楽天チェック特徴とスマポとの違い、今後O2Oに期待できること

スマポを残したまま楽天チェックが登場

2013年10月、なぜスマポが楽天に買収されたか(※元記事は削除済み)、という記事を書きました。

楽天によるスマポの買収の狙いは、楽天市場のO2O強化だったことは言うまでもありません。

また、PontaとTポイントの比較記事で、楽天スーパーポイントがポイント市場に本格参戦することにも触れました。

本来、楽天のビジネスモデルは、ショッピングモールである楽天市場に登録した事業者から出店料を得ることです。

ところが、Yahoo!JapanとSTORES.jpの提携によるECサイト出店ハードルの低下やフリマアプリの流行によって、消費者のチャネルが増えたことにより、大きな危機感を持っているはずです。

もちろん、Amazonには近年押されっぱなしです。

話を元に戻してスマポですが、これは今後、楽天市場の出店者に対して、大きく展開されていくものだと思っていました。

あれだけ話題になったアプリですし、スマホでポイント、略してスマポも覚えやすいですね…。

ところが、

楽天は、共通来店ポイントのスマポがありながら、別アプリとして「楽天チェック」を2014年4月2日から提供しだしました。

スマポと楽天チェックに違いはあるのでしょうか?

また、今後、楽天のO2Oへの取り組みで何が期待できるのかを見ていきたいと思います。

楽天チェックとは?

楽天チェックとは、来店時にチェックインすることでポイントがたまるポイントサービスで、iPhoneアプリ、Androidアプリの楽天チェックをスマホにインストールして使います。

開くと楽天チェックを利用できるお店が並んでいるので、近くに行った時にでも立ち寄ってみましょう。

では、使用方法についてご説明しましょう。

楽天チェックの使い方1.加盟店を確認する

加盟店は、アプリ上でこのように地図から見ることも可能です。

楽天チェック

楽天チェックの使い方2.加盟店で画面を開く

店内の指定の場所に移動して画面を開きます。レジカウンター付近、がこの店舗の指定の場所です。

楽天チェック

楽天チェックの使い方3.指定の場所でチェックイン

指定の場所でここの丸ボタンを押すだけ!

楽天チェック

楽天チェックの使い方4.ポイントを獲得!

10-30ポイントの楽天スーパーポイントを獲得できます。


マイクをオンにしていなければこのような画面が出ます。
楽天チェック


楽天チェックは超音波で来店チェックをしています。なので、マイクをオンにする必要があるんですね。

楽天チェック

スマポと楽天チェックの違いは?

似たようなサービスに思えるスマポと楽天チェックの違いは何でしょうか?

スマポと楽天チェックの違い1.一番の違いは、お店でチェックした時に貯まるポイント

スマポはスマポポイント楽天チェックは楽天スーパーポイントとなっています。

利用者が多く、知名度の高い楽天スーパーポイントを貯められることに魅力を感じるユーザーも多いでしょう。

しかも、1回のチェックで30ポイントとなると、楽天市場で3,000円相当の買い物をしたことと同じです(利用シーンによる)。

スマポと楽天チェックのポイント交換はできるのか?

せっかくなら、スマポポイントを楽天スーパーポイントに変えたい人もいるでしょうが、残念ながら交換はできません。

スマポと楽天チェックの違い2.楽天IDと連携している

楽天チェックは、楽天IDと連携しているため、楽天IDさえ持っていればログインも簡単です。

上記通り、楽天スーパーポイントが貯まるので、楽天グループ内で自分が現在保有している楽天スーパーポイントを確認することも可能です。

スマポは楽天IDとの連携はできません。

スマポと楽天チェックの違い3.性別や年令、地域を絞って誘導できる

楽天IDと連携しているため「20-30代女性で関東在住の楽天会員」など、属性を絞って来店をうながすことも可能です。

これで、加盟店にとっては、ターゲット以外のポイントゲッターが排除できるという寸法。

スマポにこのような機能はありません。

なぜスマポを残したまま楽天チェックがリリースされたか

単純に予想するしかないのですが、

1.スマポにはすでに顧客が付いており、単純に楽天チェックの顧客にはなり得ない

2.スマポにはすでにユーザーがおり、スマポポイントが付与されてしまっている

3.O2Oを急ぎたい楽天は、上記1、2のマージをするよりは、先行して楽天チェックを進めたほうが楽

4.後から徐々に統合していけばいいかな…

ということで、スマポの仕組みがわかった楽天は、先行者メリットを獲得するため、どんどん進めていきたいのではないかと思います。

もちろん、スマポを買収しなくても、楽天であれば単体でO2O事業は行えたはずです。

次に、スマポを買収した理由を予想してみます。

楽天がスマポを買収した理由
1.すでにあるリソースで開発をショートカットしたかった
2.開発知識と事業ノウハウを持った柴田氏が必要だった
3.スマポ自体が注目されていたので、買収なしで参入すると見栄えが悪かった
4.先行者のスマポを無力化させたかった

全部なのかな…と思っています。

楽天チェックという名前にしたのも、楽天は冠を重要視する企業ですし、代理店の営業に楽天ネームが有利に働くためでしょう。

楽天がO2Oを活用できる4つの理由

楽天チェックは、サービススタート時から、パルコやプランタン銀座、紳士服のはるやま、など30社以上、全国1112箇所で開始しています。

楽天がO2Oを始めることによって、考えられるメリットは以下の通りです。

1.楽天グループが抱える9,000万人のユーザーを実店舗へ送客できる
2.楽天市場が抱える実店舗に対して、すぐにサービス展開ができる
3.実店舗でも楽天スーパーポイントが貯まるようになる(後述)

参考:
楽天のO2O参入理由とは?出店者満足が400億円の維持につながる

これにもう一つ加えるとしたら、

4.楽天市場が抱えるオンライン店舗よりも実店舗の方が多く存在する

楽天にとって、今後の広がりを考えると、実店舗への進出は楽天スーパーポイントとともに強化していく必要があります。

たった約30社で1112箇所(店舗)ですから。

しかも、楽天チェックは1来店に対して、成果報酬でお金が支払われる仕組みです。

スマポの実績をベースに考えてみると、

スマポの実績
1.ユーザーには10~30ポイントが支払われる
2.店舗からは1来店あたり50円~80円を売り上げる
3.多い店舗では1カ月に1万人を送客できる

平均70円×1000人来店(仮)×1112店舗×12か月=924,000,000+初期費用

スタートの段階で年間10億円の売上が見込めることになります。

楽天が目指すのはグローカル

年間10億円の売上が見込めるとは言いましたが、スタート段階で店舗からどれ位集めているかはわかりませんし、ユーザーを集めるためのコストもかなり使っているでしょう。

来店誘導自体は、すでにスマポで実績があるので、楽天にとって、全国でのべ100万人以上/月(1112店舗×1000人)の送客は難しくないはずです。

今後楽天がO2Oで期待することはグローカルです。

グローカル化とは
1.地球規模/多地域での展開を目指しながらも、地域の法律や文化に応じる形で提供される製品やサービス。
2.インターネットなどの電子コミュニケーション技術を活用し、地球規模/多地域の基準の下で提供される地域限定のサービス。
3.地域の文化や需要に応じるために、世界的な企業が設立する現地法人、など。

いくら、インターネットが広まったとはいえ、EC市場(9兆円)とオフライン小売市場(140兆円)を比べると、まだ15倍以上の開きがあります。

今後もEC市場は広がっていきますが、オフラインでなければ売れないものや、出かけた際に立ち寄って買い物をするというシチュエーションがなくなることはないでしょう。

ところが地方の小売の大部分が疲弊し、その助けをオンラインにもとめているのが現状です。

楽天のようなビッグプレイヤーがO2O市場に参入することによって、地方の活性化に貢献できるかもしれません。

そして、楽天もその方向性を目指しているはずです。

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