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SEO業界を激震させたオーサーランクのうわさ
何日か前に、Googleの被リンク構造がオーサーランク構造に変わる!という記事がネット界隈を賑わせていました。
とりあえず記事にリンクはしないとして、タイトルは以下の通り。
【速報】Google「被リンクからオーサーランクに移行する」SEO業者全滅か!?
現時点で1.8万いいね!、2700ツイートという拡散ぶりです。
かくいう私も友人からこんな記事あるよ、と紹介されて見た口で、「げっ!」と思わず口走った程衝撃的な記事でした。
先日、以下の件でGoogle様に悩まされたばかりだったのに、嫌だなー嫌だなー、と思っていましたが…
参考:
何という改悪!Google結果表示変更によるタイトルの特徴
最新Google検索結果のタイトル表示ルール、押さえないとやばいよ
どうやら勘違いかもしれない…ということで、いろいろと調べてみました。
もちろん私がGoogle様に悩まされた上記の件も、数日後には変な表記が修正され、(多少影響はあったと思いますが)各所の表示変更も完了したようです。
それでは、噂のオーサーランクとSEO業界に影響を及ぼすかもしれない検索エンジンの評価変更のお話しをしていきます。
Author Rank(オーサーランク)とは
話題のAuthor Rank(オーサーランク)とはいったい何のことでしょうか。
Author Rank(オーサーランク)はGoogleの検索アルゴリズムのひとつで、WEBサイトのオーサー(著者)の評価を示す。
Author Rankという言葉自体はSEO業界で使われている言葉で、Googleが公式に発表したものではないが、将来的に導入される可能性があると考えられている。
現時点(2014年3月)ではAuthor Rankは検索ランキングを決定づける要因として使われていないが、高品質な詳細記事を検索結果に表示するIn-depth aritcles(イン・デプス・アーティクル)など一部で使用されている。
参照:
サバナビ「Author Rank(オーサーランク)とは?意味」
オーサーランクは、現時点では正式なIT用語ではありません。
なぜなら正式に定められたものではないからです。言葉の出始めはSNSが浸透しだしてからのもので、KloutやWhuffie(ウッフィー)と同じくらいではなかったかと。
「今後、Googleが検索エンジンを人工知能に近付け、自然言語処理を行う上では、SNSでのやりとりや発言内容が重要である(はずだ)。さらに言うならSNSだけではなく、発言者の信用性、何らかの貢献度は検索に反映されるべきだ。」
という考え方が、一部SEO界隈にはありますし、将来的な検索エンジンの方向性として考えられています。
これがオーサーランクを支持する方の考え方なのですが、確かに理に適っていると言えます。
信頼性がある人の発言は、重要視されるべきだということには同意です。
とは言え、当事者であり、検索エンジンに一番の影響力を持つGoogleの言質は誰も取れていない状況です。
被リンクがオーサーランクに変わったらどうなる
真偽の程は置いておいて、本当に被リンクがオーサーランクに置き換わってしまった場合、いったい何が考えられるのでしょうか?
1)オーサーランク重視であるならば、Google+が重要になるかもしれない
Googleにとってかなり恣意的になりますが、オーサーランクを重視するならばSNS情報が重要になります。
つまり、Google+での信用性、貢献度がオーサーランクの評価につながるということは普通に考えられます。
2)Facebookと連携するかも(FB側がせざるを得ない)
もしかしたらFacebook側に連携を持ちかけるかもしれません。
Googleが検索エンジンの絶対的な中心にいる事実に比べ、FacebookはSNSにおけるGoogleの立ち位置にはなっていません。そして、現在の地位さえも、安定しているとは言えません。
Googleがオーサーランク概念の拡充のために、Facebookに情報連携を持ちかけた時には、受けざるを得ない可能性があります。
3)Googleがメディアに手を付けるかも
仮にオーサーランクによって、単純なブログやキュレーションメディアが駆逐されてしまうのであれば、Googleはその受け皿を用意するかもしれません。
Googleの基準に沿った、Googleが定める一定の質を確保したメディアの構築です。
GoogleにはBloggerがありますので、それを使った何か、と考えることが自然だと思います。
4)オーサーランクによってライターの価値が上がるかも
クラウドソーシングが拡大していく中、ライティングの仕事は増えています。
ただし、1文字1円以下は当たり前という状況。
残念ながら、クラウドソーシング上でライターの質まではわかりませんから、価格破壊が起こっています。
オーサーランクが明確になれば、世間的には著名なライターでなくても、市場の原理原則でライター価値が上がるかもしれません。
5)単純なSEO会社は廃業、SEM、SMO会社は伸びるかも
SEO(しかできない)会社とSEM会社、SMO会社の違いは明確です。
小手先テクニックではないマーケティングアドバイスができるかどうかです。
ちゃんとSEMができるのに看板にSEOと掲げている企業は、SEMと言っても顧客認知が低いためでしょう。
SEOをテクニックで語る時代は終わっていますので、オーサーランクが重視されるようになると、小手先テクニックのSEO会社はますます通用しなくなります。
Googleの被リンクはオーサーランクに変わるのか
件の記事にはいろいろと怖いことが書いてありまして、幸い私らはSEOを生業にしているわけではないので良いのですが…。
わかること!は、検索エンジンで上位表示されることによってアクセス数を伸ばしていますので、検索エンジンの仕組みがガラッとオーサーランクに変わると困ります…(ソーシャルがイマイチなので、いいね!等お願いしますm(_ _)m)。
そこで見つけたのがこちらの記事です。
まずはこの動画をきちんと和訳をしてくれている方がいらっしゃるので、こちらの訳を参照していただくと分かりやすいかと思います。
これをもとに、今回マット・カッツ氏が言っていることを噛み砕いてみると、
・ユーザーに役立つページをより正確に見つけるため、自然言語を理解してそれを評価軸にできるよう今がんばっていますよ
・もし自然言語をきっちり理解できるようになれば、被リンクにばかり頼らなくてもある程度正確な解釈ができるようになるので被リンクの重要性は相対的に薄れていきますよ
・ただし、ページの基本的な評価のために被リンクの評価は役立つので今後も使っていきますよ
といった内容であると読めます。「オーサーランク」などという言葉はそもそも言及されていませんね。
参照:
SEO HACKS「被リンクから”オーサーランク”へ評価軸が変更、、って本当?? マット・カッツ氏の動画を解説してみる」
リンク先の和訳も読んでいただけると良いかと思いますが、今回一番の肝は、
「オーサーランク」という言質がGoogleから取得できた!本当に?マジで!?
だったわけです。
ところが、どやらそんなことは一言も言ってないようなのです。
将来的なオーサーランクの位置付け
どちらにしても、今後、コンテンツの重要性や検索キーワードの評価のが、ユーザー個人に紐付いていくことは間違いありませんし、被リンクの重要性が薄れていくことは考えておかなければいけません。
検索エンジンは、何兆通り、何京通りの組合せ(誰がいつ何をどこから等)から、本当に人と会話をしているように文脈に沿った回答が得られるようになっていくはずです。
また、自然言語処理を効果的に実現させるために、将来的にオーサーランクという考え方が導入されても、今更誰も驚きはしないでしょう。
ブログ、メディアの運営者は、今後起こる変化を予想して、日々の対策をしていかなければいけません。
とは言え、一足飛びに何かが変わるわけではありませんし、Googleのように影響力が絶大な企業が大きな変化を加える際は、そこそこしっかりした場で発表されるものだと思っています。
今回は誤訳というよりも、拡大解釈が広まってしまったため、ネット業界、とりわけSEOやそれを生業にしている方たちの間で大きく騒がれましたし、拡大解釈を助長するためにオーサーランクという言葉が使われてしまいました。
まぁ、いかにGoogle様がお強いかということですね。