく監視されています。
リンクテーブル
リンクテーブル(link table)とは、見えないframeを作り、そこにキーワードやリンクを入れ込む行為です。こちらも隠しリンクとしてペナルティを受ける可能性があります。
大量の相互リンク
SEO目的で行う相互リンクは、コンテンツ同士の関連性がない場合がほとんどです。以前は、リンクファーム(相互リンクサイトのようなもの)もありましたが、今これを行うこと自体がペナルティを受ける恐れがあります。
意外と知られていませんが、相互リンクを目的としたコンテンツ(ページ)があることも、Googleのガイドライン違反です。質の低いページを並べた簡易サテライトサイトと同様に見られてしまいます。
関連性の低いコンテンツからのリンクは拒否し、発リンクも控えるなど神経質すぎる必要はありませんが、不自然に見える相互リンクは控えましょう。
リンクベイト
リンクベイト(link bait)とは、インフルエンサーを釣るための発リンクやコンテンツ構築を行い、何とかリンクさせようとする行為を言います。
リンクベイトは適切に行えば被リンク構築に良い影響を与えるものですが、過剰な発リンクはスパム行為というよりも迷惑行為になるかもしれません。
Googleボウリング
Googleボウリングとは逆SEOの手法の1つで、関連性のない怪しいコンテンツ(アダルトサイトやスパムサイト)から、特定コンテンツの評価を下げるために、外部リンクを貼りまくる行為のことです。
厄介なことに、Googleボウリングをされたサイトはペナルティの被害を受けてしまうかもしれません。
影響を受ける被リンクをされたコンテンツは早めにリンク否認ツールを使って、リンク拒否をした方が良いでしょう。相手はペナルティを受けるなどはどうでも良いはずなので。
被リンク売買
被リンク売買とは、ドメイン分散やIPアドレス分散などは関係なく、被リンクを売買することを言います。被リンクの売買はスパム行為とみなされます。インデックス削除ペナルティを受ける可能性もあるので、絶対にやめておきましょう。
有料リンク
上記と同様ですが、Googleは、有料リンクは評価が下がると明確な見解を示しています。
有料リンク: Google の検索結果のサイト ランキングでは、有料サイトにリンクするサイトについての分析結果も一部考慮されています。有料リンクによって検索結果に影響が生じたりユーザーに悪影響が及んだりしないように、ウェブマスターは有料リンクに nofollow を使用することをおすすめします。
バナー広告を貼る場合も有料リンクになる可能性があるため、リンクにはnofollowを指定しましょう。相手もペナルティを受けるかもしれません。
リンクファーム
リンクファーム(link farm)とは、複数のサイト間で(集団運営のサイト含む)協力して大量にリンクを貼り合う行為のことです。
リンクを大量に生成することから、リンクの農場=リンクファームです。相互リンクを集団で行う行為なので、もちろんペナルティの対象です。
アンカーテキストペナルティ
アンカーテキストペナルティ(anchortext penalty)とは、アンカーテキストを不自然に統一して、あるコンテンツにページランクを送る(ページランクスカルプティング)ために行う行為のことです。
現在はページランクスカルプティングは効かないうえに、ガイドライン違反なので、過剰だとみなされればペナルティ対象です。
サイトワイドリンク
サイトワイドリンク(site wide links)とは、メニューやヘッダー、フッターなどテンプレート部分に大量のリンクを仕込む行為を言います。
サイトワイドリンクは、Wordpressなどを使っていると意図せずにやってしまう可能性があります。
テンプレートにリンクを貼る場合は、相手に迷惑をかけるかもしれないため、十分注意して行ってください。とは言え、数百ページ程度のWEBサイトでは問題にならないと思います。
ワンクッションリンク
ワンクッションリンク(one cushion links)とは、質の低いリンクを大量に集めた子サイトを作り、子サイトから自サイトへ301リダイレクトを設定して、被リンクを流す行為を言います。
SEOスパム4.ユーザー生成スパム
ユーザー生成スパムは、自分のせいではなくユーザーのせいで被害を受けるスパムです。
コメントスパム
コメントスパム(comment spam)とは、他人のブログや掲示板に、自サイトへの被リンクを大量に貼り付ける行為です。過剰な被リンクや意味のない文章などはペナルティ対象になります。
逆SEOとして使われることもあるため、被リンクを受けたWEBサイトは、サーチコンソールからリンクを否認する必要があります。
トラックバックスパム
若い人はあまり馴染みがないかもしれませんが、以前はブログ同士がトラックバックを送り合うことが普通でした。
トラックバックスパム(trackback spam)とは、トラックバック機能を利用して大量にトラックバックを送ることで、広告として活用する方法のことです。
ペナルティを受けるかはわかりませんが、見た目も良くないですし、ユーザーからの評価は確実に落ちます。
SEOスパム5.価値のない質の低いコンテンツ
コンテンツの質もランキングアルゴリズムに大きな影響を与えるため、注意してください。
ミラーリング
ミラーリング(mirroring)とは、重複コンテンツをたくさん生成してキーワードを増やし、検索エンジンの評価をあげようという行為です。
大量の重複コンテンツは、パンダアップデートに引っかかります。明らかにコンテンツの質を下げますし、ペナルティを受ける恐れがあります。やめておきましょう。
ワードサラダ
ワードサラダ(word salad)とは、キーワードをごちゃまぜにして、それっぽい文章を自動生成し、いかにも自然っぽいコンテンツをつくることを言います。そして、そこからリンクを飛ばすなどの活用を行います。
一見文章っぽくなっているので、「キーワードの羅列ではないですよ」ということを検索エンジンにアピールするために生まれたテクニックですが、このページから被リンクさせるとペンギンアップデートに引っかかります。
ちなみに、以下のような訳の分からない文章が自動生成・自動リンクされます。
WEBスクレイピング
WEBスクレイピング(web scraping)とは、他人のWEBサイトコンテンツを第三者が無断でコピーし、成形してページを作り上げることを言います。
スクレイピングした文章を多少整えても、Googleに重複コンテンツとみなされる可能性は高く、重複コンテンツはペナルティ対象になるのでやめて下さい。
ただ厄介なことにWEBスクレイピングは、どちらがオリジナルか判断が曖昧な場合があります。その場合は、オリジナルコンテンツがペナルティを受けることもあります。
新しいWEBページをアップしたら、サーチコンソールを使って早めにインデックスして、日時の優位性を作ってしまいましょう。
スプログ
スプログ(splog)とは、現在でもアダルトサイトなどで見かけますが、大量にブログを発行して、興味を引きそうなリンクでユーザーを回遊させまくる行為を言います。
コンテンツのコピーとリンクの回遊により、目的に辿り着くまでに(たどり着かない場合も)広告をクリックさせることが目的です。
もちろんペナルティを受けますが、スプログをやっている人は承知でやっているんでしょうね。
SEOスパムは他サイトにも迷惑をかける
現在、世界には16億以上のWEBサイトがあり、それ以上の大量のコンテンツ(WEBページ)があります。
そのため、狙ってWEBページを上位表示をさせることはとても困難です。今後も、検索エンジンでWEBページを上位表示をさせる難易度は上がっていくでしょう。
検索上位表示に苦しんでいる人は、「前はこの方法で上位表示されていたんだけどなぁ……。」と考えることもあるかもしれません。
しかし、その方法がただ意味がなくなっただけのSEOテクニックなのか、ペナルティを受けるものなのか、他人に迷惑をかけるものなのかをよく見極めなければいけません。
SEOのスパムテクニックは、リンクがつながっている外部サイトに迷惑をかける可能性があります。そのため、意味がないだけのSEOスパムでも、やめておきましょう。試したいなら、実験用のWEBサイトを作ってください。
なお、今回紹介したSEOスパムは、ほとんどが「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」に記載されているものです。SEOに対する理解を深めるためにも、一度は目を通しておきましょう。
また、もしGooleからペナルティを受けてしまった場合、受けたのではないかと思われる場合は、以下を参考にして、ペナルティの解除対策をとってください。