逆SEOとは
逆SEOとは、対象ページの検索順位を下げる行為、または対象ページ以外のページの検索順位を上げる行為のことです。ページの検索順位を上げることを目的としたSEO対策とは逆のため、リバースSEOとも呼ばれています。
世の中には、自分の情報が掲載されたページを見られたくない人がいます。そのため、逆SEOの需要は以外なほどあります。
そんな逆SEO対策に、あなたのサイトが巻き込まる可能性はゼロではありません。
- 元々の逆SEOの意味・役割
- 逆SEOに効果はある?6つの方法
- 気をつけるべき逆SEOと対処法
- 逆SEOは本当に必要なのか
- 今後は逆SEOも効果がなくなっていく
それでは早速見ていきましょう。
元々の逆SEOの意味・役割
逆SEOは、匿名掲示板での企業の風評被害対策の1つとして始まりました。風評被害対策とは、掲示板などの監視、風評被害発言の削除申請、そして逆SEO対策です。
たとえば、会社や個人に対する誹謗中傷や名誉毀損が書かれたWEBページが上位表示されていると、大きな迷惑を被ったり、被害を受ける企業や人がいます。そのため、わざと索順位を下げる施策を行います。
そこから、ライバル企業の検索順位を下げる方法に使われたり、犯罪者が自分の前科を隠すために使うようになりました。以下のように。
犯罪者による前科隠しの逆SEO対策は予想以上に数が多いことが判明 – 楽しくないブログ
逆SEOのことを知って、「ライバルに逆SEOすれば……。」と考えた人もいるでしょう。ただ、本当に逆SEOには効果はあるのでしょうか。
逆SEOに効果はある?6つの方法
逆SEOは、SEOの知識さえあれば、その逆を行えば良いだけなので、比較的簡単に行えます。
- 該当ページより上位表示するページを大量作成し、相対的に順位を落とす
- コピーページを大量作成し、該当ページに大量の被リンクを貼って評価を下げる
- 該当ページのコピーページを大量作成し、検索エンジンにスパムだと認識させる
- 該当ページをクラックしてウィルスを仕込み、検索エンジンの評価を下げる
- Googleに該当ページを不正なサイト申請して、インデックスから削除する
- 該当ページのライバルに優良被リンクを貼り、相対的に順位を落とす
該当ページより上位表示するページを大量作成し、相対的に順位を落とす
該当ページより上位表示するページを大量に作成し、長期にわたって上位表示をさせるのはとても難しいはずです。
しかも、相当コストがかかるため、あまり現実的な方法ではありません。
コピーページを大量作成し、該当ページに大量の被リンクを貼って評価を下げる
これは3つの結果が考えられます。
- 低評価ページからの被リンクのため、思惑通り該当ページの評価が下がって順位が落ちる
- 被リンクが低評価を受けなかったため、該当ページの順位が一時的にせよ上がってしまう
- 低評価なページからの被リンクが無視されて、該当ページの順位は何も影響を受けない
今後のGoogleの対応は、低評価・評価に値しないリンクは無視する方向性なので、3番目になるかなと思います。つまり、この逆SEO対策は意味がなくなるということです。
該当ページのコピーページを大量作成し、検索エンジンにスパムだと認識させる
この方法は、該当ページがいつ作られたページなのかも影響します。比較的新しく作られたページだとスパム認定されることもありますが、古いページだと後から作られたコピーページのみがスパムと認識される可能性が高くなります。
該当ページをクラックしてウィルスを仕込み、検索エンジンの評価を下げる
もし可能であれば、これは厄介です。クラックと書きましたが、もうひとつはウィルスを仕込んだサイトリンクを踏ませ、感染させる方法です。これはGoogleアナリティクスなどから辿ることで可能になります。
怪しい被リンクはむやみにクリックしない方が良いですし、明らかなスパムサイトからの被リンクはリンク否認ツールを使って、拒否した方が良いでしょう。
Googleに対して該当ページを不正なサイト申請して、インデックスから削除する
スパムページとしてGoogleに申請する方法ですが、該当ページがまっとうな運営をしていれば、まったく影響を受けることはありません。
Search Console – ウェブスパムが見つかりましたか?
該当ページのライバルに優良被リンクを貼り、相対的に順位を落とす
これは「該当ページより上位表示するページを大量作成し、相対的に順位を落とす」に近く、やや実行しやすい手法だと思います。ただ、優良な被リンクを用意することがどれだけ難しいかは考えればわかります。
気をつけるべき逆SEOと対処法
さて、あまり効果が高いとは言えなそうな逆SEOの方法ですが、1つだけ注意するのは「コピーページを大量作成し、該当ページに大量の被リンクを貼って評価を下げる」です。
あえてコピーページと書きましたが、これはリンク業者から有料リンクを買って、該当ページに被リンクしても良いわけです。実行されると、数千単位の質の悪い被リンクが一気に貼られてしまいます。
- 有料の被リンク・購入した被リンク
- 関連性がないコンテンツからの被リンク
- ディレクトリ型検索エンジンからの被リンク
- プレスリリースサイトからの被リンク
- 大量に生成された被リンク
以前よりも被リンクの評価が相対的に低くなったとは言え、逆SEOでの被害報告は今でもよく見かけます。
面倒ですが、Googleサーチコンソールやahrefsなどのツールで被リンクを定期的に調べて、怪しいリンク元を見つけた場合や大量に被リンクが増えていた場合は、リンク否認ツールを使って申請するのが良いと思います。
逆SEOは本当に必要なのか
わたしの知人の話ですが、ある事件に巻き込まれて冤罪で加害者認定されてしまいました。しかも、地方テレビでも実名報道されました。
その人は、真面目に商売をしている普通の人です。後に冤罪とわかって警察やテレビ局から謝罪されたのですが、一度流れた情報は取り消すことができず、WEB上に拡散されました。
拡散された不名誉な情報は、これからもネットデブリとして残り続けます。
これらの書き込まれた情報があるWEBサイトや掲示板などをあたり、おおよそ削除した上に、すでに管理者がいない自動ニュースサイトやデータ削除を断るサイトに対して逆SEOをした場合、1,000万円以上費用がかかると言われたそうです。
その人は、商売に支障が出ると困るという理由で、業者に仕方なく1,000万円支払ったとのこと。話を聞いたのは、すべて済んでからです。
犯罪者の過去のネガティブ情報、ライバルを蹴落とす目的の逆SEOはいらないと思います。
ただ、冤罪は一度情報が流れてしまうと取り返しがつきません。また、妬みなどによる企業や個人の誹謗中傷も同じです。
間違った情報を流したマスコミやメディアは、何もしてくれません。ましてや、情報を拡散した人たちは、謝りもしません。
そのため、効果があるなら、必要な人もいるのだろうと感じた話でした。ただ、逆SEOをお願いすると高いですけど。
今後は逆SEOも効果がなくなっていく
おそらく今後は、逆SEOも効かなくなっていくと思います。その証拠に、以前は被リンクによって順位の上下が割と簡単に行えましたが、今はそこまで簡単ではありません。
たとえば以下のような質の悪いリンクは、ペナルティではなく無視をするという流れにシフトしているようです。
- 有料の被リンク・購入した被リンク
- 関連性がないコンテンツからの被リンク
- ディレクトリ型検索エンジンからの被リンク
- プレスリリースサイトからの被リンク
- 大量に生成された被リンク
逆SEOは難しくなってきているため、簡単にできると謳っている業者には注意が必要です。
どちらにしても、ユーザーのためにコンテンツを作成し、ホワイトハットで運営しているサイトが逆SEOによる被害を被ることはなくなっていくはずです。