リブセンスが受けた検索ペナルティとは?安全なSEO対策はある?

リブセンスの決算が話題に

少し前に、株式会社リブセンスの2014年1-3月期決算が話題になりました。

売上高は前年同期比15.3%増の9億8700万円と増収、営業利益は67.2%の減収です。

減益幅が少し大きいと感じる増収減益の決算ですが、この減益に大きな影響を与えたと言われるのが、Googleのパンダアップデート、ペンギンアップデートなど検索エンジンアルゴリズムの改修です。

Googleが行うアルゴリズム改修は、ユーザーに対する検索の質の向上のために行われます。ですので、この改修は検索ユーザーにとっては良い影響を与えるはずです。

ただし、WEBサイト運営により収益を挙げている企業やアフィリエイターたちにとっては、戦々恐々でしょう。

リブセンスとは

株式会社リブセンスは、創業者の村上氏が史上最年少で東証マザーズに上場させたことで話題になった会社です。

主業務を担う求人サイト「ジョブセンス」は企業と求職者のマッチングが成立すると売上が上がる成果報酬型の求人広告を行っています。

そして、そのジョブセンスへのユーザー導線は、リブセンスの強みである強力なSEO対策によって担保されていました。

その他、リブセンスの強みと特徴としては、

リブセンスの強みと特徴
・求人という熟成市場に参入していること
・安定したサービス開発力を持っていること
・流行に囚われないこと
・成功報酬型課金を採用していること
・キャッシュバック(祝い金)制度があること

好調リブセンス、その「手堅さ」の所以とは?|Approach to Innovation

となっています。

そんな強力なSEOによって支えられたリブセンスに忍び寄るパンダアップデート、ペンギンアップデート……。

リブセンスが検索エンジンから受けた被害とは

今回リブセンスは増収減益だったわけですが、リブセンスのビジネスモデルであれば、多少のバラつきはあっても、このように突発的に利益が落ち込むことはないはずです。

何かの仕入を行っているわけでもないですし、ユーザーのサイト誘導を広告費で賄っているわけでもないからです。

では、なぜこうなってしまったのか?
それは、集客の根幹である検索エンジンのルールが変わってしまったためです。

リブセンスがが検索エンジンから受けた被害の流れを予想します。

リブセンスがが検索エンジンから受けた被害とは

1.リブセンスはパンダアップデート、ペンギンアップデートにより何らかのSEOペナルティを受けた

2.検索キーワードの上位表示が崩れた、またはインデックスから削除された

3.ジョブセンスへの検索流入が極端に減ってしまった

4.結果売上が下がった(下がる見込みとなった)

5.売上を維持するためにリスティング広告などに大量のお金を投下した

6.売上は回復したが、広告費で利益が飛んだ

つまり、売上高を維持するために行った広告宣伝によって、売上は増えたが利益は減った、ということです。


これまで強い強いと言われてきたリブセンスのSEOは、Googleの解釈上、「ユーザーに良いコンテンツを提供できないSEO」だと判断されてしまいました。

たとえば、主要キーワードにどのような影響が出たのでしょうか。

このように、極端に下がってしまったキーワード順位は営業利益を67.2%も下げるほど大きなものでした。

ペンギンに襲われるリブセンス

リブセンスのSEOの最も大きな特徴は、大量の被リンクを獲得し、多数のキーワードで検索上位を実現するというものでした。

ここがまず影響を受けます。

2013年までのSEOはいかにして被リンクを獲得するかに重点が置かれていた、と言っても過言ではありませんでした。

ところが、別記事でペンギンアップデートの説明をした通り、被リンクにも評価が下がるリンクあることが明確になりました。

ペンギンアップデートにより評価が下がるリンク
1.過剰な相互リンク
2.ページ評価の低いサイトからのリンク
3.アンカーテキストが不自然に同じ言葉ばかりのリンク
4.有料リンク

リブセンスが持っていた大量の被リンクが、どれに該当しているものかは調査してみないとわかりません。

ひとつ言えることは、ペナルティを受けてしまった被リンクを外す行為は非常に面倒で、時間もコストもかかります。

パンダに襲われるリブセンス

上記だけならば、影響を受けたのはペンギンアップデートです。ところが、恐らくパンダからも影響を受けているのではないかと予測します。

パンダアップデートで評価が下がるコンテンツは以下のものです。

パンダアップデートにより評価が下がるコンテンツ
1.コンテンツコピーやサイトコピーなどでオリジナルな内容のコンテンツが乏しい
2.自動生成されたサイトや情報量の少ないサイト
3.バナー広告などがコンテンツを占めている
4.コンテンツの信頼性が低いサイト、たとえばQ&Aサイトなど

ジョブセンスは、平たく言ってしまうと求人情報のまとめサイトです。つまりコンテンツ内容が他の求人サイトと重複していることになります。

もちろん、明確に該当する箇所はわかりませんが、実はリブセンスは、自分たちのSEOが危ういことはわかっていたのではないかと思います。

ジョブセンスが売上に直結するまとめサイトなら、これを補うコンテンツが必要です。

そこでコンテンツを補うために立ち上げたサイトが「転職会議」ではないかと予測します。

転職会議に関しては、こちらの記事「【リブセンスSEO研究】SEO対策やリスティング広告の効果が頭打ちになっている業界で実施すべきマーケティング手法は何か?転職会議のSEO対策とビジネスモデルを研究」が細かく分析されていて、良い感じです。

転職会議の内容であれば、これまで培ったSEOも活かせて、オリジナルコンテンツを提供できる上に、リブセンス事業の潜在ニーズを狙えそうなコンテンツに仕上げることができます。

ただ、時すでに遅しだったのか、ペナルティが重すぎたのか、冒頭のような結果になってしまいました。

世の中に安全なSEOはあるのか?

「スパムを本気で止めたいなら、少し意地悪に思えるかもしれないが、スパマーを再起不能になるまで叩きのめす必要がある。」

2013年に姿を消した5つのSEOの常識|SEO Japan

Googleのマット・カッツ氏の発言です。

これは、今まで見逃されていた過剰なSEO(たとえば有料被リンクなど)やスパムに近い行為に対して、徹底的に対応することを表しています。

自分たちでわかっていて、過剰なSEO行為やスパム行為をしている場合は、ペナルティを受けて当然です。

ところが、上記を深読みすると、

あるコンテンツが、たまたま評価が低いサイトからリンクを受けてしまった場合でも、図らずも今回のパンダ、ペンギンアップデートのペナルティとなってしまう可能性がある、ということです。

悪意のあるなしをGoogleが把握することはできません。

「真面目にホワイトハット(過剰でもスパムでもない、Googleが推奨する正統でシンプルな運営)に取り組んでいる人たちは、可愛そうだけども影響あるかもね。でも、スパマー全滅させないとユーザーに本当に良いものは提供できないからね。」

SEOに携わる人にとって、良くも悪くもマット・カッツ氏の発言は神の掲示です……。

つまり、世の中に安全なSEOはないということになってしまいます。

どれだけ気をつけていたとしても、交通事故にあうかもしれないことと同様、どれだけ真面目にサイト運営をしていても、ある日突然、検索ペナルティをくらい、アクセスが半分に減ってしまうことがあるかもしれないのです。

しかも、原因はまったくわからずに。

安全なSEO対策はあるのか?というと、「今のところありません…」というしかないのです。

過剰なSEOは今のうちにやめておきましょう

これまで検索エンジンでの上位表示と言えば、SEOが中心に挙げられ、業者や関係者たちは何とかテクニックを駆使しようとしてきました。

恐らく、今後も基本的なルールであるHタグやタイトルタグは残りますし、被リンクもGoogleがサイト構造を知るために必要な要素として残っていくことは変わらないでしょう。

ただし、これまでのように「Hタグで強調されているからこのページの中では重要な言葉」とか、「多くのサイトから被リンクされてるから重要なサイト」という考えは通用しなくなっていくかもしれません。

今後はいかに特化した情報をこまめに、そしてユーザーのニーズに合わせて提供していけるかが検索エンジンを制する鍵になっていきます。

このあたりはリブセンスも転職会議などで、新しいコンテンツを展開して、しっかりと合わせてくるはずです。

もちろん、突然の事故によって、大きな影響を受けることも頭に置いておかなければいけませんが。

・現状まだペナルティを受けていないから……
・見直しをかけるのに時間がかかる……
・どうせ、安全な運営方法なんてないから……

といって手をこまねいていては、今回のリブセンスのように突然叩き落とされる可能性があります。

まだ、パンダアップデートとペンギンアップデートの違いや影響を理解していない方は、以下の記事を参考にしてください。

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