ビットコインまとめ1兆3000億円市場ビットコインは貨幣価値を変えるか?

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にわかに広がるビットコイン

みなさん、「Bitcoin(ビットコイン)」ってご存じですか?

ビットコインは一言で言うと「お金」です。オンライン決済や送金などに使われる通貨のことで、手数料の安さや通貨価値の普遍性を背景に世界各地で急速に普及しています。

現実世界ではなく、インターネット世界で作られた「お金」であるため、ビットコインのことを「仮想通貨」と説明する場合がありますが、使い方は「電子マネー」、位置づけは「金(ゴールド)」に近いと思います。

ビットコインは個人間で直接取り引きでき、銀行を経由する必要がない通貨です。そのため手数料が非常に安く、口座を凍結されるなんてこともありません。手に入れたビットコインは、デジタルウォレットという口座に該当する場所に貯蓄することができます。

今、現実世界でこのビットコインが急速に利用され始めています。利用者は世界で数百万人。ビットコイン市場は1兆3000億円近くになります。

ビットコインを利用できる店舗も徐々に増えており、利用可能店舗はこちらの「Coinmap(コインマップ)」に登録されている店舗数で1500店舗(2013年12月現在)です。

日本ではまだ少ないですが、六本木のレストラン「ピンクカウ」、南青山にあるブラジリアン柔術の道場「CARPE DIEM」、赤坂のウェブコンサルティング会社「シンク・イメージ」、京都のエステサロン「YOSA PARK 祝園西店」、神戸の手作りワッフルのお店「ワーフルハウス」が「Coinmap(コインマップ)」に登録されています。

もちろん、「Coinmap(コインマップ)」に登録されていない店舗もあるでしょう。

また、学校で学費の代わりにビットコインを使用できたり、すでに「ユーロ」や「ドル」、「円」と交換ができるように市場が整備されてきています。

参考:
ビットコイン価格が一時的に金価格を上回る$1,240へ チャイナ・テレコムがビットコインでの支払いOK ビットコインでの支払いができる店舗は過去1カ月余りで倍増

猫も杓子も金相場と言っていたのが少し前ですから、一気に来た伏兵という感じです。このように、ビットコインは急速に利用シーンを増やしています。

なぜ、今ビットコインが話題になっているのか?

ビットコインが今話題になっているのは理由があります。

その際たるものは、ビットコインの価格(価値)が急騰している、ということです。ビットコインはBTCという単位が使われます。「1BTC=○○円」という考え方です。

参考:
ビットコイン価格推移10年7月-13年3月

まずはこちらのグラフですが、2010年7月-2013年3月のものです。やはり一番目を引くのは、2010年時点ではほぼ無価値に等しかったビットコインが、2013年3月には100ドルという高騰をしたことでしょう。

もう少し短いスパンで見てみると、2011年6月の32ドルから11月にかけて、94%も暴落をしています。その時のビットコインの価値ははわずか2ドルにまで落ち込みました。

その時は、「あー、ビットコイン終わったな」という雰囲気だったのですが、その後とてつもなく伸びています。

ビットコイン価格推移13年7月-13年12月

次にこちらのグラフ、2013年7月-2013年12月のものです。先ほどのグラフでもインパクト大だったのですが、こちらも凄まじい。

2013年3月から7月にかけて、おおよそ130ドルにまで推移していた1BTCの価値が、10月から11月にかけて高騰をし始め、12月には10倍の1200ドルにまで達しています。

2011年6月の大暴落では吐いた人もたくさんいるでしょう。なんせ94%も暴落しているわけですから。ところが2ドルから1200ドル!600倍です。2年で1万円が600万円に化けてしまったのです。

有名な話として、Facebookの創立に関わった(?)ウィンクルボス兄弟が、自分たちのベンチャーキャピタル「Winklevoss Capital」を通してビットコインに投資しています。2013年4月の時点でビットコイン総流通量の1%を所有、これは当時のビットコインの価格で1100万ドル(約11億円)でした。現在のビットコインの価値に換算すると1300億円!!!ということになります。

このように、投機マネーが流れ込んでいることもあり、ニュースに取り上げられているビットコインですが、今後その価値がどのように推移するかは誰にもわかりません。

ビットコインの相場情報はこちらから。現在のビットコインの価格は「1BTC=1000-1200ドル」で推移しています。
Investing.com

そもそもビットコインとは

ビットコイン構想は、2008年に「中本哲史」という日本人の論文に端を発しています。この論文に賛同した世界各国のプログラマーたちが集い、作られた電子マネーがビットコインです。

※中本氏(仮名)に関してはこのようなニュースもあります
Bitcoin発明者「中本哲史」1000億円長者に

先に話したとおり、ビットコインは「お金」つまり貨幣です。

通常、貨幣の流通量は国ごとにコントロールされており、まず自国内における物品との需給関係によって相対的に自国内での貨幣価値が決まり、更に諸外国との通貨取引によってグローバルにおける貨幣価値が決まってきます。

ただし、国はその時々の景気状況によって貨幣の需給バランスをコントロールすることで、貨幣価値を上げたり、下げたりすることがあります。基本的には、貨幣価値に物品の価値が引っ張られすぎることを防ぐためです。インフレ誘導やデフレ誘導と言われるものです。

不良債権問題や金融資産価値の話も絡んできますが、表面的な理由として、需給バランスのコントロールのみ定義しておきます。

ちなみに需給バランスをコントロールする方法は、日銀から銀行への貸し出し利率の変更であったり、市場介入であったり、時には紙幣の発行であったりします。

このように、貨幣価値は市場の流れに任せてはいるものの、局面毎に国の介入が存在します。極端な言い方をすると、貨幣価値を決める貨幣の流通量は国によるお手盛りが含まれるということです。


ところがビットコインは違います。

ビットコインの特徴1.国の介入が存在しない

ビットコインは国毎に発行しているわけではありません。そのため、国毎に価値が変わるということはありません。1ドル=100円という表現のように、「アメリカの1BTCが日本では100BTCの価値」とはならないのです。

ビットコインの特徴2.マネーの総量はルールによりコントロールされる

ビットコインの流通量はルールにより自動調整されており、意図的に拡大縮小することはありません。下図のように流通量を増加させ、最終的には「20,999,999.9769 BTC」が総量に設定されます。つまりここまでは今後も増え続けるということになります。
ビットコインの埋蔵量、総量グラフ

ちなみに現在のビットコイン総量を知りたい場合は、ここから確認して下さい。
2013年12月5日現在「12078000.00000000」となっています。

ビットコインの特徴3.ビットコインの価値は市場に一任されている

ビットコインの価値は、上記1、2の特徴から市場が決めることになります。基本的には何らかの意図は存在しません。人々が価値があると思えばBTCの価値は向上し、価値がないと思えば下落します。


このように、ビットコインは通常の貨幣とは全く違うルールを持って存在しているのですが、先に述べた通り、位置付けは「金(ゴールド)」に近くなります。採掘技術にもよりますが、金は埋蔵量という上限があります。その上限も見越したうえで、市場に任せる形で価値が決定しています。

また、金は誰もが価値があると信じています。国や機関が金の価値を担保しているわけではありません。つまり「意図的に価値を変動させることができないという価値」があるということです。

こういった要素が、ビットコインの価値を高めている要因の一つとなっています。

ビットコインの信用力と価値の担保

誰もが、お金はほしいと思います。欲しいというわけじゃないよ、という人もお金がなければ困るはずです。では、100万円分の「円」と100万円分の「電子マネー」どちらが欲しいと言われたら?

恐らく「円」を選ぶ人の方が多いでしょう。

100万円分の「円」と100万円分の「ドル」どちらが欲しい?でも結果は同じだと思います。

理由は「日本国内であればどこでも利用することができるから」、もしくは「同じ100万円でも貨幣の方が信用できるから」なのではないかと思います。

「お金」の価値は、自分が必要であるものと交換できることにあります。現在の日本に住んでいる限り「円」ほど色々な物品、サービスと交換できて、更にその価値が保証されているものはありません。

では、保証は誰がしているのか?

日本国です。世界の経済大国である日本が、その信用力で「円」の価値を担保しているから価値があるのです。「円」であれば「ドル」にも「ユーロ」にも「元」にも交換できますよね。

逆に、「この100万円分の「アフガニ」をあなたが持っている100万円と変えてくれないか?」と言われて変える人はほとんどいないですよね。50万円でも嫌です。もちろん日本で「アフガニ」が使えないということもありますが、そもそも信用力のある通貨との交換が困難なためです。

※「アフガニ」はアフガニスタンの通貨


それでは、ビットコインは誰が保証し、どのような信用力があるのでしょうか。

答えは「誰も保証していないし、信用力は変動する」です。

世界的な金融危機の余波のせいで、各国の信用が大きく崩れました。顕著だったのがEU諸国です。キプロスは100億ユーロ(約1兆2500億円)を支援されることになりましたが、強行的な課税や締め付け対策を余儀なくされました。

これにより、「預金封鎖」を案じたキプロス国民は預金の引き出しに殺到します。いわゆる、取り付け騒ぎです。

この時期が2013年3月です。つまり、ビットコインの価格が高騰しだしたのはキプロスを始めとする、ヨーロッパ諸国の危機が大きく関係していると言えるわけです。「ユーロ」の価値が下がることで物が買えなくなることを恐れた人たちは、「ユーロ」をより信用力の高い代替物に変えようとします。

それが「金(ゴールド)」であり、可能性を秘めたビットコインであったわけです。

この時期から現在まで、ビットコインの価格は上がり続けています。また、ビットコインの取引量や取り引きを行うためのクライアントソフトのダウンロードが欧州諸国のキプロス、ギリシャ、スペインなどで急増しています。

利用者が増え、取り引きが増えれば、相対的にその価値は上昇します。更に、ビットコインを利用できる場所が増え、より情報が流通するようになります。利用する人が増え、利用できる場所が増えるということは、人がその価値を信用する事に繋がります。

このような信用のされ方は、「金(ゴールド)」と同じ原理です。

ビットコインの総量コントロール

ビットコインの総量コントロールはどのように行われているのでしょうか。

ビットコインの埋蔵量、総量グラフ

ビットコインには「採掘」という概念があります。鉱物を採掘することと同様の意味合いを持ちます。上記、流通総量グラフの通り、1年間の採掘量及び最終的な総量には上限があり、だれでも採掘に参加してビットコインを得ることができます。

ビットコインはブロック単位で平均10分おきに生成され続けています。そしてビットコインの採掘をしようとする人数の増減具合により、生成までの難易度が変化するアルゴリズムが組まれています。

つまり、採掘する人が少なければビットコインを手に入れやすく、採掘する人が多ければ時間がかかり、手に入りにくいということになります。

採掘には「miner」という無償のアプリケーションが使われるのですが、人が増えるほど処理が複雑になるため、パソコンの処理スペックが必要になります。海外では採掘用にグラフィックボードが販売され、自作の高スペックパソコンでビットコインを獲得しようとする人もいます。

初期は採掘によって発見しやすく、徐々に採掘が難しく、人が増えると取り分が減少していく様は、まさしく「金(ゴールド)」の採掘に似ていると言ってよいでしょう。

ビットコインの闇

このように、国や機関の思惑を交えず純粋な価値観で変動する未来の通貨と考えられるビットコインですが、色々な問題を抱えていることも事実です。

下記のニュースは、ビットコインの取引額が多くなればなるほど増えてくる犯罪でしょう。ビットコインの演算を解くよりは、ビットコインが入っている「銀行」を狙うほうが簡単というわけです。

電子マネー「Bitcoin(日本語版記事)」の欧州最大の取引所をうたう企業が、100万ドル相当のBitcoinを盗まれる組織的犯罪の被害にあったと発表した。
参考:
「銀行強盗」が相次ぐ仮想通貨:被害額も巨額に


すでにビットコインはバブルだと言われています。あのグラフを見ればだれでもそう思うかもしれません。しかも、史上最悪のバブルの可能性が高いという指摘もあります。

参考:
「ビットコイン」が1000ドルの大台乗せ、バブルとの指摘も
ビットコインは史上最悪のバブル崩壊を引き起こしてしまうのか?

ビットコインは利用者の信用で価値が変動します。つまり、今のビットコインの価格が「バブル」だと認識されてしまえば、あとはただのババ抜きになってしまいます。

そして、その徴候はとっくにでていると専門家が指摘しています。


ビットコインの一番の正義は悪にもなり得ます。それは、ビットコインの機密性です。持ち主や、利用の際の個人を特定することができず、国や銀行の干渉を受けることもないため、麻薬取引、人身売買、偽造パスポートなど、簡単に国際犯罪に利用されてしまいます。

先日、野放しにされていた違法ドラッグ販売サイト「Silk Road(シルクロード)」がようやく摘発されました。このようなサイト、商売はまだまだ存在しますし、今後も出てくるでしょう。

「Silk Road(シルクロード)」の管理者がシルクロードのフォーラムやサイトに投稿を始めたのが2011年1月からなのですが、これはビットコイン価格が急騰する時期とぴったり重なっています。

先ほど、ビットコインの高騰、拡大を金融危機と照らし合わせましたが、このような犯罪も拡大に一役買っている可能性があることは無視できません。


中には笑えない可哀想な話もあるんですが、恐らくニュースになっていないだけで、億単位の金額がどこかに眠ってしまっているのでしょう。

2013/12/04「NHK NEWSWEB」
捨てた仮想通貨は7.5億円相当

ウェールズ地方に住むある男性が誕生間もないビットコインを保存していたハードディスクのことを忘れて、捨ててしまったのですが、ビットコイン相場が急騰し思い出したとのこと。7.5億円ですよ!!!!!

ビットコインは今後どうなるのか

このようにビットコインは正の面も、負の面も持ち合わせています。得をしているから、損をしているからではなく、安定した正しい利用がなされるような未来の貨幣として存在していけるのかは、まだ疑問です。

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