ジブリ作品興行収入一覧と興行収入推移グラフを見てみる

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「かぐや姫の物語」が11月23日(土)公開

高畑勲監督作品「かぐや姫の物語」が2013年11月23日(土)から全国456スクリーンで封切られました。

今年は「風立ちぬ」も合わせて2作品が公開されるという、スタジオジブリとして初めての試みです。「風立ちぬ」は「崖の上のポニョ」以来の興行収入100億円超え(約120億円)を達成しました。この勢いで「かぐや姫の物語」もヒットするのでしょうか。

今回は、これまでのジブリ作品の興行収入の一覧と推移を見ながら、ジブリの戦略やブランディングを考察してみたいと思います。

ジブリ作品の興行収入一覧表と興行収入推移グラフ

作品 公開年度 興行収入 観客動員
風の谷のナウシカ 1984年 14.8億円 91万人
天空の城ラピュタ 1986年 11.6億円 77万人
となりのトトロ 1988年 11.7億円 80万人
魔女の宅急便 1989年 36.5億円 264万人
おもひでぽろぽろ 1991年 31.8億円 216万人
紅の豚 1992年 47.6億円 304万人
平成狸合戦ぽんぽこ 1994年 44.7億円 325万人
耳をすませば 1995年 31.5億円 208万人
もののけ姫(興行収入第3位) 1997年 193億円 1420万人
ホーホケキョ となりの山田くん 1999年 15.6億円 115万人
千と千尋の神隠し(興行収入第1位) 2001年 304億円 2350万人
猫の恩返し 2002年 64.6億円 550万人
ハウルの動く城(興行収入第2位) 2004年 196億円 1500万人
ゲド戦記 2006年 76.5億円 588万人
崖の上のポニョ 2008年 155億円 1200万人
借りぐらしのアリエッティ 2010年 92.5億円 750万人
コクリコ坂から 2011年 44.6億円 355万人
風立ちぬ 2013年 120億円 1000万人?

※「火垂るの墓」は「となりのトトロ」同時上映のため含めず

「風立ちぬ」は興行収入が120億円ほどとのことなので、観客動員はおよそ1000万人と予想できます。興行収入推移グラフこうしてみると、「千と千尋の神隠し」や「もののけ姫」などの後期代表作はさておき、ジブリの代表作と言っても良い「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」の興行収入が「ホーホケキョ となりの山田くん」に負けているという事実。

「ゲド戦記」でさえ「風の谷のナウシカ」の5倍の興行収入をあげています(こんなことを言って良いかわかりませんが…)。

意外だったのは、「もののけ姫」よりも「ハウルの動く城」の方が興行収入多いということ。「千と千尋の神隠し」第1位、「ハウルの動く城」第2位、「もののけ姫」第3位でした。

ジブリ作品の興行収入からわかること

ジブリ-となりのトトロが映画を見てる
Movie Night / isherwoodchris

上記で触れている通り、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」は今でも大人気作品で、この中のどれかが一番面白い!という意見もしばしば聞かれます。

それでも興行収入で考えると「千と千尋の神隠し」とは30倍近い差があります。これは、映画のできや面白さに30倍の差があるということでしょうか。「そうだ」と答える人は殆どいないでしょう。

ジブリ作品の流れが明らかに変わったのは「もののけ姫」からです。プロデューサーに鈴木敏夫氏を据え、企画、宣伝、興行全てにおいて鈴木プロデューサーが取り仕切り、徹底的なメディア戦略を行ったそうです。

それまでは、アニメ=子どもが見るものといった図式を「大人でも楽しんでみることができるエンターテイメント」としてメディア戦略を展開したことで、その認識が周知されたと言えるでしょう。

一定の認知を超えると「ブランド」を確立することができます。後はブランディングされた一定の質を持った作品を市場に投下していくだけで、ある程度の話題性とそれに伴った売上が見込めるということになります。

つまり「もののけ姫」のメディア戦略がなければ、「千と千尋の神隠し」の世界的ヒットはなかったかもしれません。それどころか、ジブリそのものがここまで有名になることはなかったかもしれません。

ただし、一定の認知を超えたブランドは、市場から厳しい良し悪しの判断をくだされる土俵に立たされるということも忘れてはいけません。もののけ姫以降、興行収入の波が激しくなっていますが、これは市場がその作品に対して良し悪しを判断しているためです。

どれだけ作り手に思い入れがあったとしても、どれだけお金をかけたとしても、興行収入が振るわなければ、それは市場から「悪い」と判断をされている事になってしまうわけです。

このように、改めてブランディングが重要だということが分かりましたし、「良いものつくるだけでは認知してもらえない」ということをジブリから学ぶことができました。

(追記)かぐや姫の物語興行収入

8年の歳月をかけ、製作費50億円をかけた大作という触れ込みの「かぐや姫の物語」ですが、「風立ちぬ」初日の25.4%稼動だという噂です。

このまま行くと、興行収入で30億、観客動員数で200-250万人程度となり、「耳をすませば」程度、「平成狸合戦ぽんぽこ」(44.7億円、325万人)、「コクリコ坂から」(44.6億円、355万人)よりも下になってしまいます。

大盛況って煽ってるのに…。

(11/24追記)

「風立ちぬ」の初日+2日目の観客動員数は75万人だったそうです。なので、本当に上の数値通りなら「かぐや姫の物語」は初日+2日目の観客動員数が20万人前後と予測されます。

ただし、「風立ちぬ」の初日+2日目は「崖の上のポニョ」の127%だったそうで。そう考えると興行収入50億円位は行くのかな、とも考えられますが、これは最終結果が出るまでわかりませんね。

(11/27更に追記)

公開から2日間の成績は、動員22万2822人、興収2億8425万2550円でした!このまま推移すると、20億~30億円の興行収入になる見込みだそうです。

これは「おもひでぽろぽろ」、「耳をすませば」以下です。

シネマトゥデイでは「土日2日間で動員22万2,822人、興行収入2億8,425万2,550円を記録する大ヒットスタートとなった」と書いてあるんですけど、この評価ってどうなんでしょうね。