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「スポーツをすれば高収入に?」という記事の信ぴょう性は?
学生の皆さんは新年を迎え、卒業生たちはそろそろ就職先の準備、そして新しい就活生は就職活動まっただ中の時期ですね。いろいろ不安も抱えていることでしょう。
さて、最近話題なのがスポーツ。冬季ソチオリンピックの話題やブラジルワードルドカップの話題が連日ニュースを賑わせています。
昔からスポーツ選手に当たるスポットライトの一つに、「選手の置かれている環境、それを作り上げてきた精神力」のようなテーマで、背景を特集する番組をよく見ます。
そして、もし彼が○○の社長だったら………、のような喩え話も出てくることがあります。
BLOGOSにも転載されていた、wasting time?さんのアメブロ記事「スポーツをすれば高収入に?」という記事を読んで、本当にスポーツやっていることと、高収入になることが関係するのか推察してみたいと思います。
Stumbling and Mumbling というブログを読んでいたらこういう研究が紹介されていた。
people who play sports tend to go on to earn more, and many bosses (both men and women ) are sporty types.スポーツをしている人間はより所得が高くなる傾向がある。また多くの経営者や幹部職員はスポーツマンタイプだ。
スポーツをやっていた人間ほど労働市場で重宝されるし所得も高いということ。たとえばそのことはスウェーデンの労働市場でも確認できるという。
スポーツをする人がなぜ高収入なのかの要因
まず記事の内容としては、「体育会系の縦の繋がり」だけではない明確な理由を示しています。
①スポーツに取り組む人間は競争心が高い傾向にある。競争心が高い傾向にある人間はよりビジネスにアグレッシブに取り組むし向上心も高い。
②スポーツに取り組んだ人間はコミュニケーション能力や社会力が高まる。
③人間関係。大学の体育会のみならず高校の部活でもそうだし社会人になってからのクラブチームなどでのスポーツ活動でもそうだが、スポーツを通した人脈が築かれることに大いなる価値がある
④労働市場は不完全・シグナリング。実際にどうかはさておきスポーツに懸命に取り組んだことがある人間は学歴が高い人間と同様に少なくとも何かに真剣に打ち込むことに関してはその能力がある(ため、アピールには事欠かないと意訳)。
⑤一方でスポーツを経験した人間は他人の成功をよく思わない傾向もあるらしい。それだけ競争心が強いということの裏返し。
※一部省略していますので、原文は上記リンクから確かめてください。
スポーツをすれば高収入に?を解釈してみる
では、まず①ですが、「より高いレベルで行われるスポーツ」と前提があった方が良いかもしれないです。
競争心や向上心は、取り組んでいる環境レベルが高い方が、より環境に影響を受けやすくなりますし、自分を鼓舞してトランス状態に入りやすくなります。この感覚を持っている人は、自分を高める方法をより簡単に理解できるのかもしれません。
次は②。これはそのままですが、チームスポーツはコミュニケーションを取らなければできませんし、そもそもコミュニケーションをまったく取りたくないのにチームスポーツをやっている人はいないでしょう。
「コミュニケーション能力=仕事の能力」とは言いませんが、世の中の仕事の多くはコミュニケーションを必要とするものなので、切っても切り離せない関係であることは間違いありません。
③は②とほぼ同義ですね。もし違う捉え方をするならば、「スポーツで得た人脈が後でビジネスに活用できる」でしょうか。
たとえば、ラグビーが強い大学、サッカーが強い大学、野球が強い大学を出た人たちが、これらの繋がりで仕事をしていることもあるでしょう。ま、このあたりはスポーツに限らず、学閥というのも多い気はします。慶応とか早稲田とか。
④は真剣に打ち込むための下地をつくることができる、と解釈しました。そして、それが自分をアピールできる材料になり得ると。
シグナリングとは情報の非対称性があるシチュエーションで、情報を持っている側が情報を持っていない(と思われる)側に情報を伝える行為のことなので、アピール能力があるという風にとりました。
⑤は勝つためになんでもやる、という意味合いかと思います。好意的に捉えると、絶対に負けないと思い続けることができるとかですかね。
負けん気が強い、やられたらやり返す「倍返しだ!」みたいな。
もう1つ付け加えるならば
おおむね共感できる内容です。超訳も含みますが。
私がこれにプラスするなら、
⑥スポーツを(真剣に)する人の方が理不尽を味わったことが多い
というものを挙げます。
ちょくちょく味わうのはルールの壁ですね。明らかに「そのジャッジ違うでしょー」というのは普通のことです。
あとはチームであれば、内部対立もありますし、カチンとくる指導を指導者や先輩から受ける場合もあります。
スポーツの醍醐味とはまったく関係のないことですが、このような環境の中で、どううまく折り合いを付けていくか、は必ずつきまとう問題です。「どうあがいても理不尽なことは理不尽なまま」残り続けます。
これって仕事をやっていく上でまんま味わう可能性が高いと思っています。
仕事の本質とは、売上や研究結果などの成果を挙げることだと思いますが、その脇には必ずめんどくさいこと、理不尽だなぁ、ということが付きまといます。
これらを当たり前のこととして、どう自分の気持ちと折り合いを付けるか、いかに精神的負担をかけない(無視する)かはとっても重要で、自分の正義、社会の正義だけでは片付けられないことが多々あります。
ある程度割り切れないと精神衛生上よろしくありません。
スポーツをする人がなぜ高収入なのかを要約する
では、スポーツをしていない人のために、「スポーツをする人がなぜ高収入なのか?」から、身に着ける点を要約します。
スポーツをする人がなぜ高収入なのか要約
1.競争心を高く持って、ビジネスにアグレッシブに取り組もう
2.コミュニケーション能力や社会(適応)力を養おう
3.とにかく人脈をつくるといろいろうまくいく
4.真剣に打ち込む下地を作って、積極的にアピールしていこう
5.絶対に負けない、あきらめない気持ちを持とう
6.理不尽なことは当たり前、切り替えたり、無視して乗り切ろう
ビジネス書とか自己啓発本のようなまとめになってしまいましたが、これを完璧にできたら高収入になるのは当たり前ですね。
スポーツを通して社会を体験することが重要
必ずしもスポーツである必要はないのでしょうが、この「スポーツをすれば高収入に?」は、スポーツを通して体験することが、社会に出てから体験することに似ているということを表しています。
つまり、スポーツに真剣に取り組んできた人は、スポーツをやっていない人に比べて、社会に出る前の慣れと耐性を付ける機会があった、ということになります。
というわけで、単純に「社会への慣れと耐性を身に付ける」が高収入になる要因ではないか、という推察結果となりました。
先ほど上げた6つのポイントを完璧にできなければ高収入になれないという話でありませんので、スポーツをやってこなかった人も気負わず、まずは環境に慣れて、「あーこんなもんなんだー」と早めに思えるようになると良いんでしょうね。