目次 ▼
- 1 Googleが良質なコンテンツを求める理由
- 2 Googleが定める良質なコンテンツとは
- 3 良質なコンテンツの23の定義
- 3.1 この記事に記載されている情報は信用できるか?
- 3.2 この記事の内容は、専門家や知見がある人によって書かれたものか?
- 3.3 このサイトには、複製や重複、不要な記事がないか?キーワードが少し異なる程度で似た内容ではないか?
- 3.4 このサイトにクレジットカード情報を安心して提供できるか?
- 3.5 この記事にはスペルミスや、文体ミス、事実に関する誤りはないか?
- 3.6 この記事の内容はユーザーの興味を重視して書かれているか、検索上位表示を目的にして書かれているか?
- 3.7 この記事は独自の情報(レポート、研究、分析など)を含んでいるか?
- 3.8 この記事は検索結果で表示される他の記事と比較したときに価値があると言えるか?
- 3.9 どのくらいの品質管理が行われているか?
- 3.10 この記事は、内容を多方向から説明しているか?
- 3.11 この記事の内容に関して、一般的にオーソリティーだと認識されるか?
- 3.12 このサイトの記事は外注によって大量生産されたものか?多くのサイトに分散されていないか?
- 3.13 この記事はよく編集されているか?急いで作られた雑な記事ではないか?
- 3.14 このサイトの健康関連の記述は、信用できるか?
- 3.15 サイトの名前を聞いたときに、信頼できる情報源だと認識できるか?
- 3.16 この記事は、書かれた内容を完全かつ広範囲に説明しているか?
- 3.17 この記事は、洞察力のある分析や興味深い情報を含んでいますか?
- 3.18 この記事は、ブックマークしたい、友達と共有したい、おすすめしたい内容か?
- 3.19 この記事は、広告が過剰でメインコンテンツの妨げになっていないか?
- 3.20 雑誌や百科辞典などの書籍に、この記事があっても不自然ではないか?
- 3.21 この記事は、短かすぎたり、役にたつ情報が欠けていないか?
- 3.22 このページは、細部まで注意して作られたものですか?
- 3.23 このページをユーザが見たときに、文句を言うか?
- 4 良質なコンテンツ=ユーザーに有益な情報
Googleが良質なコンテンツを求める理由
なぜGoogleは、良質なコンテンツを求めるのかを説明します。
Googleのビジネスモデルは、ユーザーが検索結果に表示された広告をクリックすることで広告主から収益を得るものです。
検索エンジンを使うユーザーが増えるほどGoogleの収益は増えるため、多くのユーザーに検索エンジンを使ってもらいたいと考えます。
一方、Googleがユーザーに提供するコンテンツは、「WEB上の検索」および「検索結果からWEBページへの導線」です。
Googleは、検索結果の表示速度や検索画面の見やすさなどで「WEB上の検索」の質を高め、キーワードにマッチする検索結果の正確性を高めることで「検索結果からのWEBサイトへの導線」の質を高める努力をしています。
ところが、その検索結果に表示されるWEBページの質はGoogleとは関係がないため、Googleの企業努力では改善できません。
もしわたしが検索をして、その結果閲覧するWEBページの情報価値が低いと感じれば、Googleを使わなくなるでしょう。
Googleが定める良質なコンテンツとは
では、Googleが定める良質なコンテンツとは、どのようなコンテンツでしょうか。
そもそもコンテンツとは
コンテンツ(contents)とは、「内容」「中身」「創作物」のことで、それ自体に明確な定義はありません。
たとえば、デジタルコンテンツと言えば、パソコンやスマホの壁紙、アプリ、WEBシステムなどを指しますし、映像コンテンツと言えば、映画や動画などを指します。つまり、WEBのコンテンツは、WEBページ(記事)のことですね。
「ラジオ」という媒体のコンテンツは「ラジオ番組」
「新聞」という媒体のコンテンツは「新聞記事」
「WEBサイト」という媒体のコンテンツは「WEBページ」
良質なコンテンツとは
以前も少し触れましたが、Googleが言う質の高い記事とは「Google General Guidelines(Google検索品質評価ガイドライン)」に沿ったものです。
このガイドラインでは、E-A-T(専門性、権威性、信頼性)の詳細や高評価・低評価の記事を事例付きで説明しているなど、内容は非常に面白く参考になります。
Authoritativeness(権威性あること)
TrustWorthiness(信頼性があること)
ただ、不定期で改訂されるうえに、英語版しかありません。そのため、ガイドラインすべてを翻訳して読むのはなかなかの労力です。(いずれ別途お話します)。
そこで、今回は少々古いのですが、2011年5月に「Webmaster Central Blog」に記載された「高品質のサイトを構築するためのガイダンス」から、Googleが求める良質なコンテンツの23の定義についてお話したいと思います。
Official Google Webmaster Central Blog: More guidance on building high-quality sites
なお、2012年9月に日本語翻訳されています。
Google ウェブマスター向け公式ブログ: 良質なサイトを作るためのアドバイス
良質なコンテンツの23の定義
この記事に記載されている情報は信用できるか?
あなたが書いた記事を客観的に見て、曖昧な部分がないか確認してください。とくに、誰が断定しているのか、誰が推論しているのかを明確にして、曖昧な部分は根拠を示す必要があります。
この記事の内容は、専門家や知見がある人によって書かれたものか?
記事の内容の信頼性をあげるためには、権威性(Authoritativeness)が必要です。
現在のところ、Googleが定める権威性の全貌は明らかではありませんが、法人が運用している、専門家が運用している、職業従事者が運用しているなど、WEBサイト内に権威性を示す記述がある方が良いでしょう。
ちなみに、長く運用しているドメインも権威性の1つと考えられます。
このサイトには、複製や重複、不要な記事がないか?キーワードが少し異なる程度で似た内容ではないか?
同じWEBサイト内で似た内容の記事があるとクローラビリティが下がったり、WEBサイトの評価が下がる恐れがあります。
・クローラビリティが下がるため
・検索結果から除外するフィルタがかかるため
・リンクの評価が分散されるため
・WEBサイトの評価が下がるため
重複記事がある場合は、一般的に「記事の改善>記事の統一>noindex処理>記事の削除」という優先順位で対応してください。
このサイトにクレジットカード情報を安心して提供できるか?
これはそのままですが、もしWEBサイトのコンバージョンポイントが商品やサービスの決済だとしたら、本当に信用してカード情報を記載できるかどうかです。
この記事にはスペルミスや、文体ミス、事実に関する誤りはないか?
スペルミスが多いワードがあったとしても、ある程度はランクブレインによって補完されるかもしれません。
ただ、検索キーワードに文法ミスやスペルミスがあれば、検索に引っかかりにくい記事になることは間違いありません。とくに日本人は、英語のスペルミスが多いため、注意しましょう。
事実に関する誤りは判断が難しいところです。たとえば、YMYL(Your Money or Your Life)分野の情報は、研究が進むとこれまでの常識が一変することがありますし、どちらが正しいかで意見が割れている事柄もあります。
検索エンジンは物事の善し悪しを判断するツールではないため、時として正しさを追求する必要はありませんが、記事には「事象」「根拠」「権威性」をセットで示すことが重要です。
この記事の内容はユーザーの興味を重視して書かれているか、検索上位表示を目的にして書かれているか?
テクニックを重視したSEOを念頭に置くと、現在検索上位表示されている記事と変わらない内容になってしまいます。
Googleは、記事のオリジナリティを評価して、順位付けに加味しています。「オリジナリティがある=独自性がある=ライバルが少ない」の等式は成り立ちやすいはずです。
・人の評価やレビューを書く
・数値を表やグラフを用いて独自に分析する
・どれくらい優れているか代替物で表示する
など
この記事は独自の情報(レポート、研究、分析など)を含んでいるか?
上記通り、独自性のある記事はGoogleのアルゴリズムに好まれます。中でも、客観的な独自性、専門性、権威性が高いと考えられるのは、独自の研究や分析の紹介です。
他にはない数字の用い方や示した数字の受け取り方を紹介すると、記事としての評価は高まります。レポート、研究、分析と言うと難しく聞こえますが、以下程度のものでも独自性は高いと言えるでしょう。
この記事は検索結果で表示される他の記事と比較したときに価値があると言えるか?
何を持って記事の価値があると言えるかは、ひとえに「ユーザーの興味が高いこと」につきると思います。ユーザーの興味が高く、独自性があり、E-A-Tを重視した記事は価値があると言えます。
どのくらいの品質管理が行われているか?
記事の品質管理とは、文法ミスやスペルミスがないか、事実に反する内容はないか、他の記事との重複がないか、正しく引用されているかなどのことです。
何を持ってスペルミス、文法ミスとするかは難しいのですが、検索キーワードに文法ミスやスペルミスがあれば、拾われにくいコンテンツになることは間違いありません。
事実に関する内容も、判断基準が難しいところですが、Googleは情報の正確性を追求するツールではないため、結局のところ今後もE-A-Tの精度を高めることに注力していくのでしょう。
この記事は、内容を多方向から説明しているか?
1つの事象を説明するためには、ある事実を立証するための理論が必要ですが、そこに理論的な反論の余地がないか、複数の見方ができないかなども記載できると良いですね。
とても簡単な例で言うと、ある商品を使うメリットとデメリットを挙げて、「メリットの方が高いから使った方が良い。」「状況に合わせて使うかどうかを決めるべき。」などと結論づけます。
この記事の内容に関して、一般的にオーソリティーだと認識されるか?
こちらもE-A-Tを重視した事項です。専門性、権威性、信頼性は、一朝一夕で高まるものではありません。
そのため、今はオーソリティ(権威性)がある言えなくても、1つのテーマで3年間情報を発信し続けることで、その記事の価値が高まることはあります。
このサイトの記事は外注によって大量生産されたものか?多くのサイトに分散されていないか?
すべての外注による記事生産が悪いわけではありませんが、大量生産によって品質が低くなることがあってはいけません。コンテンツを量産することで、以下が起こりやすくなります。
・文章量が少なくなる
・単語や語彙が乏しくなる
・他サイトの焼き直しになる
また、同じような内容が他の多くのサイトに掲載されていてもいけません。いわゆるコピーコンテンツのことですね。
この記事はよく編集されているか?急いで作られた雑な記事ではないか?
記事の質は公開後でも高められますが、雑に作られた記事を急いで公開してしまうことで、Googleから低評価を受ける可能性はあります。
そのため、何度も推敲してから最初の公開を行った方が良いでしょう。
このサイトの健康関連の記述は、信用できるか?
YMYL分野の情報は、「専門性+権威性=信頼性」がなければいけません。個人的には、正しい機関の正しい専門家の研究結果を引用すれば、単純に専門家が自分の意見を述べているよりは信頼性が高いと思えるのですが、どうもGoogleはそう認識していないと思える節もあります。
そのため、YMYL分野の記事を提供するのは、かなり慎重に考えた方が良いと思います。
サイトの名前を聞いたときに、信頼できる情報源だと認識できるか?
ユーザーが、サイトの名前を聞いただけで信頼できると判断するということは、ある程度のブランディングができていなければいけません。ブランディングは、長期視点で考えなければいけません。
1ページ1キーワードでコンテンツを深掘りする。そのようなページ群を作る。質の高い被リンク・サイテーションを獲得すると同時に、E-A-Tに根差した発リンクをする。発信者(WEBサイト)のSNSエンゲージメントを高める。長期視点でブランディングをする。などなど……。
この記事は、書かれた内容を完全かつ広範囲に説明しているか?
何を持って完全かつ広範囲とするかは、解釈によって異なります。なぜなら、単純に「Googleが定義する品質の高い記事とは?」という内容の記事であれば、「Google General Guidelines(Google検索品質評価ガイドライン)」のすべての内容になるからです。
そのため、「Googleが定義するE-A-Tの意味は?」など範囲を絞ることで、「完全」の方を高めるようにしましょう。広範囲はサイト全体で補うようにすれば良いですね。
この記事は、洞察力のある分析や興味深い情報を含んでいますか?
洞察力のある分析や興味深い情報を提供するために大切なことは、専門性(Expertise)です。必要な情報は一通り網羅したうえで、独自性を追加することで、洞察力があり、興味深い記事を提供できます。
この記事は、ブックマークしたい、友達と共有したい、おすすめしたい内容か?
上記と同様です。洞察力があり、興味深い情報であれば、自ずと情報を共有したくなるはずです。ただし、それを判断するためには、冷静な第三者目線を持っていなければいけません。
この記事は、広告が過剰でメインコンテンツの妨げになっていないか?
広告が邪魔になるかどうかは、コンテンツの量によります。目安としては、Googleアドセンスの自動広告を使うことがベターだと思います(ベストではない)。自動広告での広告数は、体感で1000-1500文字で1個ほどでしょうか。
もちろん広告の多さや広告と記事の関連度合いによっても、ユーザーの広告への感じ方は異なります。
雑誌や百科辞典などの書籍に、この記事があっても不自然ではないか?
本として出版できるかという比喩だとは思います。本は出版にお金がかかり、さらに売れなければいけない媒体です。お金をかけずに情報発信できるWEBよりも、しっかり推敲され、独自性があり、ミスも少ないのは当たり前です。
そのような出版物と比較したときに、自信を持って記事を発信できるレベルまで高めなければいけないということです。
この記事は、短かすぎたり、役にたつ情報が欠けていないか?
短い文章が悪いわけではありませんが、タイトルに対して適切な内容が記載されているか、情報の伝達漏れがないかを確認してください。
このページは、細部まで注意して作られたものですか?
「魂は細部に宿る(神は細部に宿る)」と言います。すべての記事を細部まで何度も見返すことは現実的ではありませんが、ちょっとした表現がユーザーに気に入られたり、引用されたりということがあるため、その重要性はよく理解しましょう。
このページをユーザが見たときに、文句を言うか?
事実と反することで文句を言われるのは、信頼性を失います。そのため、注意を払って作らなければいけません。
ただし、まったく文句が出ない文章を書いてはいけません。世の中に全員一致はほとんどないはずです。文句が少ない記事は、得てして事実しか書いておらず、独自性もなく、ユーザーの興味を惹くこともできません。
良質なコンテンツ=ユーザーに有益な情報
Googleが定める「良質なコンテンツ」とは、ユーザーに有益な情報が書いてあるコンテンツのことであり、昔ながらのテクニック的なSEOを重視したコンテンツのことではありません。
わたしたちユーザーの多くが、検索結果に満足できる有益な情報を求めています。
有益な情報とは、ユーザーが読んで納得する記事、多様な側面から考察できる記事、独自性があり興味深い記事であり、Googleはそのような記事をユーザーがストレスを感じずに検索できる環境を提供しようとしています。
そのため、もし今後もあなたが検索エンジンの上位に表示される記事を作りたいなら、あなた自身が検索して、クリックして、読んだときにストレスを感じない記事を提供するべきでしょう。
検索エンジンという機械が判断するのではなく、人間が判断していることを想定して作った記事は、Googleが定義する質が高い記事と言えるのでしょう。