2018年モバイル通信環境はこうなる!18の現状分析と13の予測

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目次 ▼

今後もスマホのモバイルトラフィックに注目

今後、世界的に発展する業界を予想する際、モバイルネットワークやモバイルデバイスを一番にあげる人は多いでしょう。

CISCOが「Cisco® Visual Networking Index(VNI):全世界のモバイル データ トラフィックの予測アップデート」で2013~2018年の全世界のモバイルトラフィックの予測を以下のように発表しています。

参考:
Cisco Visual Networking Index:全世界のモバイル データ トラフィックの予測、2013 ~ 2018 年アップデート – IP Next-Generation Networks – Cisco Systems

面白い記事なんですが、専門分野の方でないと一回で読み解けないであろう箇所があったので、1つずつ解説していきます。

今後のモバイルデバイスやモバイルネットワークを押さえておくためには必要な知識なので、一度目を通してみてください。

2013年のモバイルネットワークの現状

1.モバイルデータトラフィックが2012年に比べて81%増加

全世界のモバイルデータトラフィックは、2012年末に820ペタバイトだったのに対し、2013年末には1.5エクサバイトに増加しています。

単位はこのようになります。

ビット(Bit) < バイト(Byte) < キロバイト(KB) < メガバイト(KB) < ギガバイト(GB) < テラバイト(TB) < ペタバイト(PB) < エクサバイト(EB)

更に、1エクサバイトを各単位に変換すると、このようになります。
・100京バイト
・1,000兆キロバイト
・1兆メガバイト
・10億ギガバイト
・100万テラバイト
・1,000ペタバイト

2.2000年のトラフィックが1エクサバイトに対し、2013年はモバイルネットワークだけで約18エクサバイト

上記に当てはめると、10億ギガバイトが180億ギガバイトになったということです。

3.2013年末のモバイルビデオトラフィックは全体の53%

Youtube と Facebook がモバイル・トラフィックの 1/3を占有している:それを示す1枚のチャート | Agile Cat — in the cloud

こちらの記事ではFacebookとYoutubeで、1/3のトラフィックを占めているとなっています。

4.モバイルデバイスとモバイル接続が1年間で5億台増えて70億に増加

2012年に65億だった全世界のモバイルデバイスとモバイル接続の数が、2013年末には70億に増加しています。1年で5億台が新たに増えたということ。

5.スマートデバイスは全世界のモバイルデバイスとモバイル接続の21%を占めているが、モバイルデータトラフィックは88%に達している。

スマートデバイスの定義は明確に決まっていませんが、スマホ、タブレット、ウェアラブルデバイス、スマート家電などの総称です。

これらスマートデバイスはモバイルデバイス全体の2割しかないが、トラフィックは8割以上を占めているという結果。いわゆる80対20の法則です。

2013年にスマートデバイスが生成した1台あたりの平均トラフィック量は、非スマートデバイス1台あたりの29倍に相当する。また、第4世代(4G)の接続1つあたりの平均トラフィックが4G以外の接続の14.5倍に増加。

スマートデバイスは、非スマートデバイスに比べて29倍もトラフィック(通信量)を生んでいるようです。

また、スマートフォンはこれまでのモバイルに比べて14.5倍のトラフィック。

2013年に全世界のモバイルネットワークのダウンストリームの平均速度は、2012年の526Kbpsから1,387Kbpsに上昇した。

ダウンストリームとは、下りの回線速度のこと。モバイル全体で平均約1.3メガバイトです。

モバイル接続の全体数に占める4G接続の割合はわずか2.9%だが、モバイルデータトラフィックでは30%を占めている。

4Gでの接続(3Gやwifiとの切り替えがあるため、4G接続は少ない)はまだ2.9%しかないようです。それでも30%のトラフィックを占めているというのは凄いことです。

モバイルデータの利用者の上位1%が生成するモバイルデータトラフィックが、2010年初頭の52%から減少して10%になった。

これはデータトラフィックを大量に伝送していたスマートフォン台数が2010年時点では少なく、2013年に増大しているためです。

2013年にはスマートフォン1台あたりの平均トラフィック量が、2012年の353MB/月から529MB/月に50%増加した。

スマホに限って見ても、2012年から2013年にかけて、1.5倍のトラフィックを生んでいます。

スマートフォンは、全世界の携帯端末のわずか27%の台数で、全世界の携帯端末の総トラフィックの95%を占めている。

日本におけるスマホの浸透率は、現在60%程度だと思いますが、全世界ではその半分くらい。ただし、トラフィックはモバイル全ての95%を占めているというすごい結果。

スマートフォンのモバイルデータトラフィックは529MB/月、一般的な携帯電話のモバイルデータトラフィックは11MB/月で、48倍に相します。

2013年に全世界で約2,200万台のウェアラブルデバイス(M2Mカテゴリのサブセグメント)が、1.7ペタバイト/月のトラフィックを生成した。

ウェアラブルデバイスが既に2200万台あることにも驚きますが、1.7ペタバイトのトラフィックを生んでいることにも驚きです。

2013年に全世界でモバイルデータの総トラフィックの45%がWi-Fiまたはフェムトセルで固定ネットワークへオフロードされた。

フェムトセルとは、超小型基地局のことで、自宅や小型店舗に簡易アンテナ代わりに設置されるものです。各キャリアは全国でアンテナ工事を行うよりも、安価で基地局を設置できるということで、一時期大きく普及しました。

オフロードされた通信量は毎月1.2エクサバイトで、オフロードがなければ、2013年のモバイルデータトラフィックは、81%増ではなく98%増になっていたと推定される、とのことです。

ちなみにオフロードとは、モバイル回線を使わずに、フェムトセルなどの超小型基地局で通信を賄うことを言います。

iOSモバイルデバイス(スマートフォンやタブレットPC)のユーザあたりのデータ利用量は、Androidモバイルデバイスのユーザあたりのデータ利用量をわずかに上回った

日本にいると、スマホといえばiPhoneのような感覚の人もいるでしょう。ただし世界的にはAndroidの方が圧倒的に利用率が高くなっています。

ところが通信量で言うと、iPhoneの方が平均トラフィックが多いようです。

DCが7日に公表した調査リポートによると、今年4~6月期に世界で出荷されたスマートフォンのうち、基本ソフト(OS)に米グーグルの「アンドロイド(Android)」採用した端末のシェアが79.3%となった。

アンドロイドのシェアは1年前の69.1%から10.2ポイント上昇。2位の「アイフォーン(iPhonen)」との差を広げ、独走状態が続いている。

世界のスマホ市場、「Android」のシェアが79.3%に 「iPhone」は販売減速期で13.2%に低下:JBpress(日本ビジネスプレス)

iOS_Android普及率

iOS 対 アンドロイド:世界各国のシェア状況 – TeachMe iPhone

2013年には、モバイル接続されるタブレットPCの台数が2.2倍の9,200万台に増加。各タブレットPCが生成したトラフィック量は1,374MB/月、スマートフォンのトラフィック量は529MB/月で、平均生成量の2.6倍に相当する。

今後はデバイスの数もトラフィックも大きく増えると思いますが、ここで注意する点は「モバイル接続されるタブレットPCの台数が2.2倍」ということ。つまり、wifiは含んでいません。タブレットの伸びはもう少し大きいようです。

2013年には、1億4,900万台のノートPCがモバイルネットワークに接続された。各ノートPCが生成したトラフィックはスマートフォンの平均トラフィックの4.6倍に相当。

ノートPCなので、スマホよりもトラフィックが多いことは想像できますが、それでも4.6倍程度しかないんですね。スマホのアクティブ率がいかに高いかということがわかります。

2013年のノートPC1台あたりのモバイルデータトラフィックは、2012年の2.1GB/月から17%増加し、2.45GB/月になった。

ノートPC1台あたりのトラフィックも17%増加しています。これは、とりわけ発展途上国の回線速度が上がったことを意味しているのではないかと思います。

スマートフォン以外の携帯電話による利用量は、2012年には7.8MB/月、2013年には39%増の10.8MB/月になった。

スマホ以外の携帯電話でもトラフィックは増えているようです。ちなみに、スマホ以外の携帯端末が全体台数の73%を占めています。

2018年までのモバイルネットワークはこうなる

以下は、モバイルデータトラフィックにおける、今後5年間のマイルストーンはこうなる!と予測されているものです。

2018年には、全世界の月間モバイルデータトラフィックが15エクサバイトを超える。

2013年が年間18エクサバイトなので、約10倍になるということです。

2014年には、モバイル接続されるデバイスの台数が世界の人口を超える。

2013年末が70億台なので、世界人口を超えるのは明らかです。

2016年には、モバイルの平均接続速度が2Mbpsを超える。2018年には2.5Mbpsを超える。

2013年は約1.3Mbpsなので、2016年には50%以上アップということになります。2018年には今の約2倍です。

スマートフォンの利用増により、2018年にはスマートフォンがモバイルデータトラフィックの66%に到達します。

現在の倍以上といったところ。更に以下の事が書かれていました。

2018年には1人あたりのモバイルデバイス数が約1.4台になります。2018年には、マシンツーマシン(M2M;Machine-to-Machine)モジュールを含めたモバイル接続デバイスが100億台を超え、同期の世界の人口(76億人)を上回ります。

M2Mはよく知らなかったので、載せておきます。
マシンツーマシン – Wikipedia

2018年には、モバイルタブレットPCのトラフィックが2.5エクサバイト/月を超えます。

そう、これからはタブレットが圧倒的に普及していくはずです。先程、モバイルデータトラフィックが15エクサバイト/月になるとの予想があったため、タブレットPCだけで全体の約16.7%を占める事になります。

2016年には、タブレットPCが全世界のモバイルデータトラフィックの15%以上を占める。

先程より2年早い2016年の予想でも、タブレットPCのトラフィックは15%以上。ということは、15-20%あたりが、タブレットPCの最大値ということでしょうか。

2018年には、4Gトラフィックが全モバイルトラフィックの半分を超える。

これはトラフィックの話で接続数の話ではありません。接続数では全体の15%だそうです。

2018年には、セルラーネットワークから(Wi-Fiへ)オフロードされるトラフィックが、セルラーネットワークに残るトラフィックを上回る。

セルラーネットワークとは、いわゆる基地局通信のことです。ですので基本的な考え方は、ある一定間隔でアンテナが経っていて、地区毎にセル状に分割管理されているネットワークとなります。

ということで、セルラー方式が減少するという意味ですね。

2013年から2018年までのモバイルデータトラフィックの年平均成長率(CAGR)は61%と予測される。

特に言うべきことはありませんが、年平均成長が61%というのは凄いです。

2018年には、モバイルネットワークに接続されるすべてのデバイスの54%がスマートデバイスになる見込み。

モバイルデータトラフィックは、2013年の88%から増加し、96%を占めるようになるそうです。ほぼ全てですね。

2018年までに、全世界のモバイルデータトラフィックの3分の2がビデオになる。

現在、YoutubeとFacebookの合計トラフィックだけで、1/3を占めていたはずです。そのトラフィックの大部分はビデオ=動画だと思いますので、やはり動画が大きな割合を占めていくのでしょう。

今と比べると、2013年から2018年の期間に14倍に増加するということになります。

2018年には、スマートフォンで平均2.7GB/月のトラフィックが生成される。

これは2013年の平均トラフィック529MB/月の5倍程、また、2018年にはスマートフォンの合計トラフィックが現在の11倍になり、年平均成長率は63%になる見込みです。

つまり単純にスマートフォンは今の2倍程度普及するということですね。

モバイルデータトラフィックの成長率が最も高い地域は中東およびアフリカで、年平均成長率は70%になる。中央および東ヨーロッパが68%、アジア太平洋が67%。

どの地域も発展途上国が多い地域で、成長率もそれほど変わりません。スマートフォンなどのスマートデバイスが世界同時進行で普及していくことを予想していることになります。

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